2024年度2月 園長だより vol . 287 (2025.2.28)
2025年02月28日 / 園長だより


藤幼稚園のご父母のみなさまへ
この冬、北日本を中心に寒波が押し寄せ、記録的な大雪、積雪等々で大変な事態になっています。災害に遭われた地域、多くの皆様に心よりお見舞い申し上げます。
私は、このニュースに触れる度に、東京・立川市周辺は、あまり坂がない平地なので、奥多摩や秩父から吹く風が直に当たり、冷たく寒さもより感じはしますが、毎日、太陽の眩しい日差しを浴びられることだけでも、とてもありがたいことだと思っています。さらに近隣では、梅の花が今を盛りに咲いています。幼稚園の落ち葉プールのそばにある“おかめざくら”のつぼみも徐々に膨らんできているのを確認しました。春ももうすぐそこという感じです。ちなみに、先生たちが「おかめざくらのかいか」という展示物を作成し、子どもたちが開花を楽しみにしてくれるようにしています。より春が来るのが楽しみになりますよね。
このように見え隠れする春の兆しにワクワクする今日この頃、皆様、いかがお過ごしですか?春の3Kと言われる、花粉、乾燥、寒暖差に十分にご注意いただき、元気な毎日をお過ごしくださいね。
-1024x768.jpeg)
-1024x768.jpg)
先日の劇発表会、お忙しい中、多くの方々にお越しいただきまして、ありがとうございました。親として、ご家族としてお子様の成長をそれぞれに確認する時間となったことと思います。そして、子どもの育ちに親が出来る事も感じていただけた?かとも思います。“演じるのは子ども、親は見守ってあげることしかできない”とお伝えしてきましたが、劇発表会の会場に代表されるように、親子間の距離やその関係は、子どもが成長する様々な場面でも、基本的に同じではないかと思います。これからも、“お子様の育ちを見守り、本人に任せる、他人の中で子どもは育つ”等々の思いを心の片隅に置き、親をやることが子どもがより良く育つ秘訣のように思いました。
年長さんは、あと数日で卒園し、年少さんは進級し、みんなそれぞれにステージを変えて育っていきます。1年の早さと目を見張る子どもたちの成長に驚いています。
今、子どもたちは、緑におおわれた園庭で、ハンカチ落としやフラフープ、しっぽ取りやボール遊び・・・まるで、お友だちと遊ぶ時間、先生と一緒の時間、幼稚園で過ごす時間を惜しんでいるかのように感じます。私たち教職員も、限られた今の時間を大切に過ごしていきたいと思います。


≪ひなまつり≫
今年も、お雛様を飾りました。ふじようちえん開園から飾り続けて、54回目のひな祭りです。お内裏様、お雛様、三人官女、五人囃子…みんな笑顔で勢ぞろいです。今までずっと健やかな子どもたちの育ちを見つめ続けています。感謝!!
ご存知の方も多いと思いますが、ひな壇の飾り物、脇役とも言うべき菱餅、その形には、子孫繁栄、長寿の力があるとされる「菱(ひし)の実」の形から来ているという説や人の心臓を形どっていると言う説、様々です。色は三色、下から緑(よもぎ・厄除け)、白(菱の実・子孫繁栄)、赤(クチナシ・厄除け)の順に積まれ、健やかな成長を願う親の思いが込められています。また、三色には、雪の下(白)から芽吹く新緑(緑)に桃の花(赤)という日本人の豊かな色彩感覚で春の情景を表しているとのことです。まさに日本文化ですね。と同時に、芽吹く新緑…に子どもたちの成長を願っているご家族の思いも感じました。
幼稚園でも、大切に受け継がれてきた日本文化を“雛あられ”、“白酒”に見立てたカルピスで味わいます。子どもたちと一緒で、お雛様たちも喜んでいるようです。




≪大きな運動と微細運動≫
先日、以前あった園内のけやきの木をぶつ切りにして、西側園庭に飛び石ならぬ“飛び木”として遊び場を造ってみました。大きめの木の断面で間隔を空け、大きな動きで一歩踏み出さないと渡れないエリアと、つま先歩きしないと小さな木の断面を踏み外してしまうために“制御した運動能力”を求められる運動エリアに分けてあります。どちらの運動能力も子どもたちの育ちに役立ちます。
子どもたちに遊びを通じて育ってほしいとの思いで設置しましたが、そこにはいろいろな意味合いがありますので、ご案内させていただきます。
(尚、下記情報は、今回の飛び木と同様な動きがある飛び石や平均台の有効性を伝えているネット上からの引用も含んでいますので悪しからず)
「飛び石」や「平均台」は、子どもたちのバランス感覚や協調・運動能力・自信・自己肯定感・集中力と注意力・危険回避の能力を育ててくれます。
バランス・平衡感覚が身につく(知育+体育)
子どもが飛び石や平均台で遊んでいるとき、思わず息を呑んで見守ってしまいますよね。でも、その一歩一歩が、実は子どものバランス感覚と協調を鍛えています。
身体を安定させるためには、手足の動きをうまくコントロールする必要があります。この動きは身体のバランス・平衡感覚を高め、脳をも成長させるのです。
運動能力が向上する(体育)
飛び石や平均台は全身を使った運動なので、子どもの運動能力を自然と伸ばしてくれます。足元を見ながら、体をバランス良く保つことで、足腰はもちろん、腕や腹筋も使います。これが全身の筋力アップにつながり、運動能力の向上に役立ちます。
自信がつき、自己肯定感が高まる(知育)
子どもが自分でできることが増えると、自信がつきますよね。飛び石や平均台も同じです。最初は躊躇していた子どもが次第にスムーズに渡れるようになると、自分の成長を実感し、自信を持つことができます。その自信は、他の新しいチャレンジにもつながります。自己肯定感は非認知能力の一部。幼少期の子どもがとくに育みたい能力として近年注目されています。飛び石や平均台では、足元に気をつけながら前に進む必要があります。これは、自然と子どもの集中力と注意力を鍛えます。これも自己肯定感と同じく非認知能力として注目されている能力の一部です。
危険回避の能力が身に付く(知育)
最後に、これらの遊びは子どもの危険回避能力を育てます。危険回避能力は、危険の存在に気付き、どのような結果が予測されるかをイメ ージし、危険と判断すればそれを回避する能力です。この能力は専門的・実践的知識の習得や自然体験等によってしか育まれません。飛び石や平均台では、子どもたちは自分の身体と環境をうまく調和させ、落ちないように行動します。バランスを崩したときには、転倒する前に地面に足をついて身体の平衡を 保とうとします。 たしかに、「痛い」「ケガをする」という危険を回避してる! この能力は、子どもの日常生活だけでなく、緊急時の対応・防災意識など、将来的にも非常に役立つスキルとなります。
皆様もご記憶にあると思いますが、飛び石渡り…懐かしいけど、今の自分をつくってくれていた育ちの道具だったんですね。
2024年度2月 園長だより vol . 287 (2025.2.28)