ふじようちえん

園長だより vol. 260 (2023.3.20)

2023年03月20日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

幼稚園の南駐車場にあるこぶしの花が咲き、チューリップが芽を出し葉が大きくなり、桜が咲いてきました。この桜、数年前、植木屋さんが『これ、ロケット桜』と言って、早咲きの桜の木を植えてくれたものです。今年もきれいに花が咲き、花の蜜をヒヨドリが盛んに吸っては飛び回っています。ロケット桜は、ふじようちえんにひと足早く春を連れてきてくれます。
調べてみると、ロケットの打ち上げで有名な鹿児島県JAXA内之浦宇宙空間観測所がある地域で、冬場に行われることが多かった昭和40年当時、ロケット打ち上げで「ピリピリしている実験班の人たちの気持ちを少しでも和らげられれば…」との思いで地元出身の職員が発案したものだそうです。もとは、ソメイヨシノ、これに寒桜、緋寒桜を接ぎ木して生まれ、通称「ロケット桜」という愛称で親しまれています。
残念なことですが、先日は、ロケット打ち上げの失敗もあり、関係者の皆様は大きなダメージを受けていると思われます。現場を知らない悠長な話であり、最先端のロケットと桜を対比させるのは変ではありますが、こんな時だからこそ、桜を愛でる時間でも取って落ち着いてほしいものです。桜の力、花の力を信じて…。

皆様、いかがお過ごしですか? 花粉症、今年は強敵になっています、お大事に。
本日、修了式を行い、2022年度を無事終了することが出来ました。残念ながら本年度もコロナ禍、様々な状況へのご対応で、ご父母、ご家族様のご理解、ご協力があればこそ本日を迎えられたことを心より感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました。
逆に、この状況下で、育っている子どもたちは、これから何があろうとも何とかしていく力、対応する力が付いているのではないか?と思い、未来に期待してます‼

≪くつの汚れが、子どもの育ち≫
『くつの汚れが、子どもの育ち』これは、いつも正門玄関に掲示している園長あいさつの一例です。季節や行事ごとに子どもの育ちや親の心や大人の立ち位置を短い言葉にしてお伝えしています。(恐縮ですが毎回、写真を撮って行かれる方もいます)
言うまでもありませんが、これは、入園式にご父母様に手を引かれて登園してきた日から時間が経ち、クラスやお友だちと過ごす中、一人でできることがふえたり、お友だちと泣いたり、笑ったり・・・いつの間にか?園庭をお友だちと元気に駆け回る子どもたちのくつは、泥やほこりで汚れていました。くつの汚れは、それぞれが自立に向かって育っているということを意味しています。
卒園式の歌『おおきくなったよ』の歌詞に“大きくなったよ、育ったよ‼”という言葉がありますが、まさしく、ふじようちえんは、“子どもが育つところ”そのものなのです。

≪春の力で、子どもは育つ‼≫
ある方が、小学校入学して初めての授業、担任の先生は、小学校校舎の周辺を子どもたちと一緒に歩きました。そして、そこに咲いていた花や、草、その名前や特徴を語り掛けるように話してくれたそうです。その思い出が大人になっても残っていて、花や草を見るとその時の光景を思い出すそうです。こういう空気感がある教育、大好きです。現代では、花にタブレットをかざして、花の名前や特徴を知ることも大事ですが、それよりも、やっぱり、自分の目でその花を見て、様々な色や鮮やかに輝くその姿を見てもらいと思っています。その実体験があった上に知識が加わった時、初めて何かを獲得することができるような気がします。体験はそのようにして積もって行き、子どもたちの生きる力となっていくものだと考えます。
実際、私の経験から、教えてもらったことは忘れちゃって、全然頭に残らないですが、様々な体験を通じてつかんだ知識は、自分の中でルール化され、ずっと使っています。そんな生き方と合わさった学び、大切にしていきたいですね。

≪大谷翔平選手はすごい‼≫
WBCでの大谷選手の活躍に目が離せない毎日が続いています。日本中、いや、世界からも注目の的になっていますね。新聞雑誌では、大谷選手を育んだご家庭のことや食事等々のことで話題は尽きなく、とてもにぎやかになっています。
私は、大谷翔平選手を見ていて、つくづく、さすがプロはすごいな‼そして、ものすごい“才能と魅力”を感じます。才能の始まりは、やはり“好きこそものの上手なれ”と言われるように自分の好きなことを見つけて磨くこと。そして、大谷選手の魅力とは、いろいろありますが、人へのやさしさと思いやり、決して人の悪口は言わないことだと思っています。年長さんは、大谷選手をお手本に元気な小学生になってくださいね。

自問自答していて、プロとは…ということを改めて考えました。そこで思い出したのは、以前、天皇陛下や首相などの要人が搭乗される特別機(ANA)でのチーフCA(6000人いたCAの内、たった5人)をされていた里岡美津奈さんのお話です。それは、講演会場で講師の里岡さんに『プロとは何でしょうか?』という質問があった時のこと、里岡さんは即座に、『プロとは、いつも相手に期待される存在、だから、相手の期待に応えるのがプロ。例え、応えられなくても、常に準備しておくのがプロ』とのこと。この言葉に衝撃を受けました。
まさに、大谷選手のように期待される存在であり、その期待に応える…様々な仕事や役割でも通じる大切な教えですね。
私たちも、子どもたちの育ちやご家族様の生活に役立てることを通じて、期待に応える人、期待に応えられる園をめざして、頑張って行きます‼  

≪祝★卒園、贈る言葉‼≫
ご卒園、おめでとうございます。ご父母様、ご家族の皆様、お子様のご卒園、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。
ふじようちえんでの思い出の一つに、砂場できれいな石を集めた経験があります。砂場で集めたきれいな石ではありませんが、みんなこそ、光り輝く宝石なのです。可能性がぎっちり詰まった宝石です。でも、今はまだ石ころみたいに黒い姿をしています。このまま何もしないと光りません。宝石のダイヤモンドも最初は目のすごく粗いヤスリで磨き、段々と目が細やかなヤスリになり、やがて最後は真綿のようなもので光り輝かせるのだそうです。みんなも好きなことを見つけて、ずっとずっと磨き続けてください。そうすると、それぞれの光が出て、輝き始め、周りの人や物、いろんなものを光らせる人になって行くのです。
先生たちの願いは、みんなが自立して、社会に貢献する人になり、幸せになること。
いつまでも、いつまでも、ふじようちえんは、みんなの故郷、いつまでも、いつまでも応援し続けています。そして、大きくなっても、ふじようちえんに遊びに来てね。
みんなと一緒に過ごせた時間は、宝石のように光り輝いていました。
ご卒園おめでとう‼いつも笑顔で、元気でね、そして、ご家族を大切にね‼
 
本年度も大変お世話になりました。2023年度も、教職員みんなで力を合わせ、
子どもたちの育ちを一所懸命に支えて参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。