ふじようちえん

2010.6月1日 園長だより

2010年06月01日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

 各お部屋から♪『雨だれ、ぽったん、ぽったんたん・・・』と、子どもたちの大きな歌声が聞こえています。いよいよ、この歌のような梅雨の季節が目前に迫ってきました。屋根から落ちる雨も遊び道具にして楽しんでしまう子どもたち、その元気さで鬱陶しい梅雨も吹き飛ばしてくれることでしょう。
 また、この季節は、だんだんと身の回りのことが上手に出来てくる子どもたちにとっては、傘をさしての道の歩き方や人とのすれ違い方等々、梅雨こそ雨具を思いのままに操作できようになるチャンス。雨の日は社会性の発達にも役立っています。
こんな風に梅雨も見ることが出来ますね。皆様、いかがお過ごしですか?

 今、園長席の前には、各ご家庭から頂いた、おたまじゃくし、ザリガニ、カブトムシの幼虫、トカゲ、また季節の野菜などを展示して、子どもたちに見てもらっています。見ることもいいけど、可能な限り触れてもらおうと思い、オープンにしています。すると、好奇心旺盛なお友だちがいっぱい集まって来て、ワイワイ、ガヤガヤ大変です。まぁ、こんな園長席風景です。
 そんな中、おたまじゃくしを見ては、『まだ、カエルになってないねぇ~』と毎日言っているお友だち、虫のケースに顔をくっ付けて虫をよぉ~く見ているお友だち、おたまじゃくしから足や手が出てきて、その発見に歓声を上げているお友だち・・・みんなとってもいい顔をしています。興味、好奇心のかたまりですね。

 遅くなりましたが、先日の遠足、大変ご苦労様でした。皆様にご協力頂きましたお陰で、年長・年少ともに無事終了することが出来ました。子どもたちもしばらくの間、楽しかった遠足の話で持ちきりでした。(もう次に興味が行っているようで、今は話題にもなりませんが)
私は、“遠足は一日だけど、遠足の思い出は一生の思い出”と言って、遠足は大切だと思っています。この遠足がお友だちの育ちやご家族の思い出になれましたなら幸いです。
 また、年間を通じて何かとお世話になる藤の会の本部役員をはじめ各クラス、各担当チームの役員の方々も、お決め頂きありがとうございました。やはり、私ども教職員での活動ではその範囲にも限りがある中、お手伝い頂けること本当に心強く思っております。いろいろとお世話になりますがどうぞよろしくお願い致します。

≪不便が工夫を生み、工夫しながら子どもは育つ≫
 リモコン、センサー、オートマチック、ネットにデジタル、携帯電話・・・ざっと思いついただけでもなんと便利な社会なのだろう・・・と思います。しかし、この便利さの影に大きな落とし穴があるような気がしてなりません。果たして、便利な現代社会は、子どもたちにとってどうなのか? 育ちに役立つのかどうか? と言うことです。
 すでにこんなことを言うことも自体古く、しかも、便利な社会を享受している者として矛盾しているのですが、今の社会は、あまりにも便利になり過ぎて、ものの道理や本質が見え無くなってきています。見た目が重要視され、そのスタイルや表面上のカッコ良さが取りざたされがちのようです。実際にあった園での状況です。
ヒモで引っ張って点ける電球を知らず『先生、リモコンどこ?』、幼稚園の水道に蛇口に手を当てて『先生、水でない!!』とセンサーしか知らないお友だち、引き戸の前に立ったままで『先生、開かない!!』自動ドアでは無いのです。携帯電話で『おじいちゃんと話すことはよく出来る』が繋がることの実態を糸電話遊びからは知らない・・・他にも、いろいろな事例がありそうですね。便利なものは便利なものとして使って行くことは否定しません。が、もしできれば、その便利なものの本質や正体をしっかり見て欲しいと思っています。本質を見る目を養うことは複雑になるこれからの時代を生きていく上でとても必要な要素だと考えます。
本質を知ることを通じて、ものの役目、価値を知り、それを知ることでいろいろな気づき・発見をして、生涯を通じて学ぶことの楽しさに出会ってもらいたいのです。
 『幼稚園は、一生ものの宝箱』、履物をそろえる、戸を閉める、電気を消して、蛇口もきちんと閉める。これらの行為は、確かに学校的には成績評価には該当しません。しかし、日常生活の中にある何気ない一つ一つの行動を通じて、子どもたちの心を育てたいと思っています。幼いときの行動のくせづけが考え方のくせづけになり、考え方のくせが、その人の人生を決めていきます。人生を決定づけるものは、能力だと思いきや、意外ですが考え方や性質だと思われます。性質へのアプローチこそ幼児教育の本質、役目だと重く受け止めています。

≪反抗期に思う≫
『最近、言うことをきかなくて・・・』と、あるお母様がつぶやかれました。お子様は3歳児です。
お母様は、俗に言う反抗期なのかと思われていました。確かに反抗期なのかもしれませんが、反抗期と言うネガティブな見方の反面、ポジティブな見方もあることをお伝えしました。
私は、【反抗期は成長期】と言っています。反抗期には、体内部のホルモンバランスがくずれ、その影響で気分的にムシャクシャして、周囲に反抗的態度をとることが特徴的に現れます。でも、この体のホルモンバランスが崩れることは、逆にその後に整うことを意味し、その整うことと同時に身体が大きくなっていきます。多くの子どもたちにみられる状況、俗に言う反抗期は、私たちがジャンプする前に大きくしゃがみ込む状態に似ているものと考えています。
何かにつけて反抗的だと思っている方は、反抗期は成長期と思って頂き、成長への道、育っているのだと考えてみてはいかがでしょうか?反抗期が長い場合もありますね。

≪園長たちの話題≫
 先日、全国園長研修会に行きました。テーマは、今の子どもたちで気になること。
① 猫背、姿勢の悪さ・・・脳への血流に影響し、集中力、持続力の欠如につながる。
② かかとをつぶした靴の履き方・・・ズリ足歩きが、浮き指や外反扁平を生み、腰へ影響。
③ 遅寝遅起き・・・朝食抜き、平熱が35度台の子も。
④ 目の抵抗力の低下・・・曇りの日でも写真撮影時にまぶしくて目を開けていられない。
他にもありますが、概ね上記内容がふじようちえんでも該当する点でした。
教職員、ご家族様みんなで心を配り、良くないことは改善するようにして行きましょう。

園長だより vol . 83 (2010.6.1)