ふじようちえん

2017年4月28日 園長だより

2017年04月28日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

新緑が太陽の光を浴びてまぶしいほど輝いています。園庭では、さわやかな風に吹かれて、気持ちよさそうにこいのぼりが泳いでいます。皆様、いかがお過ごしですか?

新年度になり、約1ヶ月が経ち、子どもたちもだいぶ幼稚園に慣れてきました。先日まで、正門付近でお母さんと離れるのがさびしくて、泣いていたお友だちも、今では、送って来てくれたお母さんの方を振り返りもせず、お友だちの待つお部屋に一直線に走って行ってしまいます。親とすると、うれしくもあり、ちょっぴりさびしく…という感じでしょうか? 新緑の季節、子どもたちの“親からの自立の芽”は、こんな感じで芽吹いてきていますね。
いよいよ、大型連休になります。お子さまを真ん中に、楽しい思い出をいっぱいつくって下さいね。4月と同様に、子どもの時期は慌ただしく過ぎていくものですから。

≪家族遠足‼≫
先日は、遠足にご参加頂きまして、ありがとうございました。親子での遠足を通して、子どもたちはもとより、ご父母の皆様方の出会い、交流が始まればうれしいです。よく言われますが、幼稚園での出会いが一生もののお付き合いになっていることもしばしば、2度とない幼稚園の時間、様々な行事やファミリーランチ…お楽しみ下さい。ちなみに、ふじようちえんは、男性教諭も多く、お父様も気安くお越し頂けるためか?各行事にお父様のご参加も多くて嬉しいです。お休みしたり、午後からの出勤等々、お仕事のご都合をつけて頂いてのご参加、ありがとうございました。こういうご家族の姿、本当に美しいと思います。ご無理は申しませんが、私は、遠足は1年に1回ですので、出来ればご家族様で参加する“家族遠足”もいいと思っています。そこで、お子様がいつも遊んでいるお友だちに会ったり、また、子どもつながりで親同士の交流になったりと友だちの輪が広がります。親としたら、子を持ってこその出会いの場面、新たな友だちづくりのステージになると思います。
とにかく、お天気でよかった‼ご協力ありがとうございました。

≪八重桜が満開‼≫
幼稚園内で咲く花も、桜、たんぽぽ、チューリップから…新緑、あやめ、藤の花…へと次々に変化しています。その中で、今、八重桜が満開を迎え、子どもたちはその落ちる花びらを全身に浴びて喜んだり、花びら集めも懸命にしています。一般的には、桜の時期は過ぎた感がありますが、ここぞとばかりにその重厚な花びらを広げ、全開で咲いている八重桜の堂々とした姿に感動すら覚えました。そして、咲き方、特に他の桜が終わった後に咲くそのゆっくりした姿に、子どもたちの育ちを重ねて考えてみました。子どもたち、それぞれに育ちのペースや興味の示し方、持っている特徴…すべて違うこと、むしろ、違って当たり前だということと通じるのです。なんでも早ければいいというものでもありません。ゆっくり咲く八重桜、とても綺麗です。
そんなことを考えながら、子どもたちを見ていると…幼稚園やクラスに慣れたお友だち、まだまだお母さんが恋しくて…これから慣れていくお友だち…とそれぞれの育ちのペースの違いが分かります。同時に、新しい環境に親しんでいこうとしています。私たちは、他のお友だちと比べることではなく、それぞれの育ちのペースを見守り、その育とうとしているもの、何に興味を示しているのか等々を見つめ、その環境づくりをしながら一緒に過ごしていこうと思います。まさしく、育ちのお手伝いです。
今まで、ご家庭でお母さんと一緒にいて、4月からいきなり幼稚園の環境…慣れるまで時間がかかることも当たり前です。新しい環境になれるコツは、楽しい何かとの出会いだと思います。はるちゃん、宝石、お友だち、先生、お絵かき、屋根の上…すべて、子どもたちが育つための道具です。そんな意味でもふじようちえんの隅々まで体験してほしいと思っています。そう言えば、一昨日、日の出町から竹の子を掘ってきました。根っこ付きの竹の子、さわって感じてみて下さいね。園長席前です。

≪育ちの特徴≫
幼稚園のランチが始まりました。みんなで一緒に、美味しく、楽しく食べることを大切にしています。ランチの準備でお当番さん、お手伝いさんが水を汲んだバケツで布巾を絞り、机の水拭きから始まり、お茶を注ぎ、配膳、給食セットを出して置き、準備ができたらみんなで『いただきます』そして、『ごちそうさま』をきちんと言い、感謝の心も育んでいます。毎日のこの繰り返しが子どもの育ちを形成していきます。
そして、各クラスを廻って見てみると、子どもたちのランチの食べ方も様々です。大きく分けて2タイプありました。好きなものを最後まで取っておいて、大事に味わって食べるタイプ、好きなものを一番先に食べてしまうタイプの2つです。深読みし過ぎかも知れませんが、前者は、計画性、段取り力の芽生え?とも言えなくもありません。そして、後者は、直感的表現力の始まりとも考えられます。自分勝手に想像しちゃいました。どちらがどうと言うことではありませんが、すべてのことが未来の何かにつながる育ちの芽生えだと考えられるものと思います。うちの子は・・・。

≪不便益という発想≫
京都大学デザイン学 ユニット教授 工学博士 川上浩司著『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便を取り入れてみてはどうですか?~不便益という発想』と言う、とんでもなく長いタイトルの本に、ちょっとした不便を子どもの育つ環境に取り入れ、子ども自ら育つ環境づくりをしている事例として、ふじようちえんが紹介されました。先日、京都に行った際に、お会いし、とても興味あるお話も伺いました。本書では、便利なモノやサービスが必ずよい社会につながるのでしょうか?という観点から、不便による利益、不便益を解説しています。
例えば、段差があるデイケアセンター、自分で漕がないと進まない車椅子、詳細なルートを提供しない観光ナビ、ゴミを拾わないお掃除ロボット、そして、園庭がデコボコでこけやすい幼稚園…として当園が紹介されていました。紹介されたことよりも、不便益という言葉に何か?通じるものを感じましたので、ご紹介させて頂きました。
連休の読書のお友にいかがでしょうか?長いタイトルで…不便ですかね⁈

園長だより vol . 179 (2017.4.28)