ふじようちえん

2017年3月1日 園長だより

2017年03月01日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

いろいろなクラスからは、♪春が来たぁ、春が来たぁ、どこにぃ~来たぁ・・・
♪北風~小僧のかんたろう‼ かんたろう‼・・・そして、♪あかりを点けましょ、ぼんぼりに~、お花をあげましょ桃の花・・・の歌声が聞こえてきます。子どもたちが歌う歌まで、春の兆しを思わせる陽気になったり、またまた真冬に逆戻りしたかのような寒さがやってきたりの毎日を表現しているように感じました。
幼稚園からスマイルエッグスに向かう途中、玉川上水の新家橋のそばに2本の早咲きの桜があり、今、咲いています。まだまだ寒い中、自分のペースを守ってしっかり咲いている姿に感動すら憶えました。早咲きの桜は、満開の桜とまた違う美しさがあり、春の訪れ、初々しさとたった一人でも春を告げる凛々しさを感じました。

先日の劇発表会、お忙しい中、多くの方々にお越し頂きまして、ありがとうございました。子どもたちは、劇をやり終えた達成感、満足感を味わい、今、それが自信となり、いよいよ進級、卒園の時期を迎えています。劇練習の時には少々不安もあったと言うクラスも、本番に強いと言うか?どのクラスもみんなすばらしい演技と歌発表をしてくれました。正直、感動しました。
合わせて、お子様を見つめるご家族様の姿、その眼差しに、とてもあったかい気持ちになりました。本当に、ありがとうございました。
また、親として、ご家族としてお子様の成長をそれぞれに確認することが出来た時間になったことと思います。そして、子どもの育ちに親が出来る事も感じて頂けた?かとも思います。つまり“演じるのは子ども、親は見守ってあげることしかできない”ということ。劇発表会の会場ではまさしくそのような心情を持たれた方もいるのではないでしょうか?今回の劇発表会に代表されるように、親子間の距離や立ち位置は、子どもが成長する様々な場面でも、そんなに変わらないものです。だからこそ、いろんな場面で子どもの育ちをしっかり見守ってあげることこそが、子どもの勇気や自信につながっていくものと思います。改めて、親という漢字…木の上に立って見る…と綴っていますね。なるほど、親の心情をうまく表現しているものだと思いました。
でも子どもがそばにいると…ついつい、手出し、口出し…言ったところでどうこうならないものを…(反省を込めて)…お子様がより素晴らしく育ちますように‼

≪信号機、右見て、左見て、右見て…≫
先日、立川警察の皆様にご協力頂きながら、交通安全指導を行いました。例として、家のそばでボール遊びの途中、道路にボールが転がり、それを取りに行く・・・という設定で、先生たちによる交通安全デモンストレーションを園庭で行いました。続いて、年長さんは4人ずつグループになり、信号機による横断歩道を横断や路地からの自転車等々に注意しながら歩道を歩いたり、4月からの通学準備も含めて、園周辺を歩き、安全に戻ってくるという外歩き体験をしました。『おしゃべり、おふざけなし‼』という警察官の方のお話に耳を傾け、みんな真剣に取り組みました。みんなが真面目に取り組んでいるその目に、小学生になる思いを感じました。
 以前に『子どもの交通事故は、意外にも信号機のある横断歩道でのものが多いんですよ』と友人から聞いたことがあります。何で、信号機があっても事故が多いのか?と尋ねたら、子どもは、信号機の色が、渡っても良い青になって渡ることは、みんな知っています。しかし、中には、車用の信号機が青から黄色、黄色から赤に変わるギリギリを通過しようとする車もあったり、また、中にはすでに赤なのに通過しようとする車両もあるのです。そんな時、歩行者用の信号が青だからと言って、渡り始めると・・・大事故になります。信号機は、あくまで信号機(手段)であり、大切なことは、右見て、左見て、また右見て…車が来ないことを自分の目で確認して初めて渡り始めることなのです。
これは、社会の中でもよくあることです。システムとかマニュアルとかを立派にし、完全にすることばかりが仕事になってしまい、本当の目的を見ていないことが度々あるのではないでしょうか?
幼稚園で言えば、園舎や庭、保育室や教具等々は、あくまで子どもが育つための道具であり、手段なのです。大切なことは、そういう環境の中で子どもたちの育ちをしっかり見守り、子どもたちが本来持っている育つ力を十分に発揮させ、各々の自立に役立てるようにすることなのです。つまり、人の力こそ、人を育てるものなのですね。
まさに、右見て、左見て、右見て渡る・・・ですね。

≪ひな祭り≫
ふじようちえん開園から飾り続けて、46回目のひな祭りです。お内裏様、お雛様、三人官女、五人囃子…みんな笑顔で勢ぞろいです。今までずっと健やかな子どもたちの育ちを見つめ続けてきました。ひな祭りは、女の子の成長を祝うお祭り。ご存知の方も多いと思いますが、ひな壇の飾り物、脇役とも言うべき菱餅、その形には、子孫繁栄、長寿の力があるとされる「菱(ひし)の実」の形から来ているという説や人の心臓を形どっていると言う説、様々です。色は三色、下から緑(よもぎ・厄除け)、白(菱の実・子孫繁栄)、赤(クチナシ・厄除け)の順に積まれ、健やかな成長を願う親の思いが込められています。また、三色には、雪の下(白)から芽吹く新緑(緑)に桃の花(赤)という日本人の豊かな色彩感覚で春の情景を表しているとのことです。形や色に思いを馳せる…まさしく、日本文化ですね。
大切に受け継がれてきた日本文化を“雛あられ”にして味わっています。

≪おたんじょうび会≫
毎月、クラスごとに行っているおたんじょうび会、いよいよ待ちに待った3月生まれのお友だちの番がやってきます。みんながとても楽しみにしているおたんじょうび会ですが、どうしても最後になってしまう3月生まれのお友だちには尚更のことと思います。みんなから質問を受け、答ながら楽しい時間が進んでいきます。歌とともにロウソクの炎が吹き消され、大きな拍手を受け、プレゼントをもらい、みんなから祝福の握手を受け、その後、屋根上でしっぽとり競争などで盛り上がります。そんな楽しさの中に、ちょっぴりお兄さん、お姉さんの顔ものぞけるのもおたんじょうび会の特徴です。まさしく、みんなで育つおたんじょうび会‼という感じです。早生まれの私も2月生まれ、応援してます‼ 大きく育ちましょうね‼

平成28年度 園長だより vol . 176 (2017.3.1)