園長だより vol 245 (2022.2.28)
2022年02月28日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
♪北風小僧のかんたろう~、かんたろう‼というとても元気な歌声が聞こえているかと思えば、別のお部屋からは、♪あかりをつけましょ ぼんぼりに、おはなをあげましょ もものはな…聞こえてきたこの歌から、冬の寒さと春の訪れを感じています。
園のご近所でも、梅や桃の花を目にするようになってきて、松任谷由実さんの歌ではないですが、春が待ち遠しく、春よ、来い‼の気持ちが高まってきました。
ふじようちえんのひなまつりも、子どもたちを見つめ続けて51回目、お雛様もみんなで仲良くひな壇に並んで“ひなまつり”を待ち望んでいます。
3月3日には、白酒代わりにカルピスを飲んで、お祝い会を行い、ランチにちらしずし(たくさんの具を使い、一生食べ物に困らないように)を食べ、すまし汁(本当は、はまぐりを使って良縁をの意味)お土産にひなあられ(4色のあられは一年間の幸せを祈る)を持ち帰ります。どうぞ、お家で“うれしいひなまつり”をお子さんと歌ってみてくださいね。きっと、きっと良いことがたくさん訪れると思います‼ね⁉
皆様、いかがお過ごしですか?おうち時間が多くなり体調等々、大丈夫ですか?
先日の劇発表会は、感染力が強いオミクロン株での感染拡大を防ぐために、まずは大人数が集まる状況を作り出さないことが第一と考え、動画配信、LIVE中継とさせていただきました。本来なら、ご家族様にお越しいただき、お子様の演じる姿をじかにご覧いただくのが一番いいと思っていましたが、残念ながら叶いませんでした。皆様のお気持ちを思うと本当に申し訳なく、一所懸命に練習した子どもたちの姿をご覧いただきたかったですし、私どももとても残念でしたし、また、心苦しくもありました。
改めて、皆様のご理解ご協力に感謝申し上げます。お陰様で、感染拡大もなく無事終了することが出来ました。
やっぱり、リアルで見たかった‼というご意見があることもその通りだと思いますが、今回LIVE配信をやってみて、例年観覧できるご家族の人数よりも、多くのご家族、年少のご家族にも年長の劇をライブで見ていただけたり、ご実家のおじいちゃん、おばあちゃんにもお子様の演じている姿を見せることが出来て良かった‼とても喜んでいますと言うご感想もいただきました。新たな伝え方に少しばかり手ごたえも感じているところです。今後とも、日常の様子なども適時、配信をしていくように頑張ってみます。
さて、今、子どもたちは、劇をやり終えた達成感、満足感を味わい、今、それが自信となり、いよいよ進級、卒園の時期を迎えています。練習の時には、台詞も覚えてなかったり、声も小さかったりで少々不安もあったと言うお友だちも、それぞれに演じ、今の育ちをありのままにお伝えできた劇発表会になりました。みんなのこれからの成長が本当に楽しみです‼
≪自分で線を引け≫
伝説の小学校教師と言われている平光雄先生の、大人に対しても説明の難しい「自律」という言葉をユニークな手法で見事に説明している内容です。ご紹介します。
何回叱られても、人に迷惑ばかりかけてしまう子がいるよね。叱られないときちんとやれない子もいる。そういう子に足らないのは、これと一本の線を引きました。
「──────────」(絵を描いて見せる)
そういう子は「自分で線を引く」ということができないのです。この辺まではいい。
ここからはアウトという、自分で線引きができない。だからいつも誰かほかの人に引いてもらっているから、ガツンと言われなきゃ、線をわからずにはみ出てしまう。
世の中に、線は引かれていないけど、いろんなことに出てはいけない線はあるよね。
たとえば、「授業中に変な音を立てる」「地下鉄で暴れる」「レストランで騒ぐ」……などなど、全部「一線」を越えているよね。しかし、これも自分で線が引けない人がいるということなんだ。
小さい子は仕方ない。そこで叱られてだんだん自分で、こういうときはこの辺が線なんだな…と学んでいる最中だから。でも、高学年になってもそれじゃ、幼児と変わらないってことだよね。自分の言動については、「自分で線を引ける」のが高学年です。
そして、それが「自律」ということです。
この話をした後は、折に触れ、子どもの言動に対し「今のは、線ギリギリだぞ」とか「おい、今のは、線越えてないか?」というだけで「自律」への意識を強化していけるとともに、言動の「線」について、集団でのコンセンサスを図っていくことも可能となる。もちろんご家庭でも同様ですとおっしゃっています。
いつも、様々な場面で子ども自ら考えて、自分で「線」を引くことが肝心ですね。
≪楽しんでいる人には、敵わない‼≫
北京冬期オリンピックでの選手たちの活躍に、たくさんの勇気と感動をいただきました。正直、オリンピックをこんなにテレビで観戦したことは初めてでした。私は、全競技にわかファンで、ジャンプやスノーボード、フィギュアスケート、カーリング、スピードスケート、複合スキー・・・アスリートたちのベストを達成しようとする努力、自分へ挑戦する姿に感動していました。ついつい、寝不足になりがちでした‼
特に、女子カーリングでは、テレビの前で自分もチームの一員になったように考え、絶妙なポジションへの正確な一投一投に、ドキドキしながら観戦していました。選手同士で声を掛け合っている言葉が、すごく普段の言葉で、私たちと同じで安心できたし、何より、楽しそうな笑顔、明るい声、ミスしても褒める言葉がけや表情・・・寛容さや余裕、ゆとり感を許さないような窮屈な日本社会に、本当に必要な力だと思いました。そして、少し古い言葉ですが、論語・孔子の言葉『知、好、楽』と言う言葉を思い出しました。これは、【何かをやっている時、知っているということは素晴らしい、でも、知っているだけよりも好きでやっている人の方が強い、しかし、それよりもそれを楽しんでやっている人には敵わない】と言うこと。つまり、何事をやるにしても、楽しんでやっている人には敵わないのですね。㊗女子カーリング銀メダルから、楽しむ力の凄さを勉強させていただきました。今後の活躍が楽しみになった、にわかファンでした。
≪ただ、ほめると・・・≫
以下、数年前にお話しましたが、子育てのお役に立てばと思い再度お伝えします。
タレントの萩本欣一氏は、子どもがいいことをした時、単純にほめない方がいいと言います。なぜなら、いいことをただほめると、そこで完結して自分で考えなくなるからだそうです。大切なのは、「その先の一歩」を考える力なのです。さらに工夫する力が付けば、子どもはより幸せに生きることが出来ます。欣ちゃんは、例えば、「お使いに行ってくれてありがとう」では足りないと言います。「お使いに『急いで』行ってくれてありがとう」が正解だと言います。こう言えば、子どもは「次はもっと急いで行ってこよう」と思います。行為だけではなく、気持ちをほめてあげることが大事だと言われています。
小学生を成績の優秀なグループと中位のグループに分けて行った実験でもこのことは結果に表れていました。2グループに同様の問題を何回かやってもらいました。一つは成績優秀なグループ、みんな高得点ですので“単にほめる”ことをその都度したそうです。もう一つの成績が中位のグループには、何回か行ったテストの度にその上がった点数、成果に注目して“その努力をほめた”そうです。次第に中位グループのメンバーの中にはやる気が起こり、やがて、かなりの好成績を出しました。逆に、最初から優秀なグループのメンバーには、だんだんと点数が下がり出すという子も見られたそうです。これが、欣ちゃんの言っている様に、ただほめるとそこで完結してしまうという事例だと思います。その努力をほめることに着目し、心掛けて、声掛けして行きたいものですね。親が、もっと子どもをやる気にさせ喜ばせる方法はないか、子に対して、その先の一歩に気をまわす習慣が付けば、その子どもはすばらしい成長をするものと思います。親が、大人が、どんな言葉を発するかで、子どもの育ちが決まって行くようです。
まったく、親をするのも、親になるのも、本当に修行ですね。頑張りましょう!!
園長だより vol 245 (2022.2.28)