ようちえんガイド

教えてふじようちえん

ふじようちえんの建物はどうしてあんな形をしているのですか?
この質問には、手塚貴晴さんが答えてくれます。

行き止まりの無い建物を作ろうと思いました。確か思いついたのは中央線に乗っていた時だと思います。私たちの子供を見ていると、ともかくぐるぐる回るのが子供は大好きです。
そこで色々と回れる形を考えていたのですが、結局シンプルな楕円形に落ち着きました。とはいえ、本当の楕円形ではありません。私が電車の中で書いた形なのでいい加減です。それからA3サイズの紙の中に書き込みましたが、これも一切定規を使っていません。よって、あの形はかなりゆがんでいるのです。
軒先が初めて現場で出来てきたとき、手塚由比が現場にて「これゆがんでるね」と現場で苦情を言ったら、竹中(工務店)の所長が「これは旦那さんのせいですよ」と言ったのが印象的でした。

私が手で書いた線を所員が丁寧にスプラインカーブというコンピュータプログラムでつないだからゆがんでいるのです。園舎の幅も広くなったり狭くなったり凸凹です。以上が形が出来たときの経緯です。

天窓のアイデアは、屋根の家の話が可士和さんからあった瞬間から決めていました。木を残すことは、可士和さんと一緒に敷地を見に行った時決めました。木を建物の中に残したのは、A3の紙に初めて楕円を書いた時、木が楕円にどうしても重なってしまうので、「エイッ中に入えれちゃえ」と成り行きでそうなりました。結果は上々だ思います。

第一に行き止まりが無いので子供が良く走ります。
朝屋根を30周したという子供がいたそうですが、30周は約5.4キロです。幼稚園生としては画期的でしょう。今時、何も強制をしないのに小学校前の子供が勝手に5.4キロも走れる環境は、都内の日々の生活には無いと思います。

第二に仲間外れがなくなりました。
行き止まりがあるとどうしても端っこの部屋は仲間外れで、
園長先生の目が届きにくくなりそうなのですが、この建物では全てが園長先生の視界の中にあります。この視界の中に入っているというのは園長先生だけの話ではなくて、園児にとっても同じです。

大きな仲間の中にいる時の安心感。これが確保できたと思います。この幼稚園ではいじめは無いはずです。いじめは分割され閉じこもった世界の中で起きるからです。