ふじようちえん

2011.7月19日 園長だより

2011年07月19日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

 暑さが日ごとに加わって、今年は本当に暑い、熱い夏になっています。
先日、ある商店街で、滝の写真を使った納涼祭のポスターを見ました。一瞬ですが、こんな清涼感が心からうれしい今日この頃です。 皆様、いかがお過ごしですか。
まだまだ夏はこれからが本番、くれぐれもお体ご自愛下さいませ。

≪思い出会話≫

 いよいよ、夏休みになりました。海へ、山へ、プールに、バーベキューに…盛りたくさんのご計画に、ワクワク、ウキウキ、楽しまれていることでしょうね。
 私も、子どもが小さい頃は、よく一緒に出かけ、遊びましたが、小・中・高…と子どもの成長とともに、クラブ活動や勉強?または、友だちと出かけることが多くなり、予定が合わなくなりました。家族全員の休みを合わせることが至難の技になってきています。もっとも、二人の男子高校生としてみたら、今さら親と一緒に出かけるなんて…と考えるのも想像できますけどね!
 まぁ、そんな未来の体験者である私から一言、『子どもにとっても、親にとっても、二度とめぐってこない、この貴重な今年の夏休み、どうぞたくさんの楽しい思い出をつくって下さい』成長して、大人になり、振り返った時、親と子で味わった共通体験こそが、心に残る大切な思い出となり、一生のうちに幾度となく会話にのぼります。そして、その他愛もない会話こそが、いくつになっても親と子の絆を深める働きをするものと考えています。
 ちなみに、私は、夏休み、テレビ中継で見た≪高飛車≫と言う、超過激な新・大型ローラーコースターに挑戦してみようかなと思っています。まぁ、一緒に行った家族が乗りたいと思えばですが…。(こう見えても、意外にジェットコースター系は、好きなんです)

≪取られたら、大変だ!!≫
 
 幼稚園の給食の時間、毎日違うクラスに行っては、『あっ、落し物の“グレープフルーツ”発見!!』なんて言いながら、わざと子どもたちのお皿の上にのっている果物に手を伸ばして取ろうとします。すると、子どもたちは、私の手をピシャ!!と叩いて、『ひとのもの、とっちゃいけないんだよ~!!』と言いながら、笑って喜んでいます。
そうです。子どもたちに、そうして欲しくて…やっていることなのです。
 実は、このパフォーマンス、13年前にスマイルシェフでランチをつくり始めてからのものです。始まりは、たまたま目に入った子どものランチプレートにのっているイチゴが美味しそうなのでふざけて手を伸ばしてみたら、なんと、多くの子どもたちが黙って見ているだけなのです。自分のだから人に取られたら大変!!と言う意識が無いのです。また、その時、そういうお子さんに限って、一人っ子が多かったのです。
 確かに今は、兄弟は少ないし、物は無くなればまたすぐに補充ができるのです。兄弟姉妹で一つのスイカを切り分けて食べたり、早く食べないと食べられちゃうとか、どっちの方が大きいとか、小さいとか言い合いながら食べることも少なくなりました。
 生きていくことは、食すること、食べ物は自分で確保しないと食べられない、と言う原理? つまり、生きていく上での食物が奪い取られる事態は、緊急事態なのです。
何かにつけて、危機意識を持つことは、本当に大切なことだと思っています。
一見、自分の行為を正当化するような理由づけになりそうですが、子どもが育つ上で危機意識をわかりやすく伝える場面になれればと思っています。
 
 蛇足ですが、ある日の昼食時、年長35人のうち、箸を使っている子が6人、4名が補助付き箸、その他はスプーンかフォークを使っていました。『みんな、お箸まだ使えないんだ?』と言ったとたんに、みんなお箸に持ち替えて、上手に食べるのです。『なんだ、本当は、お箸使えるんじゃない。それも上手に』と言うと、『だってスプーンの方が簡単だもん』と言う返事、確かに…。
ここでも、簡単で、便利な方への流れがありました。
 このように、箸からスプーン・フォークへの流れと同様に、スニーカーからクロックスへ、本から電子書籍へ、子どもを取り巻く環境も、大きな時代の流れの中にあるのでしょうが、『それで、子どもが育つのか?』の視点も忘れないで欲しいですね。

≪新たな育ちの視点≫
 
 毎年、夏休みとは言うものの、先生方は様々な研修で大変忙しい日々をおくることになります。特に子どもを取り巻く環境の変化を理解し、対応すべく新たな情報にも耳を傾け、子どもの育ちへの理解を深めて現場で役立てるようにしています。
 先日、先生方が日頃から子どもたちのからだに大きな意識をもって接するならば、事故や病気を未然に防げるかもしれないと考え、『からだの観点から子どもを観る力』を研修しました。結果的に『自分のからだへの理解』も深められ、先生方の健康にも貢献できそうです。例えば、子どもの姿勢の悪さ、浅い呼吸、緊張感が強く体が固い…等々の状態を、股関節と骨盤、足首とあご、肩・背中・呼吸等々について、関節との関係等々の実演を通して勉強しました。
 足裏のバランス、土ふまずの大切さ、股関節の使い方等々、毎日の生活、子どもの育ちにすぐに役立つ内容でした。皆様にも、今後、講演を通じて子どものからだを観る力をお伝えできればと考えています。

≪畑ごはん≫

 先日のランチメニューでもお伝えさせて頂いておりますが、こんな時代だからこそ、こんな環境だからこそ、より安全でより安心できる食へと変化して行きます。
 今も行っていることですが、ジャガイモ、トウモロコシ、さつまいもに代表されるように、スマイルファームで(できるだけ子どもたちが植えて…)収穫したものをランチやおやつ、行事等々に食べています。それを、さらに葉物やその他の野菜にも広げ、足りないものは近隣農家にもご協力頂き、子どもたちに新鮮なものを食べてもらいたいと計画しています。基本コンセプトは、≪フレッシュ、ローカル、オーガニック≫、そして、目指すべき食のスタイルは、≪Farm to Table≫です。
具体的には、和食メニューを少し増やし、玄米も取り入れ、食を見直していきます。
 何を食べても、美味しく、好き嫌いもなく、体重にも変化が現れない私ですから説得力に欠けることを承知の上で聞いて下さい。玄米を食べてみたら、もっちり、噛むたびに味があり、結構、美味しいのです。いつまで続くか?

園長だより vol. 98 (2011.7.19)