ふじようちえん

2016年10月31日 園長だより

2016年10月31日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

 テラス屋上から見える奥多摩や秩父等々の山々も澄みきった青空に映える季節となってきました。山中の色とりどりの紅葉を思い浮かべ、行ってみたくなりました。
 秋本番、園庭に舞う落ち葉も日ごとに量が増えてきています。子どもたちは、お仕事として、この落ち葉を小さな熊手で集めては、ポニーのはるちゃん横にある落ち葉プールに入れています。秋の深まりとともに落ち葉プールがだんだんといっぱいになり、子どもたちがそのプールに飛び込んだり、落ち葉を舞い上げたり…全身落ち葉だらけになって遊びます。子ども時代の落ち葉とのふれあい、大切にしたい感触、におい、背中に入ったむずがゆさ…すべてが秋実体験ですね。
 皆様、いかがお過ごしですか? 秋の行楽、楽しんでいますか?朝夕の寒気も増してきました。お風邪などひかないようにご自愛ください。

≪さつまいもで育つ≫
 運動会、さつまいも掘りにと、ご父母の皆様にご協力頂きまして、無事終了することが出来、感謝申し上げます。ありがとうございました。
特に、悪戦苦闘?したサツマイモのつる刈りには、多くのご父母の方々にお手伝い頂き、本当に助かりました。からみつく“つる”と格闘し、汗もかくし…軽い筋肉通になった方もいらしたのではないでしょうか? 後日、サツマイモを見つけた時の子どもたちのうれしそうな顔、土の中からサツマイモを掘り出した時の輝く瞳、そして、サツマイモを掘っている割に(?!)泥だらけの顔…に出会ったら、つる刈りの疲れも忘れてしまいましたね。
自分たちで掘ったさつまいもを水で洗い、泥を落として日に干します。日に干すと甘くなるという昔の人の知恵です。また、さつまいもの絵を描いたり、芋版をつくりスタンプで楽しんだり…そして、焼き芋、ふかし芋、スィートポテト…食べてさつまいも好きが増えたことと思います。園ではおいも会やランチにさつまいもの天ぷらをみんなで食べて、味を楽しみ、さつまいもの世界を堪能しました。
五感が整う子ども時代、今しか体験できないことをしっかりと体験できた子どもたちは、実体験が知識となり、さらに想像力を発揮してくれることと思います。まさに、“さつまいもで育つ子どもたち”ですね。

≪いつまでも、つながっていたい‼≫
先日の運動会、お手伝いをしてくれた卒園生の皆さんにも心より感謝を伝えたいと思います。皆さんがいたからこそ、スムーズな進行ができました。幼稚園の子どもたちを小中学生がお世話をすることは、見ていても微笑ましい光景でした。今後とも、卒園生との楽しい時間が持てるようにこんな場面を考えていこうと思います。
先日、ある卒園生(中学生)からお手紙を頂きました。内容は、この前、美術の教科書を見ていたら、ふじようちえんが載っていて驚きました。それを見て『懐かしいな』と思い、卒園アルバムを見ていたら、このハガキがはさまっていたので書いたとのことです。そして、将来の夢は幼稚園の先生になること、ふじようちえんで働けたら嬉しいこと、そして、今、受験生なので勉強を頑張るということで結ばれていました。実は、ふじようちえんは、数年前から中学校の美術の教科書に掲載されています。卒園生がこの教科書でふじようちえんと再会し、ハガキを出してくれる…なんとうれ
しいことなのでしょう‼このように卒園しても、いつまでも、いつまでも何かの形でつながっていることが、とても嬉しいし、とても大切な価値なのです。この価値をこれからも大事にして、いつでも戻れる場所でいられるように頑張って行きます。
確か?美術の教科書でふじようちえんを知り、現在、働いている先生もいるはずです。また、懐かしくなってアルバムを開けたら、そこにハガキがはさんであって、書いてみましたと記されていましたが、『卒園アルバムには、○○年生になりました。卒業しました。20歳になりました。○○になりました。』という4種類のハガキがはさんであり、今回のように、思い立ったらすぐハガキが書けるようになっています。運動会のお手伝い、中学校の美術の教科書、卒園アルバムにはさんであるハガキ…これこそ、“ふじようちえんの本当のひみつ”ですかね⁈ 失礼しました。

≪森のようちえん≫
先日、5年前に訪問した鳥取県の山間部、智頭町にある「まるたんぼう」という“森のようちえん”を再訪問しました.幼稚園とは言っても、地域の子育てお母さんたちが集まりNPO法人として町にご援助して頂きながら運営されている、園舎、日課、遊具を持たない幼稚園です。子どもたちは暑い夏も寒い冬も豊かな森の中で感性を働かせながら遊びを作りだし、子どもの世界を心ゆくまでゆっくりとくりひろげています。大人は余計な手出しをなるべくせず、どんな時も子どもたちに考えさせる事で、自分で考え判断できる子どもに育てようとしています。また、すべて、子どもたちの話し合いで決めると言う民主主義も成り立っているのです。ここでの大人の約束は、『お口はチャック、手は後ろ、でも耳はダンボで聞いて下さい』と言う“子どもを見守る3原則”です。これは同時に子どもの自主性を伸ばす3原則でもあります。また、ここでは言ってはいけない言葉があります。それは、『あぶない、きたない、ダメ、早く』です。確かにこの言葉は、親の都合、大人の都合で言っている言葉なのですよね。ご参考にして頂けたら幸いです。(でも…難しいですよね。)

≪11月に育つ‼≫
子どもたちが幼稚園で過ごす11月の特徴として、園から歩いて行く昭和記念公園子どもの森への園外保育、七五三での千歳あめ袋づくり、クリスマスフェスタのための絵と作品づくりと歌の練習があります。こう挙げてみると、行うことが多そうですが、基本的にいつもの遊びを中心にした時間配分の中、子どもたちの集中力や自由な発想を尊重しながら、子どもが育つ時間を大切にしていきたいと考えています。
園外保育は、1学期時よりも、みんなのなかよし度は増し、体力、知識、お友だちとのコミュニケーション力も育っていて、お友だちと一緒の遊びや行動がスムーズに出来るようになっています。“秋さがし”と称して、色づいた様々な落ち葉や松ぼっくり、どんぐり等々をみんなで拾い集めて園に持ち帰り、共同作品を作ります。これはクリスマスフェスタで展示しますので楽しみにして下さい。
また、クリスマスフェスタでの個人作品作りでは、クラスごとに作品を決めた中、年齢による違いはありますが、出来るだけその子、その子の表現したい形や配色、制作過程の中にあるその子その子の思い、考えを大切に、各々の育ちに役立てたいと思っています。作品を通じてのお子様の成長に触れて頂ければ幸いです。
                 
園長だより vol .171 (2016.10.31)