2016年7月19日 園長だより
2016年07月19日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
真夏の強い日差しが降り注いでいます。西側園庭には、ひょうたん、へちま、朝顔がぐんぐん育っています。その勢いに植物の生きていく強いエネルギーを感じます。また、園長席の前にあるケースの中では、カブトムシがメロンの皮に群がり、汁を吸っています。
皆様、本格的な夏の暑さがやって参りました。熱中症や冷房病、冷たいものの取り過ぎや寝冷え等々、どうぞ、体調管理に気をつけてお過ごし下さい。
そして、いよいよご家族一緒に過ごす夏休みになりました。海へ、山へ、ご旅行へと楽しい計画でいっぱいのことと思います。どうぞ、お気をつけてお楽しみ下さい。
本日、一学期終業式を行いました。私から子どもたちにお話した内容は、
① 早寝、早起き、朝ごはんをしっかり食べること。(規則正しい生活で体を丈夫に!!)
② ごあいさつをしましょう。(おはよう、こんにちは、こんばんは、ありがとう…)
③ お手伝いをしましょう。(子どもは親と同じこと(お仕事)をしたがります)
以上3つの約束です。これらの約束を守り、元気な顔で9月にまた会いましょうね。
あのイチロー選手も「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行く、ただひとつの道」と話されています。野球やサッカー等々のスポーツに限らず、勉強、ピアノ、バレエ…みんな同じ、毎日毎日の積み重ねが大事なのです。とかく生活のリズムが乱れがちになる夏休み、規則正しい生活習慣こそ、しっかり育って行くための本当のコツだと思います。
まぁ、とんでもないところへ行くわけではないにしても、続けられる何かを探し、コツコツと続ける夏休みにされてはいかがでしょうか?簡単なことがいいですよね。
≪東大生の話≫
先日、「東大医学部生が語る家庭の教育環境」と題し、どんな家庭、勉強、生活、環境で東大に入ったのか?を現役東大生、中でもトップレベルにある理三(医学部)の方々から聞く研修会がありました。この開催趣旨は、山で言えば、富士山の頂上まで登った人の方が、そのノウハウや技術を持っているだろう?ということで、東大医学部生から話を聞き、子どもの勉強の参考にするということなのです。場違いとは思いましたが、東大とは縁もゆかりもない私は、興味本位で参加させて頂きました。やはり参加者は、東大関係者か、入学を考えているご家族様。現役東大生の皆様は、会場からの様々な質問にしっかり答え、その誠意ある姿勢にはとても好感を持てました。
東大生とイメージすると、幼い時から勉強、勉強の毎日…と思いきや、小一から始めた野球を今でも部活で続けていたり、中学の時ゲームに夢中になり…といった具合で、至ってよくいる普通の小中高生の姿なのです。みんな親が自由にさせてくれたとか、好きな遊びに集中したけど親が見守ってくれたとか。家では、『勉強しろ‼』とは言われたことがなく、親から言われたのは『宿題終わった?』の言葉ぐらいだったそうです。もともと出来が違う?とはよく言ってしまう言葉ですが、話を聞いて感じたのは、ゲームも集中するけど勉強も集中したというように集中する力がとても高く感じられたのと、それぞれを切り替えられる力があるということでした。
いわゆる、このバランスが生活の中で幼い頃から出来ていたものと想像しました。ちなみに、現在は知りませんが、受験当時、彼女はいなかったそうです。
読んだ本はとの質問に、あまり読んでない、しいて言えばコロコロコミックか、塾の推薦図書ぐらいとのこと。そして、東大に入るのに有効だったことはとして、親が見守ってくれる環境が良かった、予備校の先生との出会い、友達と高めあったこと…。自分の勉強が一番はかどる場所として、図書館、リビング、自分の部屋、ミスタードーナツとのことです。最後に、ゲームは記憶力が上がり、集中力を鍛え、学びがたくさんあります。子どもが興味を持ったときにその環境を提供してあげるべきということです。
なにか?モンテッソーリ教育の子ども本来持っている『子ども自ら育とうとする力』『自己教育力、自己成長力』を充分に発揮させてあげる環境づくり…と似てきてしまいました。私もミスタードーナツには行ってはいたのですが、勉強より新商品を食べて、友達と話して、喜んでいただけでしたね。やっぱ、違うんですね⁈
≪ハマった遊びは?≫
突然ですが、皆様、幼少期ハマった遊びって何ですか?覚えていますか?
お店屋さんごっこ、おもちゃの車やお人形遊び、昆虫採集、かくれんぼ、鬼ごっこ、ボール遊び、レゴブロック…様々な遊びが思い浮かびました。ふと考えると…これらの遊びは、今の私たちのどんな力を育ててくれたのでしょうか?例えば、園庭でもよく遊ぶフラフープは、おそらく体の柔らかさ、バランス感覚等々だと思うし、レゴブロックは、一定の規則性、論理的思考の原点になっているのでは?と想像します。
私は、友だちといろいろなところで様々な遊びをしました。あの時代は、近所のお兄さんお姉さん、まだ小さく遊びのルールもわからない幼児は“味噌っかす”と呼んで、一人前には見てもらえませんでした。でも、“味噌っかす”と呼んでも仲間外れやいじめたりせず、子ども社会の知恵で立ち位置を決められ遊びには参加できました。そんな中、一つ思い出した遊びがあります。それは、誰が一番深く地面に穴を掘れるか競争です。柔らかそうな地面を手や砂場シャベルで深く掘り進むのです。年長者は、腕を肩まで穴に入れ、這いつくばって掘っていました。中には、あんまり深く掘りすぎて、地球の反対側のブラジルに出ちゃったらどうする⁉なんて言いながら競争していました。時々突き当たる大きな石に手こずりながら、取り除き深く掘り進むのです。こんなところにも石に代表される、困難にぶつかっても負けない力、あきらめない心、やればできるという思いを体験できたのです。そんな遊びこそ、先生そのものであり、遊び仲間は、育ち仲間だったのですね。つまり、『遊びこそ、学び』であり、『体験は教えられない』ということです。ぜひ、遊びで育つ夏休み、楽しんで下さい。
4月よりお騒がせしました『情熱大陸』の取材/撮影が終了しました。正直、ホッとしているのと同時に、どんな内容なのか?不安でいっぱいです。あとはプロデューサーさんにお任せですね。放映日は、7月24日(日)TBSテレビ23:15~45です。夜遅くお疲れとは存じますが、よろしかったらご覧下さいませ。
あわせて、小学館より『ふじようちえんのひみつ』という題で、本が出版されます。言葉足らず、蛇足ばかりでお恥ずかしい限りですが、お手に取って頂けたら幸いです。今までお伝えできなかったこともたくさん掲載させて頂きました。どうぞよろしく。
園長だより vol . 168 (2016.7.19)