ふじようちえん

2021年度 3学期修了式 園長だより vol.246 (2022.3.18)

2022年03月18日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ
 
ある朝、さわやかな春の空気を感じる園庭で、先生と子どもたちがシャボン玉遊びをしています。先生がつくり出すシャボン玉を子どもたちが、夢中になって何度も何度も追いかけ、つかまえようとしています。つかめば消えてしまうシャボン玉ですが、シャボン玉に飛びついて捕まえようとする気持ち…なんか?よくわかります。細やかな遊びかもしれませんが、好きなことに夢中になって…やがてシャボン玉博士が出るかも?知れません。朝の光としゃぼん玉、一番輝いていたのは子どもたちでしたね。
また、東側園庭の小さな田んぼでは、寒い冬を耐えたチューリップがたくさん芽を出して来ました。桜のつぼみも丸く大きくなってきて、いよいよ春本番がやって来ました。子どもたちは、緑の芝生に寝転がったり、フラフープ、ボール遊び、縄跳びに電車ごっこ…体一杯に春を感じて楽しんでいます。
このような何げない子どもたちの遊びの時間は、それぞれに春の匂いや空気感を肌感覚で春を感じ、原体験となり、この時間があるからこそ、やがて、文学や音楽等々の分野で、様々な表現が出来ていくことに繋がっているんじゃないか?と思っています。
つまり、いろんなあそびが未来をつくる…ということです。

皆様、いかがお過ごしですか? お変わりありませんか?
本日、修了式を行い、令和3年度を終えることが出来ました。今も続く新型コロナウイルスの感染状況に翻弄される中、子どもたちの安全安心を確保し、何とか保育を続けることができ、一安心と言うところです。これもひとえに、ご父母ご家族様のご理解、ご協力があればこそのことと心より感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました。
3つのクラスが学級閉鎖になったものの、子どもたちは元気に育っています。
修了式では、子どもたちには大きくなることは、竹の“節”のようなもの。「竹は節があって強くなるもの、毎年、毎年少しずつ節がしっかり出来て、雨や風、台風が来ても倒れない強く大きな竹へと成長していくのです。皆さんも竹と同じように、1年ごとに節が強く、大きくなって成長していきます。また、それは新しいお友だちができることだし、いままで仲良くしたお友だちとも仲良くしながら、新しいクラスや小学校でもいっぱいお友だちをつくってください」とお話しました。みんなに、わかりやすいように、実物の竹を持ってきてお話しました。今、園長席前にあります。

≪時間をかけて育てる‼≫
 先日、さるかに農園さんと言う原木シイタケを栽培指導している方にお越しいただき、原木のコナラの木にドリルで空けた穴にしいたけの菌を埋める植菌作業を体験しました。昨年も行ってたくさんのシイタケが収穫できておもしろかったし、キノコへの理解にもつながり、何よりランチでスープに入れて食べてみたら、歯ごたえと香りが全然違って、すごくおいしかったので、またやってみました。原木シイタケは、シイタケ業界でも全体の3%ぐらいしかなくて、とても貴重な存在とのこと。原木は、紅葉が始まり、木が水を吸い上げなくなって養分を蓄える寒い時期に伐採し、この養分でシイタケが成長するとのこと。さらに時々水をかけたり、ひっくり返したりして、木の中の菌が回り、良質なシイタケが育つとのことでした。労力を惜しまないのがコツですかね。
現在は、スマホでタッチするだけで答えが出るとても便利な環境ですが、春に準備して、手間をかけて、秋まで待つという時間体験は、今では珍しい存在になって来たようです。
原木シイタケ栽培は、いい味だけではなく、待つことを教えてくれているようです。
何か?親への戒めにも聞こえてきますね。待てますか⁉ 待てないですか⁉子育てで…。

≪あなたは、今何時?≫
だいぶ前のこと、あるお寺の玄関に掲げてあるありがたいお言葉!?「人の一生も、酒の一升も、気が付けば“空”だ!!」とありました。冗談のようで、人生時間の真理を言い得て妙でした。また、次のような人の一生を一日に例えているお話もあります。
まず人生を72年とします。これを1日24時間で割ってみると、「3」という数字が出ます。この「3」という数字は、1日の1時間が人生では3年にあたるということです。あなたの年齢を、この「3」で割れば、人生を1日にたとえることができます。
たとえば、あなたが12歳だとします。12÷3=4、12歳のあなたは、1日にたとえると、午前4時になるのです。自分の年齢を「3」で割っては、1日に直して考えてみてください。例えば、45歳の方は15時、おやつの時間となります。
 作家の喜多川泰さんが、同じような考え方を講演で話されました。喜多川さんは、この話を若い子達にされるそうです。自分に絶望したり、心を荒ませている若者に、次のように話されるそうです。「あなたの人生を一日にたとえると、まだ、朝の六時にもなっていない。今まで、苦しいことや悲しいことがあったのだろうが、それは、あなたが
寝ている時間に起こったこと。つまり、夢の中のことだ。夢で起こったことで、あなたはこれからの人生を良くない方へ変えていくのですか」と。なるほどですね。でも、自分に置き換えてみたら…私はもう就寝の時間・・・あっと言う間に“空”のようですね⁉

≪祝★卒園‼≫
ご卒園、おめでとうございます。お父母様、ご家族の皆様、お子様のご卒園、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。ふじようちえんの思い出の一つとして、砂場できれいな石たくさん見つけましたね。砂場で集めたそのきれいな石ではないですが、みんなこそ、光り輝く宝石なのです。でも、そのまま何もしないと光りません。宝石のダイヤモンドも最初は目のすごく粗いヤスリで磨き、段々と目が細やかなヤスリになり、やがて最後は真綿のようなもので光り輝かせるのだそうです。みんなも好きなことを見つけて、ずっとずっと磨き続けていると…それぞれが輝き始め、周りの人や物、いろんなものを光らせる人になって行きます。園長先生の願いは、みんながそれぞれに自立して、社会に貢献する人になって行くことです。
いつまでも、いつまでも、ふじようちえんは、みんなの故郷です。大きくなっても、ふじようちえんに遊びに来てくださいね。みんなと一緒に過ごせた時間は、宝石のように光り輝いていました。ご卒園おめでとう‼元気でね、そして、幸多かれと祈ります‼
 
本年度も、大変お世話になりました。来る新年度も、教職員みんなで力を合わせ、子どもたちの育ちを一所懸命に支えて参ります。まだまだコロナ禍、引き続きのマスク、消毒、手洗い、検温、フイジィカルディスタンスの状況が続くと思いますが、ご理解、ご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

2021年度 3学期修了式 園長だより vol.246 (2022.3.18)