ふじようちえん

2018年1月31日 園長だより

2018年01月31日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

『今年の冬は寒いなぁ~』と思っていたら、先日は大雪が降り、街中が白一色になりました。幼稚園でも、なんと24㎝の積雪がありました。翌日、子どもたちに思いっきり雪遊びを…と思っていましたが、凍結による転倒や車両のスリップ等々の事故等が予想されましたので、お子様やご家族様の身の安全を第一に考え休園としました。多くの方々にご理解ご協力頂き、無事に過ごすことができ、感謝申し上げます。
この降雪に続くシベリアからの寒波により、気温が上がらず、まだ街中の至る所に多くの雪が残っていて、より寒く感じます。そんな中、子どもたちは、元気に登園し、雪だるまや雪合戦、普段の砂場が雪場となり、シャベルやバケツでトンネルづくり・・・雪をいっぱい楽しんでいます。子どもは風の子どころか、雪の子ですね。

今、幼稚園でも、TVニュースで伝えられているように、インフルエンザが流行ってきています。手洗い、うがい、マスク、発熱への初期対応・・・充分な予防をして行きましょう。今後とも集団活動の場でもある幼稚園では、インフルエンザの蔓延を防ぎ、お子様の安全・健康を確保する事を一番に考え対処して参ります。まだまだ、これからが本番の様子、園とご家庭で力を合わせて頑張って行きましょう。

≪大人になったら…≫
ある保険会社が発表した「大人になったらなりたいもの」調査で、男の子は「学者・博士」が15年ぶりに1位、女の子は「たべものやさん」が21年連続の1位だそうです。この調査は、幼稚園・保育園の幼児と小学生1000人を対象に実施したもので、男の子は、2位が「野球選手」3位が「サッカー選手」4位「お医者さん」「警察官・刑事」、女の子は、2位は「看護師さん」3位「幼稚園・保育園の先生」4位「お医者さん」5位「学校の先生」「歌手・タレント・芸人」ということです。
ちなみに、10年前のデータによると、男の子1~3位は、「野球選手」「サッカー選手」「学者・博士」。女の子は、「たべものやさん」「幼稚園・保育園の先生」「学校の先生」「看護師さん」になっていました。
AIが登場し、現在ある仕事の約7割が取って代わられるかも?という時代に、「幼稚園・保育園の先生」が人気上位ということは、大変うれしく明るい未来を感じます。
この思いをずっと持ち続けて、幼稚園・保育園の先生になる努力を続けてもらいたいです。そうすれば、今、言われている保育士不足も少しは良くなるものと思っています。ちなみに、ふじようちえんの先生方、子どもの頃のなりたい大人になってます。

以下2項目は、だいぶ昔に掲載したものですが、この時期に相応しい内容ですので、再度掲載させて頂きます。
≪節分、豆まき、豆の数≫
節分と言えば、季節の分かれ目、新しい年が始まる立春の前日、つまり、一年の最後の日にあたり、この地域でも節分を“年取り”と呼ぶご老人もまだ多くいます。
幼稚園では、節分の行事を豆まき中心に、鬼のお面作りをしながら過ごしています。鬼と言う「悪」を追い払うこと、目に見えないものに対する体験を通して、心の成長を試みようと考えています。豆まきの豆は、福豆といって節分の夜に歳より一つ多く食べます。翌日の立春で一つ年を重ねるので、来年の分も食べておく訳です。
話は変わりますが、あるアメリカのモンテッソーリスクールの廊下壁面には、子どもたちが自分の家族を紹介している絵が掲示されていました。例えば、父・母・本人・妹の4人家族としたら、1歳を1cmにして、お父さんは36cm、お母さんは32cm、本人は6cm、妹は2cmというように棒グラフになっているのを見たことがあります。これは、モンテッソーリ教育の「数を量で理解する」(ここでは年齢を長さで学ぶ)算数の概念と理解しました。偶然にも、福豆を食べることは、これと似ています。
例えば、ご家族一緒に福豆を食べる機会があったら、各々の豆の量を手にとってみんなで比べて見て下さい。多い少ない(年齢)を量(豆の数)で認識できます。日本の昔からの風習が、意外なことにモンテッソーリ教育と結び付たりしているのです。
美味しく食べながら、年齢の概念を学べるのです。また、おじいちゃん、おばあちゃんがいらっしゃれば、昔の話を聞く場面にもなります。そういうことを通じて、お年寄りへの尊敬心の芽生えに繋がればいいですね。

さて、今回は節分を例に挙げましたが、日本で大切に受け継がれてきた季節の行事や儀礼、そこには、「無病息災」「子孫繁栄」「五穀豊穣」と言う願いや自然など目に見えないものへの畏敬の念、祈り、喜び、感謝の思い、そして知恵が凝縮されています。日本の行事や由来、歴史…地域の文化等々を大切にしたいと思います。行事体験を通して、その空気、心を伝えて行くのも幼児教育の大切な役目だと思います。
改めて考えると、日本の伝統行事は、幼稚園の時期ぐらいしか体験することが出来なくなっているのも現実です。幼稚園こそ、日本文化の伝承者ではないかと思いました。

≪劇で育つ、親も育つ、劇発表会≫
もうすぐ、劇発表会です。子どもたちは、力を合わせて一所懸命に練習しています。
最初、劇のお話を理解し、そして、自分の役になりきり、台詞を覚え、出番を待ち、立ち位置を確認し、自分の台詞を言う、台詞を言う順番に緊張したり、歌ったり、踊ったり、人前で劇を演じることをしながら、みんなで劇を楽しんでいます。
きっと、当日は、練習で頑張った以上に、達成感、満足感、そして、それぞれに自信がつくことでしょう。演じて育つ、それぞれの自立への一歩になると信じています。
ただ、この劇発表会、残念ながら親がいくら心配しても、演じるのは子どもなのです。親は、観客席からは見守るだけで、何もしてあげられないのが現実です。結局、親って、育っていく我が子を見てあげることしかできない存在なのかもしれませんね。それも、いつも一番近くにいて・・・何か?人生と似ていますね。
でも、心配する親の気持ちをよそに、練習の成果を発揮して、しっかり台詞を言い、演じてくれることでしょう。上手に出来ても出来なくても、今まで練習をしてきた過程にこそ、育ちがあります。ご家族で、そんなお子様の育ちをご覧頂ければと思います。そして、劇をハラハラ、ドキドキ、暖かく見守って頂ければうれしいです。まさしく、親になるのも修行ですね。

園長だより vol 188 (2018.1.31)