ふじようちえん

園長だより vol . 240 (2021.10.29)

2021年10月29日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

秋が深まり、朝夕、少し肌寒さを感じるようになりました。各地から初雪の知らせも届き、いよいよ冬が近づいて来たという感じがします。幼稚園では、けやきが紅葉し、園庭に落ち葉が目立つようになりました。そして、その落ち葉を子どもたちが小さな熊手やほうきで集めては、せっせと運んで、自分たちが飛び込んで遊ぶ“落ち葉プール”づくりをしています。落ち葉と言う自然を使って、おそうじをしながら楽しい遊びを想像し、それをみんなで作って、遊んで、楽しむ…自分たちでつくり出した遊びは本当に楽しく、主体性が発揮された素晴らしい育ちの時間だと思いました。

さて、先日は、運動会へのご観覧、本当にありがとうございました。限られた時間、厳選した種目、限定した場所でのご観覧…従前の運動会とは異なるスタイルでしたが、皆様のご理解、ご協力のお蔭で、無事終えることが出来ました。感謝‼
子どもたちも、練習の成果をご家族の皆様に見てもらって、それぞれに達成感や満足感を感じたのか?何か、終了時には、自信が増したような顔つきにみえました。けして、金メダルをもらったというだけではない大きな育ちがあったものと想像します。運動会のあと、屋根の上では、子どもたちによる自発的なリレーあそびが盛んに行われています。“運動会で育つ+運動会の後も育つ‼”ということでしょうかね。

改めて、皆様いかがお過ごしですか?緊急事態宣言は解除されましたが、これから迎える冬は、第6波への対応やインフルエンザの流行時期にも重なり、十分注意が必要です。そんな点から、まだまだ油断はできませんので、幼稚園では、今まで通り安全安心を第一に子どもたちの育ちをしっかりと守り、支えて行きます。引き続きのご理解、ご協力の程、どうぞよろしくお願い致します。

≪感動は、教えられない‼さつまいも掘りで。≫
先日、青く澄み渡った秋空の下、スマイルファームでさつまいも掘りをしました。子どもたちは、畑のふかふかの土を素手で触れ、穴を掘る要領で土をかき出し、紅色をしたさつまいもを土の中に見つけると、その驚きと感動が歓声となってあちこちから聞こえてきます。特に『園長先生、見て、見て‼』の声がそこら中から聞こえてきます。人は誰でもうれしさや感動は、誰かに見せたい、見てもらいたい、すごいね、おっきいね‼と言ってほしいものです。子どもたちの掘ったさつまいも、大きくても小さくても、全部素晴らしいその子の成果『すごいね‼』『おっきいね‼』『お母さん、びっくりしちゃうね‼』なんて言いながら、子どもたちの達成感と自信が付く言葉をいっぱいかけました。確かに、今年も豊作で、みんなたくさんのさつまいもを持って帰ることが出来ました。袋の重さと同時に自分で見つけた自信をもって帰りました。
この秋、子どもたちは、さつまいも掘りで土に触れ、洗って、干して、甘くして?おいも会では、屋根の上でさつまいもを食べて、味覚の秋を実感します。さつまいも掘りの後日、子どもたちに聞いたら、『天ぷらで食べた!!』『スィートポテト!!』『大学イモ!!』…たくさんの子どもたちの報告に、楽しいご家庭の様子が想像でき嬉しくなりました。これから、脱穀精米や園外保育で行く昭和記念公園での紅葉狩り等々で、更に秋を感じてみたいと思います。季節を感じ、さわって実感し、理解に繋げ、さらなる発見へとつなげたい…そんな子どもが育つ秋、大切に過ごしたいと考えています。

≪個人差を認める‼≫
さて、私はモンテッソーリ教育で大好きな観点の1つが「多様性」にあると考えています。特に、日本社会は、ともすると『みんな一緒が…』一番好まれ、安心感を生む特徴があります。英国では、授業の最初にクラス全員がそれぞれに1対1で対話して、それぞれの肌の色、言語、好きなこと等々『違いを知る』ところから教育が始まります。日本でもこれから、個性を発揮する場面は幼いころから大切だと思っています。
例えば、ふじようちえんの子どもたちが着ているFuji Tシャツですが、よくこれは園服ですか?と聞かれます。私は「いや、ただのTシャツです」と答えます。でも、ほとんどの子どもが着ています。このTシャツ、このクラスはこの色、とか言う決まりはありません。『自分の着たい色は、自分で選びなさい』と言っています。
その根底には、人は、それぞれが違うのが当たり前、一人一人の違いを全部認めてあげようと思っているからなのです。つまり、自分は何をしたいの?自分の意志を出しなさい、表現しなさいと、モノ言わぬ周辺環境が子どもに問いかけているのです。
これは、ランチにも応用されていて、毎日、幼稚園で作るランチか、持参するお弁当、どちらでも選べるようになっています。他にも様々なことで、子どもたちの意志を発揮してもらう場面が多くあります。“子ども自ら育つ力”を発揮させるために、常に『自分は、こうしたい』と自分の意志を出す中、周りとの折り合いも付けられるように育って行ってほしいと思っています。
何かを教えられて、出来た!!と言うことも大事ですが、自分の意志によって達成した方が、たとえ失敗したとしても満足感もあるし、それが自信につながり、自立へと向かうと考えています。

≪くだもので育つ‼今年は、国際果実野菜年‼≫
 皆さん、ご存じですか?今年、2021年は、国連が定めた“国際果実野菜年”なのです。私は、全く知りませんでした。調べてみると、果実や野菜は食物繊維、ビタミン、ミネラル等々多く含み健康な体作りには欠かすことのできない栄養源です。でも、日本をはじめ先進国でも成人1人あたりの平均摂取量は必要量に達していないということです。また、国内外の果実や野菜が手に入りやすくなっている一方、食品ロスも問題になってきています。そこで、これからは果実や野菜の知識を深め、健康な身体づくりに役立て、買い過ぎに気を付け、廃棄や食べ残しを減らしましょうという、とても大切な活動方針が示されていました。
そこで、“毎日くだもの200グラム運動”という提案を知りましたのでお伝えします。私が果物のことを言うと、すぐ子どもたちはランチの果物を思い浮かべて『園長先生、ねらってる‼』なんて、言い出しそうですが、お子様の体や食事量に応じて、調整しながら果物を食べる習慣づくりも、子どもたちの健康な身体づくりには大切ですね。
ふと、思いついたのですが、さつまいもは、野菜なのか?果物なのか?穀物なのか?みなさん、わかりますか?結論から言うと、さつまいもの分類は、国の調査でも定まっていないらしいです。詳しくは、ネットでお調べくださいませ。美味しくも、謎を呼ぶさつまいものお話になっちゃいましたね。

園長だより vol . 240 (2021.10.29)