2016年11月30日 園長だより
2016年11月30日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
各クラスから♪垣根の、垣根の曲がり角、たき火だ、たき火だ…の歌声と♪ジングルベル、ジングルベル、ジングル・オブ・ザ・ウェー…の元気な歌声が聞こえています。季節の変化を子どもたちの歌で感じることが出来る今日この頃です。
さて、もうすぐクリスマスフェスタ、子どもたちは今、作品づくりに集中しながら過ごしています。見ていると、はさみで描いた線の上になぞって切っているとき、口をとんがらせて慎重にはさみを使い、紙を切っている子や、初めて使う金づちを使うのか?手先はぎこちないですが、キラキラした目で取り組む姿、慣れない毛糸を扱い、だんだんと上手に丸めることが出来るようになって得意げな顔をしているお友だち…子どもたちみんなが作品づくりで育っていることを実感しました。
アートライブで、子どもたちそれぞれに一所懸命に作った作品をご覧頂ければと思います。合わせて、完成に至るまでの工夫やガンバリを想像しながら見て頂くとさらにお子様の育ちへの理解が進むものと思います。どうぞ、お楽しみに。
もちろん、歌の発表もお楽しみに‼ さぁ、サンタさん、来てくれるでしょうか?
いよいよ12月を迎え、毎年のことですが、一年の速さを感じる時期になりました。年賀状に、大掃除…やることはたくさんあるのですが、やれることはわずかなもの…こんな調子で毎年年末を迎えているということは…学習していない証拠ですね。
日ごと寒さが増してきています。うがい手洗いを基本に、風邪に気を付けながら楽しい行事がたくさんある12月を過ごしていきましょうね。今年は、早めの流行が報道されています。お体、ご自愛くださいませ。
≪紅葉と雪≫
先日、運転中に真っ赤に染まったもみじの木を見つけました。まさに紅葉最高潮という感じのあざやかさ、後でカメラで撮ろうと思いつつ、忘れてしまいました。また、そこを通るたびに同じことを思いつつ撮りませんでした。そして、突然の降雪、赤と白のコントラストはとても美しく、この時期に、めったに見ることが出来ないものでした。でもその時はカメラを持っていませんでした。そして、いよいよ撮ろうと構えた時には、雪が解け、赤いもみじの葉もほとんどが枯れて落ちていました。
本当に、紅葉の時期は一瞬なのですね。改めて、“今”と思ったときに行動しないと大切なものを逃してしまうものだと思いました。そして、自分で納得のできる“今”を過ごすこと、大変ですが心がけようと思いました。そして、おそらく、葉が真っ赤になる一瞬の紅葉の時期は、子どもたちの育ちにも通じるところがあり、育つべきものが育つ時期を見つめて、よく観察してその時期を見逃さず、それに合わせた提示や指導、環境づくりを心がけて、言葉がけや行動をするようにしたいと思いました。
≪ポケット≫
子どもたちの育ちを様々な側面から支えていくために、先生方の細部にわたる打ち合わせは欠かせないことです。歌、手遊び、教具、音楽、リズム、絵本、健康…等々多方面にわたり、確認することがあります。その中で、生活習慣の項目に冬ならではの内容が出てきました。それは、『ポケットから手を出す』ということです。寒くなり、ついつい手をポケットに入れがちですが、ポケットに手を入れている状態でつまずいたり、人とぶつかったりしてバランスを崩し、転んだ時など、とっさに手が出ないで、顔や体をケガをする可能性大です。また、ポケットに手を入れている姿は、背が丸まって見え、よい姿勢ではありません。『ポケットから手を出す』という言葉がけより、むしろ、『ポケットに手を入れない』という言葉をかけて、手を入れる前のところでのクセ付けすべきものと思います。言っている私が、寒いとついつい手をポケットに入れていたりして…大人が手本とわかっていながら…手本となる大人になるのも大変ですね⁈
≪なかよしランド≫
昨日、月組、星組のお友だちが近くの立川9小に行き、小学1年生と交流会を行いました。“なかよしランド”と称して、毎年行っていますが、小学校進学の意識が出てきている年長さんに、小学生になるために少しでも小学校を見てもらおう、知ってもらおう、小学校って楽しいところだよ、と感じてもらおうと企画して頂いているものです。体育館に待っていた小学1年生の皆さんが、マイクを握り進行して行きます。はじめの会、校長先生あいさつ、担当の先生あいさつ、そして、お店の紹介…様々なゲーム、動くさかな釣り、たおせボーリング、シャンプーロケット、コロコロでんぐりゲーム等々…楽しいお店が18店もありました。この日のためにみんなで相談し準備してくれたものと思います。その気持ちだけでもうれしいのに、お店の前でゲームの仕方を分りやすく教えてくれるのです。3月まで幼稚園児だったお友だちが、すごく積極的に年長さんを誘い、なかよしランドを盛り上げていました。その成長に驚くやら、感動するやら…しっかりと育っていることを確信しました。そして、おわりの会では、出口先生のあいさつ、年長さんからのお礼の言葉を言い、終了となりました。年長さんもこの交流会を通じて、ますます小学生になるのが楽しみになってきたものと思います。9小の1年生の皆さん、先生方、ありがとうございました。感謝‼
≪感謝の心、ありがとうで育つ≫
56歳で幼稚園をつくり、103歳のいまも理事長として教育に思いを寄せる近藤とみさん(学校法人まさ美学園)という方がいます。以下、その方の言葉です。
私がよく親孝行は大事だというのも、園児たちの心の豊かさを育むためですよ。ところが、いまは難しい時代になって、お母さんたちがお弁当をつくるのが面倒くさいからと、よそから取り寄せるでしょう。でも、うちは月曜日だけはちゃんと手づくりのお弁当を持ってこさせるんです。日曜日の残りものでもいいから、お母さんが弁当をつめて、それを持たせなさいって。お昼になると「きょうはお母さん ありがとうの日だね」って言いながら、園児たちの机を回っていくと、あっちからもこっちからも、私にお弁当の中身を見せにくるんですよ、それも喜んで。子供にはただ口でお母さんに感謝しなきゃいけないよ、と言っても分からん。でも、こうやってお弁当一つで、お母さんに「ありがとう」が言えるようになります。ここから豊かな心が生まれる。これが本当の教育ですよ。
それからもう一つ言いたいのが、子供は砂場から育つということ。例えば、だんごをつくって綺麗に並べた女の子が、「お父さん、ご飯ですよ」って言う(笑)。ままごと遊びですね。「ありがとう、お父さん喜ぶね」と私は言うんですけど、そうやって誰もが砂場から大きくなるんです。早くから「1+1=2」を教えるよりも、遊びながら教育する。それが本当の教育だと思いますね。
恥ずかしながら、私も子どもたちのランチのオレンジやグレープフルーツに手を出してふざけている場合ではなく、もっともっとご飯を作ってくれる人、お母さんへの感謝の心、ありがとうの心を伝えなくてはいけないと反省しました。
園長だより vol . 172 (2016.11.30)