2014年7月1日 園長だより
2014年07月01日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
梅雨の時期、雨や曇りがちな天候が続き、なんとなく沈みがちな気分の中、唯一、心なごましてくれる存在とも言うべきアジサイの花が街中で咲いています。
アジサイを見ていて、なんとなくワールドカップブラジル大会の日本の戦い方を連想してしまいました。それは、たくさんの花びらが集まって咲くアジサイに日本の戦い方が重なったからです。そして、一輪の大きな花、言わばひまわりのような目立つスーパースターが咲く咲き方がブラジル等々の国の戦い方ではないかと思いました。もともと花が違うので比べても仕方ありませんが、小さな花、小さな力が集まり、力を合わせて綺麗さを表現していこう…サッカーで言えば勝とうとしているのが日本のスタイルなのだと勝手に分析してみました。そんな意味でアジサイの咲き方は、なんだか私たち日本人の生き様に似ている!?だから、日本人の心引かれる花なのかも知れませんね。
皆様、いかがお過ごしですか?梅雨開けが待ち遠しいですね。
先日行いました家族参観日には、たくさんのご家族様にお越し頂きまして、ありがとうございました。お子様の育ちの場所で、それぞれの成長を感じ、心なごむ楽しい時間を過ごして頂けたことと思います。子どもたちも親が幼稚園に来てくれて、一緒に過ごしてくれたことが心の財産となって、自信を深め、何かちょっとだけ大人になったような感じがします。改めてご参加、ご協力感謝申し上げます。
さて、夏休みももうすぐ、ご旅行や帰省…様々な計画で楽しい時をお過ごしのことと思います。二度とない、子どもたちのこの時期、この時間、家族でつくる様々な体験や思い出…一生ものですね。大切にして下さい。
今年も園長席の前には、カブトムシ、クワガタ…じゃがいも、きゅうり、トマト、なす、トウモロコシにズッキーニ…夏野菜の数々が登場し、子どもたちが毎日手にして楽しんでいます。さらに、木のたらいの中にはスイカが水に浸かっています。こんな風に、日本の夏をしっかり行って、子どもたちに日本の夏の文化と過ごし方を伝えていきます。
≪たなばたさま≫
♪ささのは、さらさら、のきばにゆれる、おほしさま、きらきら…の歌声が聞こえています。もうすぐ七夕ですね。今、子どもたちは、色とりどりの短冊に願いを書いています。『かっこいい おにいさんになれますように』『ままといっしょにおでかけできますように』『アナとゆきのじょおうのようふくがほしいな』…微笑ましい願いごとにたくさん出会える時期です。
比較的、“〇○がほしい”というより“〇○になりたい”という憧れや夢、願いごとを書いています。普段では分からない一人一人の思いに触れることで、私たちもよりお友だちを理解する機会にもなっています。歌詞にもあるように“五色の短冊”とは、願いごとが天まで届きますようにという意味を含んでいるそうで、中国では五色の糸を吊るす風習もあるとのことです。お友だちには、是非、この日本の伝統行事の一つである「たなばたさま」を通じて、「心を育てる」ことに役だってもらえたらいいなと思っています。また、七夕には織姫と彦星のロマンチックなお話もありますね。そう言うことも含めて、伝統行事を子どもたちに伝えて行くのも私たち大人の役目だと思います。お子様と一緒にファンタジーの世界を楽しみ、豊かな情緒を育てる機会にしたいですね。
さらに、ふじようちえんでは、いつもお世話になっている阿豆佐味天神社さまのご厚意により、毎年、子どもたちの願いを付けた大きな笹飾りを境内に飾らさせて頂いてます。どうぞクラスごとの笹飾りになっていますので、ちょっとでもお立ち寄り頂き、お子様の願いや夢を見つけて頂ければと思います。家族みんなで七夕を楽しみ、伝統行事を味わいたいものですね。あっ、あと笹の葉で笹舟づくりもして井戸の丸い池で浮かべてみます。何事も実体験が大切な子どもの育つ時間ですね。
≪お泊り保育で育つ≫
7月に入り、一学期も終盤になりました。年長さんは、ワクワク、ドキドキ?楽しみにしているお泊り保育が待っています。先日、お友だちに「お泊り保育、一人で泊るの大丈夫かな?」と聞いたら、「みんなと一緒だから平気だよ!!」と答えてくれました。でも、逆に元気に答えた「平気だよ!!」の言葉の中に、ご家族での旅行等々で他での宿泊経験はあっても、親から離れて一人で泊まることへのちょっとした不安、心配があることを感じました。わずか一泊ですが、初めて親から離れて過ごすお泊り保育は、子どもたちが自立へ向かう大切な機会になっています。子どもたちにも事前に保育の流れを伝えながら、プレッシャーを与えず、安心して参加できるように配慮して行きたいと思っています。いつまでも子どもたちの記憶に残る楽しい思い出となるように頑張って取り組んで行きます。
お泊り保育中には、各クラスごとにみんなで力を合わせてクラス旗を作ります。それぞれに工夫を凝らしたデザインの旗を翌朝、お散歩の前の朝礼で、みんなの前でお披露目しポールに揚げます。この旗は、翌年の卒園式前日の卒園児を送る会まで毎日揚げ、見てもらいます。つまり、毎日揚げるクラス旗は、“自立の証”であり、みんなの成長を後押しする“応援旗”ということなのです。たなびくクラス旗を見ながら、お子様の成長を感じて頂けたらうれしいですね。
≪じゃがいもで育つ≫
じゃがいも掘りをしました。クラスごとにスマイルファームに行き、じゃがいも畑に入り、一株、一株の前にそれぞれ位置し、少し枯れ始めている茎を引っ張ると・・・根っこのまわりにじゃがいもが付いています。さらに、土の中から少しだけ顔を出しているじゃがいもを見つけては、思わず犬かきのように小さな手を動かし、掘り出していきます。『ほく、5個みつけた!!』『私は、7つ!!』なんて声が響いていました。やはり、じゃがいもを手にした子どもたちの顔は、達成感、充実感、満足感でいっぱいでした。
今の子どもたちは、恵まれていると言うのでしょうか?ほしいものは何でも手に入る時代に生きています。確かに、コンビニでは駄菓子や遊びのカード…なんでもあります。
でも、残念なことに自分で見つける体験が少ないのです。昔の方が良かった…と言う気はありませんが、私たちが育った時代は、トンボにちょうちょ、カブトムシ、クワガタ、カナブン、アブラゼミ…様々な物を自分で見つけるというプロセスを踏まなくては手に出来ませんでした。その代わり、見つからない時の悲しさ、寂しさも味わいました。
自分で見つけることで得るものこそ、育ちの源だと思います。理解は、驚きに始まると言います。驚きを教えることは出来ません。自分で感じるものですから。
是非、お子様の“見つける体験”“驚き体験”を増やせる『夏』になりますように。
≪QRコードで育つ≫
幼稚園では、いつでも教職員が力を合わせて子どもたちの育ちのお手伝いをして行こうと思っています。以前から行っていることですがお伝えします。
それは、園内QRコード表示のことです。様々な場所にQRコードが貼ってあります。スマホ等でかざして頂ければ分かりますが、場所や遊具ごとに “育てたいこと”“具体的活動・注意事項”“見るポイント” に分けて先生たちで話し合った内容が書いてあります。また、“何が育っているか?”“モンテッソーリ教育とのつながり”等々の項目もあり、先生たちが共通認識を持つと同時に、日常、先生たちが子どもにどのように接しているか?各家庭にもご理解頂き、ご家庭でも活用いて頂けたらと思っています。つまり、“幼稚園が家庭で、家庭が幼稚園”という意識を大事にして行きたいと思います。具体的には、幼稚園でくつをそろえることをしていても、お家に帰ると脱ぎっぱなし…というのではダメなのです。ご家庭と幼稚園、大人がみんなで同じ言葉がけをしながら子どもたちの育ちを支えて行ければと考えています。
QRコード読み取りには、下記のアプリからお願いします。
I phone は、QRコードリーダ
Android は、JAN・QRコード読み取り
(英語バージョンもあります)
園長だより vol .139 (2014.7.1)