ふじようちえん

園長だより vol 283 (2024.11.29)

2024年11月29日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

 ♪ジングルベル、ジングルベル、鈴がなる…今、クリスマスの曲が各クラスから聞こえています。何故か?ジングルベルを耳にすると、クリスマスへの期待、楽しさ、うれしさを体が知っているのか?心躍り、幸せ感がふくらみます。あわせて、もう年末か?という気ぜわしさを感じるのも現実です。年賀状に大掃除、お正月の準備、何かと忙しくなる師走です。夢見るクリスマスと現実に追われる年末、こんな時間を過ごして、新年を迎えていくのですね。

 ちなみに、年賀状の習慣が問われる昨今ですね。 ふじようちえんでは、年賀状を日本のお正月文化の一つとして捉えて、子どもたちが年賀状をもらった時のうれしさ、笑顔、喜びを子ども時代に味わってほしいということを大切に、毎年、年賀状を出しています。ネットの時代、簡単に配信や送信できるものは、そうしていますが、心を伝えるものは手間ひまかけてもいいと思っています。心がとどく年賀状、どうぞ楽しみにしていてくださいね。

 例年になく暖かい師走を迎えようとしています。特に、このところの温かさに、冬物衣類が、出番がなくて寂しそうです。折角、クリーニングして、スタンバイOKなのにね。先日、ドライブで奥多摩湖に行ってみたら、確かに紅葉はしているものの、例年とは違って、鮮やかな紅葉ではありませんでした。寒さもほどほど、紅葉もほどほど、という陽気ですね。
皆様、いかがお過ごしですか?
もう一年経ったのかと、毎年、この時期、同じことを感じている今日この頃です。

≪交通安全、交通整理にありがとう‼≫
 ふじようちえん近くの立川第9小学校の通学路、ふじよちえん第2駐車場への進入路で信号機もない十字路で、車両の交通量も多く、通学児童も多く通る交差点があります。そこに毎朝、毎朝、ボランティアで交通整理をしていただいている方がいます。私の知る限り、相当長き、何十年に渡り、子どもたちの安全をしっかりと守っていただき、心より感謝申し上げます。私も毎朝、おじさんの元気な『おはよう‼』の声に元気をもらっています。
 私が小学生の頃、通学路には“みどりのおばさん”という方が横断歩道の横に立っていて、車両を止めたり、子どもたち、歩行者を待たせたりして、安全を守っていただいてました。よく考えると、当時は、横断歩道の線があるだけで、まだ信号機はなく、ましてや歩行者用の信号なんてない時代です。道路を横断するのに小学生だけでは、とても危ない状況でした。今のように、人がいてもいなくても機械的に変わる信号の色で動く街と、信号機に頼らず、状況を判断した人による、人のための安全確保がされて動く街、比べるわけではないですが、信号機に頼らず、人が介在した交通整理は、意外ですが、車両にも、歩行者にも結構スムーズで、ストレスがなく、合理的な対処の仕方だと気づきました。将来、無人で透明人間が運転するような未来の交通社会で、スムーズでストレスがない交通状況が出来ているとして、状況を判断して、対応できるAI交差点があるとすれば、その原点は、まさにこの十字路で行っている交通整理のおじさんなのかも?知れませんね。さらに、信号機より、元気にあいさつしてくれるし、心が伝わってくるのがいいですね。そして、おじさんに感謝できて、幸せな気分になれて素晴らしいですね。
今朝もおじさんは、元気に交通整理をしていました。毎日、ありがとうございます‼

≪塩むすびで育つ‼≫
 昨日、屋根の上やお部屋で、自分でにぎったおにぎりを食べる“おにぎり会”を行いました。衛生面に注意して、一人ひとりが広げたビニール袋に先生がご飯を入れ、ビニールの上から子どもたちが握ってつくるおにぎりです。あまりのおいしさに、お替わり、お替わり…の声が止みませんでした。特に、自分でつくって、みんなで食べた塩むすび、指についたごはん粒もきれいに食べて初めて分かるごはんの味、何気ないことですが、この経験をして欲しかったのです。
 数年前、小5の女の子のお母さんが、うちの子が学校から帰って来て『何か食べるものある?』と聞くのです。その時『何にもないよ』と答えると、『じゃ、塩むすびつくって!!と言うんですよ』と話してくださいました。幼稚園の時に食べた塩むすびがとても美味しくて、その味を思い出すかのように時々、塩むすびをリクエストされるそうです。確かに、お塩とお米の味だけですが、おいしいですよね。
一年に一回、小さな手にのせ、みんなで食べる塩むすび、ほんのわずかな時間ですが、子どもたちにとっては、味の記憶、美味しさの思い出として、しっかりと心に残って行くようです。
 よく、“3つ子の魂、百までも”と言いますが、むしろ、私は幼児期は“一生ものの始まり”の時期と言っています。それぞれの子どもたちの永い人生時間を見た時、一生に渡り活かされるもの、使うものの多くを獲得する時期が幼児期なのです。出来るだけ正しいもの、正しいことを身につけるべきだと考えます。その正しいものやことを癖付けし、その良い癖付けが習慣レベルになるまで指導して行きたいと思います。
特に、心、行動、考え方の良い癖付けが大切だと感じています。
“人生は、その能力によって決まるのではなく、その性格によって決まる”と聞いたことがあります。みんなが更に良くなって幸せの方向に進むように、人生の土台となる幼児期、先生たちみんなで力を合わせながら、子どもたちの育ちに役立つように頑張ります。

≪クリスマスフェスタで育つ‼≫
 みんなの楽しみなクリスマスが近づいてきました。幼稚園でも、例年のようにクリスマスフェスタとして、作品展と歌の発表を行います。今の取り組み状況は、その昔、先生が主導で作品案を考え、みんなが同じものを同じように作り、展示するという時代から変化して、子ども同士で話し合う子ども会議をしながら、出来るだけ子どもたちが考え、それぞれの思いが表現されて、そのプロセスがわかり、今の子どもの育ちがわかるような作品展になるようにしています。言わば、昔のテーマに沿ってつくる受動的な作品展から、より子どもたちの主体性を発揮してもらう能動的な作品展にしようということです。そして、作品展への基本的な姿勢として、≪子どもたちの育ちの“今”を伝えたい‼≫という想いのもとに作品作りを進めてきています。
 だから、子どもたちそれぞれの思い、考え、意見を取り入れながら、それぞれに出来るだけ作りたいものをつくり、それぞれの形を尊重し、工夫や色使い等々を子どもたちに任せてみるという取り組みをしています。先生と子どもたち、子どもたち同士での話し合いから始まり、人の話を聞くこと、絵本や写真、実物を見たりしてさらに理解を深めながらテーマが絞られて行きました。
 そして、今回のクリスマスフェスタ、子どもたちが表現した数々の作品の本当の完成は・・・それは、ご家族みんなで見てあげること、そして、『すごいね‼』『きれいだね‼』『よくできているね‼』『こんなところが好きだなぁ‼』・・・のお褒めの一言を言ってあげることだと思います。
 その言葉を聞いた子どもたちは、必ず自信を持ち、自己肯定感も高まり、さらに作品作りへの意欲が出て、自らつくる喜びを感じて、益々、成長して行くものと思います。子どもが育つ作品展‼どうぞお楽しみください‼

園長だより vol 283 (2024.11.29)