ふじようちえん

2013.2月1日 園長だより

2013年02月01日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

日ごと、厚みを増すバケツの氷に、まだまだ寒さが強まっていることを実感します。
子どもたちは、その厚い氷をバケツから取り出しては、まるで窓ガラスでも覗くように顔を透かして遊んでいます。氷が厚い分、お友だちの顔が歪んで見え、その“おもしろい顔ごっこ”で笑い声がしています。子どもたちは、寒さも友だちにして楽しんでしまうんですね。
皆様、いかがお過ごしでしょうか? 春一番には、もう少し時間がかかりますが、冬の寒さがあればこそ、暖かい春に感謝出来るものとポジティブ思考で行きましょう。

世間の状況と同様に、幼稚園でもインフルエンザが流行り始めています。ふじようちえんでは、毎年この時期、手洗い、うがい、マスク、お熱への初期対応、さらに状況によっては学級閉鎖等の対応させて頂いております。いずれも、子どもたちの健康と集団生活の場としての安全確保(インフルエンザ等の蔓延防止)を第一に考えて対応しております。特にこの時期、劇発表会へ向けてみんなで練習に取り組める状態を維持して行きたいと思っていますが、インフルエンザの発生状況のよっては、学級閉鎖にせざるを得ない場合も予想されます。一方的なお願いになってしまいますが、その時は、子どもたちやご家族様に、お仕事やご予定のやり繰り等々でご迷惑おかけすることになるかも知れません。どうぞご事情をご理解頂きまして、皆様のご協力の程、どうぞよろしくお願い致します。今後とも、集団活動の場でもある幼稚園では、インフルエンザの蔓延を防ぎ、お子様の健康と安全を確保する事を一番に考え対処して参ります。本当に油断は出来ません。園とご家庭で力を合わせて頑張って行きましょう。

≪日本の伝統行事を伝える≫
文献によりますと、節分という言葉は、本来、季節の分かれ目であるということを意味しています。春夏秋冬の四季、それぞれの季節の分かれ目に立春、立夏、立秋、立冬の前日は、すべて節分であったのです。その中で、すべてのものが生まれ出る春という季節は、新しい年の始まりであると考えられていましたので、立春は一年の最初の日であり、春の節分は一年の最後の日(大晦日)であったのです。しだいに重要視され、単に節分というと春の節分を指すようになったのです。
 そのために節分の行事は、12月31日の大晦日と同様に、年迎えのための行事であるということがいえます。いまでも節分のことを年取りとか年越しとよぶ地方があるのはこうした理由からです。また年賀状に迎春とか初春というあいさつを書くのは、立春を新年にしていたころの名残です。
 「鬼は外、福は内」と豆をまくのは、「魔滅(まめつ)」という縁起担ぎや、大豆には呪力があると考えられているため厄除けの鬼退治に使われてきたからです。新年を迎えるにあたって、家から悪霊や災難を追い払うための行事です。これは、中国から伝わったもので、疫病や陰気、災害は鬼にたとえられ、大豆で鬼の目を打つので、「まめ=魔目」に通じるともいわれています。豆まきのまめは、福豆といって、節分の夜に歳より1つ多く食べます。翌日の立春で1つ歳を重ねるので、来年の分も食べておくというわけです。
 豆のほかに霊力をもつといわれていたものは、ヒイラギの葉や、鰯の頭などです。ヒイラギの鋭いトゲは鬼の目を刺すといわれており、鰯は、臭いを嫌がって鬼がこないといわれています。
以上、ご存じ方も多いと思いますが、お伝えさせて頂きました。
さて、今回は節分を例に挙げましたが、日本で大切に受け継がれてきた季節の行事や儀礼、そこには、「無病息災」「子孫繁栄」「五穀豊穣」と言う願いや自然など目に見えないものへの畏敬の念、祈り、喜び、感謝の思い、そして知恵が凝縮されています。日本の行事や由来、歴史…地域の文化等々を大切にしたいと思います。行事体験を通して、その空気、心を伝えて行くのも幼児教育の大切な役目だと思います。
改めて考えると、日本の伝統行事は、幼稚園の時期ぐらいしか体験することが出来なくなっているのも現実です。幼稚園こそ、日本文化の伝承者ではないかと思いました。

≪展覧会に感動!!≫
先日、大山小学校の『展覧会~みんなおいでよ!大山キッズミュージアム~』に行かせて頂きました。体育館に入ると、天井までとどく大木のオブジェ、4年生の共同作品だと記憶しています。その大きさに圧倒されて見ていると『ガイドさせて頂いてよろしいでしょうか?』の声、私は『はい、お願いします』と言い、作品を説明して頂きました。テーマが「夢見るハッピーバード」と言う3年生の作品でした。どういう思いで作ったのか、工夫したところ、難しかったところ…丁寧に説明して頂き、3年生が製作している風景が大変よく想像できました。ガイドしてくれたのは5年生の女子、一所懸命に説明してくれました。作品づくりの背景や内容がよく分かったのは勿論、一般的に観るだけの展覧会はありますが、話が聞けて制作者の気持ちが聞ける展覧会、私は、この新しい取り組みを体験し、感動してうれしさが湧いてきました。
“ガイド付き展覧会”大山小でも初めての試みと聞きましたが、私の知る限り他の小学校でもないと思います。ついつい展覧会は作品づくり、作品展示に力が注がれますが、作品を説明するガイドという型で子どもたちの話す力、伝える力、コミュニュケーション能力等々を育むことも出来るのですね。特に普段話すことがない、地域の大人と話をする機会にもなり、素晴らしい教育活動だと思いました。
また、工作コーナーで、来場者がその場で作った作品も壁に飾ってもらえる“来場者参加ゾーン”もあり、これからの展覧会のあり方を勉強させて頂きました。帰りに本に挟む手づくりの“しおり”も頂き、印象に残り、記憶に残る展覧会でありました。
僭越ですが、展覧会に作品を出し、ガイドしてコミュニュケーション能力を高めるこの方式に、教育の展開と子どもたちの能力を引き出し、伸ばそうとする先生方の創意工夫、ご努力に敬意を表させて頂きたいと思います。
その後、あるお母様から、『園長先生、来てくれたんですね、ありがとうございます。来年は、うちの子の○○○がガイドしますから、また来て下さいね!!』と言われ、また、うれしくなると同時に、大山小のこの方式を保護者の皆様も、みんなで大切に育てようとしている心を感じました。さらに素晴らしい地域になると確信しました。
ちなみに、私が園に帰って来てから、幼稚園の先生方にも見てもらいたくて『行ける先生は、みんな行くように!!』と気が付いたら言っていました。そして、多くの先生方も行かせて頂き、感動しました。感謝。

園長だより vol . 119 (2013.2.01)