ふじようちえん

2012.1月31日 園長だより

2012年01月31日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

 本当に寒い日が続きます。幼稚園近くの温度計は、朝、-6℃を示していました。
2月は、一年のうちで一番寒い季節、暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続きそうです。皆様、いかがお過ごしでしょうか? 暖かくして過ごされて下さいね。

 今、藤幼稚園でも、TVニュースで伝えられている都内の各幼稚園、小中学校と同様に、先々週以来、インフルエンザが流行っています。手洗い、うがい、マスク、発熱への初期対応、さらに学級閉鎖等をさせて頂いた中、その終息に向け対応しています。今日現在、幸いにもお休みのお子様も減少傾向で、近づいた劇発表会へ向け、みんな揃っての練習もしています。突然の学級閉鎖、ご家族の皆様には、お仕事やご予定のやり繰り、変更等々あったことと思いますが、ご協力頂きまして、ありがとうございました。ご迷惑おかけしたことをお詫びするとともに、心より感謝申し上げます。
 今後とも、集団活動の場でもある幼稚園ではありますが、インフルエンザの蔓延を防ぎ、お子様の安全・健康を確保する事を一番に考え対処して参ります。まだまだ、油断はできません。園とご家庭で力を合わせて頑張りましょう。
 今回は、2月の行事である、節分、劇発表会、交通安全教室について、その一端をお伝えさせて頂きます。

≪豆の数≫
 今年も年長さんは、豆まきを阿豆佐味天神社の境内をお借りして行います。身近な神社での楽しい豆まき体験、お時間のある方は、どうぞお越し頂き、ご見学下さい。
 節分と言えば、季節の分かれ目、新しい年が始まる立春の前日、つまり、一年の最後の日にあたり、この地域でも節分を“年取り”と呼ぶご老人もまだ多くいます。
 幼稚園では、節分の行事を豆まき中心に、鬼のお面作りをしながら過ごしています。鬼と言う「悪」を追い払うこと、目に見えないものに対する体験を通して、心の成長を試みようと考えています。豆まきの豆は、福豆といって節分の夜に歳より一つ多く食べます。翌日の立春で一つ年を重ねるので、来年の分も食べておく訳です。
 話は変わりますが、あるアメリカのモンテッソーリスクールの廊下壁面には、子どもたちが自分の家族を紹介している絵が掲示されていました。例えば、父・母・本人・妹の4人家族としたら、1歳を1cmにして、お父さんは36cm、お母さんは32cm、本人は6cm、妹は2cmというように棒グラフになっているのを見たことがあります。これは、モンテッソーリ教育の「数を量で理解する」(ここでは年齢を長さで学ぶ)算数の概念と理解しました。偶然にも、福豆を食べることは、これと似ています。
例えば、ご家族一緒に福豆を食べる機会があったら、各々の豆の量を手にとってみんなで比べて見て下さい。多い少ない(年齢)を量(豆の数)で認識できます。日本の昔からの風習が、意外なことにモンテッソーリ教育と結び付たりしているのです。
美味しく食べながら、年齢の概念を学べるのです。また、おじいちゃん、おばあちゃんがいらっしゃれば、昔の話を聞く場面にもなります。そういうことを通じて、お年寄りへの尊敬心の芽生えに繋がればいいですね。
このように、日本文化は、色々なことが深く無駄なく効率的に組み合わさっている点からも、質の高さを感じます。想像ですが、昔の日本の生活は,日常の中にあるものから、教育とか、生きていく知恵を伝えてきたのですね。
 私たちも出来るだけ、日常の中にあるこういう視点を忘れずに子どもたちに伝えていこうと思います。

≪親も育つ、劇発表会≫
 もうすぐ、劇発表会です。子どもたちは、力を合わせて一所懸命に練習しています。
最初、劇のお話を理解し、そして、自分の役になりきり、台詞を覚え、出番を待ち、立ち位置を確認し、自分の台詞を言う、台詞を言う順番に緊張したり、歌ったり、踊ったり、人前で劇を演じることをしながら、みんなで劇を楽しんでいます。
きっと、当日は、練習で頑張った以上に、達成感、満足感、そして、それぞれに自信がつくことでしょう。演じて育つ、それぞれの自立への一歩になると信じています。
 ただ、この劇発表会、残念ながら親がいくら心配しても、演じるのは子どもなのです。親は、観客席からは見守るだけで、何もしてあげられないのが現実です。結局、親って、育っていく我が子を見てあげることしかできない存在なのかもしれませんね。それも、いつも一番近くにいて・・・。でも、心配する親の気持ちをよそに、練習の成果を発揮して、しっかり演じてくれることでしょう。ご家族で、お子様の成長、そして、劇をハラハラ、ドキドキ、暖かく見守って頂ければうれしいです。

≪信号機と右・左・右≫
 例年にならい、交通安全教室を、立川警察、安全対策チームの皆様のご協力のもと、予定しています。お忙しい中、お世話になりますがよろしくお願い致します。
 『子どもの交通事故は、意外にも信号機のある横断歩道で多いんです』と知人から聞きました。何で、信号機があって事故が多いのか?と尋ねたら、子どもは、信号機の色が渡っていい青色になって渡ることは、みんな知っています。しかし、中には、車用の信号機が青から黄色、黄色から赤に変わるギリギリを通過しようとする車もあるのです。そんな時、歩行者用の信号が青だからと言って、渡り始めると・・・大きな事故になります。信号機は、あくまで信号機(手段)であり、大切なことは、右見て、左見て、また右見て車が来ないことを自分で確認して渡ること(目的)なのです。これは、社会の中でもよくあることです。システムとかマニュアルとかを立派にし、完全にすることばかりが仕事になってしまい、本当の目的を見ていないことがあるのではないでしょうか?
 幼稚園で言えば、園舎や庭、保育室や教具等々は、あくまで子どもが育つための道具であり、手段なのです。大切なことは、そういう環境の中で子どもたちの育ちをしっかり見守り、子どもたちが本来持っている育つ力を十分に発揮させ、各々の自立に役立てるようにすることなのです。
まさに、右見て、左見て、右見て渡る・・・ですね。
                   
園長だよりNo.105 (2012.1.31)