ふじようちえん

園長だより vol 227 (2020.11.30)

2020年11月30日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

師走を迎え、いよいよ冬がそこまで近づいてきたような寒さになりました。そんな中、先日、種をまいた芝が芽を出して、園庭が鮮やかな緑に覆われています。勢いがある芝の緑と冬の澄んだ青空…素晴らしいコントラストを描いています。そして、子どもたちは、寒さに関係なく屋根の上をぐるぐる走り回っています。まさに、“寒い時には、屋根の上をぐるぐる走り、日向ぼっこをすればいい”と言うふじようちえんの教え、寒い時にあったかくなる方法(‼)を実践しています。

皆様、いかがお過ごしですか?新型コロナ感染が、東京都はもとより全国的な拡がりを見せ、社会が慌ただしさを増してきました。これから、生活面、経済面でどういう状況になるかわかりませんが、私たちは、子どもたちの育ちを守っていくため、みんなで力を合わせて万全を期して臨んでいこうと思います。引き続き、手洗い、うがい、消毒、マスク、3密を避けること等々、みんなで用心して過ごしましょう。
そして、お子様やご家族様の体調や状態が少しでも悪かったり、ご心配な時はご都合やお仕事もあろうかと思いますが、このぐらい大丈夫、平気だろう‼と判断せずに、お休みしてお医者様に見てもらうのが一番だと思います。このくらい大丈夫だろう‼の判断が集団生活をしている幼稚園では、インフルエンザや新型コロナウィルスの蔓延につながることがあります。皆様のご理解、ご協力をどうぞ、どうぞよろしくお願い致します。

≪秋に育った‼≫
11月は、園外保育で昭和記念公園に行き、広場や森で思いっきり遊んだり、落ち葉やドングリ、松ぼっくりを集めたり、おいしいお弁当を食べて秋を満喫してきました。持ち帰った落ち葉や枝を使って、それぞれにクリスマスフェスタの作品づくりにつながっています。また、スマイルファームでさつまいもを掘ったり、それを洗って、干して、屋根の上でみんなで食べたり、しいたけ狩りやみかんの収穫で数を数えて、おいしく食べる算数に触れたり…さらに昔ながらの農機具で脱穀、精米を見学体験して、白いお米が出来るまでを見て、感じて、学びました。特に、今年のおにぎり会は、コロナ禍も考慮して、子どもたちが新米をビニール袋の上から握っておむすびをそれぞれに作るというチャレンジです。みんな、真剣に握っていました。例年なら、『ぼく、6個食べた‼』とか、『私は、3個‼』なんて声が聞こえるのですが、今年は、『自分で作ったんだよ‼』『上手に三角に握れたよ‼』という自分でおにぎりをつくれたことが嬉しくて仕方ないという感じの声が多くありました。多分、自分で出来るんだ‼ということが分かってそれなりの自信になったものと思います。細やかではありますが、子どもたちの育ちに貢献するおにぎり会になれたような気がします。
ちなみに、おいしい塩むすび、シンプルなだけにお米の味がよくわかり、特に、指にくっついた米粒を口できれいに食べるところに本当のお米の味が潜んでいますね。大人より数万倍味覚を感じる力が優れている子どもたちに、様々な素(す)の味を知っておいてもらうことは原体験としても大切だと思いました。
私は、塩むすびが好きで、大切な言葉『腹八分目』を忘れてついつい食べ過ぎてしまいました。やっぱり、日本の教育が100点満点をめざした環境で育ったせいか?もっともっとと求めてしまう傾向になりがちです。時には、150点とる時もありますしね。(笑)なんて、食べ過ぎを日本の教育のせいにしちゃってましたね。失礼。

≪カッコイイ、消防士さん≫
先日、立川消防署・砂川出張所の皆様にお越し頂き、避難訓練、消火訓練そして、消防車見学と防火衣の早着替えを見学させて頂きました。いつもの合言葉「お・か・し・も・な」押さない、かけない、しゃべらない、戻らない、泣かない、の約束通りしっかり出来て、消防署の方からもお褒めの言葉を頂きました。消防車に触れ、防火衣の早着替えを見学すると・・・みんな消防士さんみたいに早く着替えることに挑戦したくなったようです。そして、『大きくなったら、消防士さんになりたい人~?』の問いかけに、みんなが手を挙げました。消防士さんへの質問コーナーもあり、また、みんなが手を挙げました。最初のお友だちの質問では、なんと『好きな色は何ですか?』毎月のお誕生日会の時と同じ質問に『やっぱり、赤かな?』と消防士さんも微笑ましそうにきちんと答えてくれていました。本当にいろいろお手間をかけ、またお付き合い頂きありがとうございました。子どもたちの将来につながる大切な体験、心より感謝申し上げます。そして、挨拶で敬礼を習いました。大人を見て育つ子どもたち・・・おそらく、お家でも“敬礼”のポーズが見れるものと思います。どうかな?

≪おもしろがる力≫
“遊びが、学び”とか、“遊ぶ力で子どもは育つ、心も体も脳みそも”…とよくお話しますが、私は、単純に遊ぶ力は、『おもしろがる力』だと考えています。『おもしろがる力』は、知らないことを知ったり「まず、やってみよう」という行動の原動力になるものと思っています。一つの物事を見ても、興味を示す子、そうじゃない子…色々いていいと思いますが、得てして物事をポジティブに捉えて、おもしろがっている子の方が、勉強意欲や好奇心の深掘りにつながり、様々なことを吸収しやすく、情報量も多く、様々な判断や的確な行動につながっていくような気がしています。
おもしろがる力に必要なのは、創造力と頭の柔らかさ、固定観念をなくして、様々な角度から物事を見ることです。簡単に言えば、大人が『できない‼』『無理だ‼』『難しい』と言う言葉を子どもの前では使わず、『できる‼』『可能性あり‼』『かんたん‼』と言う言葉をいっぱい使うことによって子どもの心に火をつけることが大事だと思います。ご家族、兄弟姉妹、お友だち…いつも一緒にいる人の言葉が、子どもの心をつくり、考え方のクセを醸造して行きますからね。“日常に神が宿る”ですね。

≪歩こう、そして、口元、表情を見せよう‼≫
 新型コロナの感染拡大で4月に緊急事態宣言が発令された時、各地の公園や遊具に立入禁止のテープが張られ使用できず、幼児の運動不足を心配する意見がありました。確かに、ある大学の万歩計による子どもの歩数調査では、3~5歳児の1日当たりの平均歩数が6500歩位のところ、約2~6割減っていたということです。やはり、外出が制限されれば歩数も減るということですが、コロナ禍の影響もあるのでしょうか?最近は車による移動がとても多く、歩いてない子が増えているように感じていました。そんな点から、GoTo0+スタンプラリーは良かったのかもしれませんね。(自画自賛)まぁ、自由に遊べる環境がご近所にないということもあるでしょうが、出来るだけ、子どもたちには歩いてもらいたいものです。歩くことがしっかりしてくると、体感やバランスも整ってきて、運動能力もさらに成長するものと期待しています。
また、マスクで隠れがちな口元を含む大人の表情を通したコミュニケーションも大事です。この点でも、可能な限り私たち大人が工夫していくことを求められているように感じています。子どもたちが幸せな未来を送れますように‼と心に秘めつつ。