園長だより vol.273 (2024.2.29)
2024年02月29日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
西側園庭の花壇に植えていたチューリップ、いよいよ芽が出て来ました。お決まりのように、チューリップ組のお友だちが出た芽を見ては喜んでいます。寒い冬、北風や雪にも耐えたチューリップの生きる力、生命力を感じてもらえたらうれしいです。 今、目の前では、みずみずしい緑の園庭を子どもたちが走り回ったり、寝転がったり、フラフープやボール遊び、電車ごっこをして遊んでいます。無邪気に遊ぶ子どもたちを見ていると、ここでも生きる力、生命力の凄さをつくづく感じます。季節と共に、みんな育っているのですね、子どもも、大人も、植物も。それにしても元気がいい‼
今、子どもたちは、劇発表会をやり終えた“達成感”“満足感”“自信”の中で育ちの時間を過ごしています。それぞれのお友だちが取り組んだ劇、無事に台詞も言え、緊張感、プレッシャーから解放されたのでしょうか?どことなく今までより一段としっかりしたような感じがします。まさしく、劇発表会で育った子どもたちですね。
改めまして、劇発表会に多くの皆様にお越し頂きまして、ありがとうございました。親が手を貸すことが出来ない舞台で演じる子どもたちは、練習の成果を充分に発揮し頑張りました。成長が確認できた素晴らしい時間になったことと思います。
年長さんは、あと数日で卒園し、年少さんは進級し、みんなそれぞれにステージを変えて育っていきます。一年の早さと目を見張る子どもたちの成長に驚いています。
今、子どもたちは、様々なところで元気よく遊んでいます。少し見方を変えれば、お友だちと遊ぶ時間、先生と一緒の時間、幼稚園で過ごす時間を惜しんでいるかのような感じさえします。私どもも、卒園までの限られた時間を大切に過ごしていきたいと思います。
≪春と子どもとおひな様で育つ≫
♪あかりをつけましょ、ぼんぼりに、お花をあげましょ桃の花・・・元気なお友だちの歌声が各クラスから聞こえています。私は、子どもたちが歌うこの“うれしいひなまつり”を聴くと、心が穏やかになり、古き良き日本の時間が流れているような気分に浸れて、とても好きなひと時です。やがて、子どもたちがやってきて、職員室にかざっている七段飾りや男雛女雛のおひな様を見ては、『これが、三人官女?』『これが、ぼんぼり?』『これがひし餅だ‼』と言いながら、おひな様の世界を楽しんで、いつしか歌い出しているのです。子どもたちが、こういうおひな様の世界を歌と共に見て、感じて、想像して、楽しむことが幼児期には、思いを馳せる、夢を見るという観点からもとても大切な時間だと思います。春と子どもとおひな様、すべてが一体となって子どもたちの育ちを支えているものと思います。さらに、白酒(カルピス)で乾杯して、ひなあられを持ち帰ります。ご家庭でもひなまつり、楽しんでくださいね。
≪新家橋の早咲き桜≫
季節は春。だけど、寒暖の差が大きな日が続くし、強風は吹くし、花粉は飛んでくるはで、のどかな日和、春爛漫を感じるには少々時間がかかりそうですね。先日、GSにやってきた卒園児が『先生、新家橋の早咲き桜が咲いてたよ‼』と教えてくれました。早速、西武線武蔵砂川駅に向かう途中の玉川上水に架かる新家橋に行ってみると、橋の横に青く澄んだ空と水面を背景に、きれいなピンク色の桜が咲いていました。数人の方が写真を撮っていたので、私もパチリ‼ 聞いてみると、『毎年、ここの桜は一番早く咲くので、楽しみにしてるんですよ』とウォーキングのご婦人が言われました。私も同じ思いだったので、春を待つ気持ち、桜を愛でる心は、みんな同じなんだなぁ~と感じました。こんな一通行人同士のたわいもない会話と一瞬の出会いでしたが、何か?うれしい気持ちになれました。改めて桜には、人と人とを結びつける力もあるんだなぁ~と思いを新たにした新家橋の早咲き桜のお話しでした。
≪子どもの視野の狭さを計算に入れてみましょう‼≫
先日、立川警察署の警察官のご指導の下“交通安全指導”を行っていただきました。特に、横断歩道を渡る時に『右見て、左見て、右見て、後ろ見て、手をあげて横断歩道を渡りましょう』の合言葉で、左右の車確認や後ろからの自転車等の接近に注意することをポイントにご指導いただきました。特に、お顔を左右に振り向け左右確認するよりも、子どものおでこをしっかりと左右に振り向かせることが重要とのことでした。これは、子どもの視野が、大人に比べてかなり狭いことに根拠があります。道路横断時、近づく車をよりしっかりと認識できるようにということが根拠です。例えば、椅子に座っている大人の真後ろから、両手をその人の顔の前に動かしてみると概ね150~180度の角度で手が見え始めますが、子どもの場合はこれがかなり狭いとのことです。子どもたちが走っていて、思わぬところで子ども同士がぶつかることの原因の一つかもしれませんね。見えているようで見えてない子どもの視界、子どもの視野の狭さを大人が認識することも大切なようです。
≪忘れてはならない、当時のこと≫
3月と言えば、東日本大震災、この11日で14年目になります。改めて、多くの方々のご冥福をお祈り申し上げます。合わせて、能登半島地震からの一日も早い復興を心よりお祈りしています。能登半島地震から2カ月が経ち、東日本大震災から14年目と言うことで、当時の状況をお伝えし“常に備えよ”の意識を忘れないでほしいと思い、当時の園長だよりから抜粋して状況をお伝えします。
3月11日(金)、午後2時46分、今まで体験したことのない大きな揺れの地震でした。2番バスを待つ子どもたちやバンテージ、ラパン等々の子どもたち、そして親、先生等、まだ合計約300人以上が幼稚園内にいました。地震発生、避難訓練通り、放送で机の下に避難することを指示、子どもたちは一人も騒いだり、泣いたりすることもなく、園庭中央に防災ずきんを付けて集まり、安全を第一にしゃがんで待機していました。その後、大きな余震も数回ありましたが、本当に動揺、混乱もなく冷静に対応して、避難訓練通りよくできました。“おかしもな”花〇です!!
そして、ラジオ、テレビの情報によると大地震発生とのこと、何が起こるか分からない中、子どもたちの安全を第一に、2番バスの運行を中止し、ご家族様にお迎え頂くことにして一斉メール、HPのブログ等で連絡しました。
やがて、ご父母、ご家族様にも引き渡し訓練通り、お子様をお引き取り頂き、夜9時には最終の方がお越しになり無事完了しました。お仕事やご用事で遠くに行かれ、電車も動かないし、大渋滞の中を皆さんなんとか幼稚園まで来て頂きました。
多くの皆様のご協力に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。そして、大変、お疲れさまでした。
ちなみに、教職員は、引き渡し完了後、車、自転車、で方面別に乗り合いにて帰路につきました。大渋滞で、いつもより相当時間がかかった先生もいたということです。
それにしても、万が一の時の対応を迫られた地震発生からの時間でした。落ち着いたら、再検証してさらに安全で確実な方策を検討していきたいと考えています。
私たちは、何時になっても、例え宿泊になっても子どもたちと一緒に待っています。実際、スマイルエッグスでは、宿泊し、朝のお迎えになったお子様もいました。
ご父母様をお待ちするのが、私どもの役目。もともと、私どもの仕事の99.9%は、お預かりした命をしっかりとご家族のもとにお返しすることが一番の仕事であり、すべてだと思っています。
翌日、幼稚園に『先生、あの一言、本当に安心しました』と言う感謝の言葉を頂きました。それは、避難状況を伝えているメールの中にあった『泣いている子は、一人もいません』の一言でした。お母様は、お子様が地震で動揺して泣いているのではないかとご心配なされていたようです。『あの一言で安心しました』逆にこの一言に私たちも勇気づけられ、うれしさが込み上げてきました。一言の価値、こんな時だからこそ、〈心から安心できる言葉〉をいっぱい使って行きたいものですね。
一夜明けて、テレビに映った、津波の傷跡・・・涙が出て仕方がありませんでした。
さぞかし大変で、きびしく、寒く、つらい状況の中に居られるものと推察致します。それにしても、まさか、街全体が流されてしまうとは…想像も出来ません。
以上、14年前を思い起こし、今後の戒めとし、もしもの時に安全第一に対応することが、尊い生命を失くされた方々へ報いる私たちができる唯一の役目だと思います。
常に備えよ‼ 安全第一‼ しっかりと子どもたちに幸せな未来を渡すために。
(画像は、東京消防庁による地震へ10の備え、地震その時10のポイントです)
園長だより vol.273 (2024.2.29)