2024年度2学期終業式 園長だより vol . 284(2024.12.23)
2024年12月23日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
♪もういくつ寝ると お正月 お正月には凧あげて こまをまわして遊びましょう はやく来い 来い お正月…今、とても元気な声が各クラスから聞こえています。この歌を聴くと、いよいよ今年もあと少し、一年が過ぎる早さを改めて感じますね。
澄んだ冬の空気の中、陽ざしに照らされているケヤキも葉を落とし、緑に輝く園庭にその姿を落としています。スマイルファームで採れた大根もテラスに吊るして、寒風にさらし漬物づくりが始まっています。こんなに寒くても子どもたちのあふれる元気にふじようちえんは、今日もイキイキと活気にあふれています。
皆様、いかがお過ごしですか?風邪やインフルエンザの流行が始まる今日この頃、うがい、手洗い、マスクでの予防等々、特に年末年始はお出かけしたり、人と出会ったりすることが多くなる時期、ご自愛くださいませ。
本日、終業式を行い、2学期を無事終了することが出来ました。これもひとえに、ご父母、ご家族様方のご理解、ご協力のお陰と心より感謝申し上げます。
終業式では、ごあいさつ・お手伝い・交通安全のことを話し、3学期また元気に会うことを約束しました。お正月楽しんでくださいね‼
≪クリスマスフェスタで育った‼≫
先日のクリスマスフェスタには、たくさんのご家族様にお越しいただきましてありがとうございました。作品展と歌の発表を通じて、≪子どもたちの育ちの“今”を伝えたい‼≫という私どもの想いが届きましたら、本当にうれしいです。
各クラス、歌の発表では練習時よりもすごく上手に歌うことができて驚きました。やはり、子どもたちなりにご家族様の前では緊張し、気合が入ったように感じました。上手に歌えたことを体験し、今後もいろいろな場面での練習すること、努力することの意味を少しづつ理解してもらえる始まりになったかと思っています。
作品づくりでは、各クラスのテーマ決め相談から、作品づくりでの工夫やアイデア、子どもたち主体での作品の数々でした。楽しく、夢が膨らみ、分かりやすく取り組みやすいクリスマスというステージを使って、子どもたちの“自ら育つ力”が発揮できました。当日、会場内でもご家族みんなで見て、たくさんのお褒めの言葉が聞こえました。この一言で、子どもたちは、自信を持ち、自己肯定感も高まり、いろいろなことにチャレンジしていく意欲が出てきて、益々成長して行くものと思います。“子どもが育つクリスマスフェスタ‼”とても良かったです。ありがとうございました。
≪お餅つき、探求して育つ‼≫
先日のお餅つきには、お餅つき体験やおもちを食べることもいいけど、お餅が出来ていくところを子どもたちに見てもらいました。もち米をセイロで蒸かし、そのお米を臼に入れ、杵で練って、ついて、おいしいおもちの出来上がりです。お餅の正体を知る探究活動ではないのですが、蒸かしたもち米をみんなで食べてみました。『おコメの味がする‼』とか『おいしいごはんだ‼』という声がたくさんあってお替わりの声がいっぱい聞こえました。お正月に向けての日本の伝統文化体験が大事なテーマでしたが、お米からお餅ができることを実体験で学ぶことができました。
梅雨時に幼稚園のミニ田んぼに田植えして、秋に刈り取り、先月、脱穀・精米をして、お米ができるまでを体験を通じて学びましたが、実は、その続きがありまして、脱穀し、何もついてない稲穂を撚って、しめ縄をつくりました。しめ縄は、年神様を迎えるのにふさわしい神聖な場所を示すものとされています。このしめ縄をつくるところを見学し、お正月をより感じてもらえばと思っています。
ちなみに、このしめ縄は、松の内である1月7日に片付けて、“どんと焼き”で焚き上げてもらいます。こうして、しめ縄は土にかえり、また作物をつくるという大きな循環になっています。日本文化は、このように風土、文化、生活、食、伝統、地域等々と深く結びついているのですね。あと、季節のお菓子も忘れてはいけませんね
≪子ども歌舞伎で育つ‼≫
先月、立川ステージガーデンでの立川立飛歌舞伎、それに先立つサンサンロードでのお練り、多くの方にご参加、ご観覧いただき感謝申し上げます。また、前日稽古の親子見学にもご協力いただき重ねて御礼申し上げます。前日の稽古と思いきや、観覧者は私どもだけなのに本番さながらの演技に圧倒されるやら、感動するやら、驚きの連続でした。親子で歌舞伎鑑賞は、中々できるものではありません。ご招待いただきました(株)立飛ホールディングス村山社長様の未来を担う子どもたちに日本文化の心を伝えたいとの思いに共感するとともに、心より厚く御礼申し上げます。
実は私も昨年、立川立飛歌舞伎で初めて歌舞伎を鑑賞させていただき、イヤホンガイドを聴きながら、その演技や動き、仕草の美しさ、感情表現の豊かさ、おもしろさ、見得を切る場面での自分を誇示する態度等々、とても勉強になりました。それから数回、歌舞伎を見に行き、にわか歌舞伎ファンになってます。(影響されやすい)
先日、幼稚園教育の研修会で「日本の所作を学ぶ」という講座があり、講師である若和屋帆之亟(わかとや はんのじょう)氏から日本の所作(きれいな挨拶や座り方等々)を学びました。なんと、帆之亟さんは、幼稚園のお遊戯会で「おもちゃの兵隊」を踊っていた姿が古典芸能関係者の目に止まり、スカウトされたのがこの世界に入るきっかけで、5歳で入門、8歳で初舞台を踏み、10歳で帆之亟を襲名された方です。男の子が日本舞踊をやっているということでからかわれたりもしたそうです。踊り一筋かと思いきや高校では野球部でエース、プロのスカウトからも誘われたこともある方です。
日大芸術学部を卒業後、俳優の道1本で歩き出し、五代目坂東八十助さんや真田広之に出合う中、俳優・舞踏家・振付師・殺陣師として活躍し、最近では、エミー賞18部門に輝いたドラマ『SYOGUN 将軍』の日本人所作動作総監督を務められています。特に、SYOGUNでは、日本人が見ても恥ずかしくない作品をつくりたいという真田広之さんの思いに賛同し映像づくりをする中、価値観が近い、文化が違うアメリカ人に理解してもらうために相当の努力があったとのことです。例えば、「目を見て挨拶し、目を見て戻る挨拶の仕方」「両手を交互、前後に振らずに走る武士の走り方」「畳の縁は踏んではいけないもの(昔、縁にはその家の家紋が入っていて、踏むことはその家を踏みにじることになる)」等々です。
その帆之亟さん、“所作とは相手を思いやる心”と言われ、伝統文化を後世に伝えたいとの思いで、こども歌舞伎塾も開催されています。年間12回のお稽古の中で、七五調の美しい日本語や着物の着付け体験、挨拶から立ち居振る舞い、歌舞伎の歴史まで、様々な面を学べる講座とのことです。美しい日本語・所作を知らない人が多くなった今、大人になってからでは中々身につけるのは難しいですが、子どもたちは1回で、すぐおぼえてしまうとのこと。子ども歌舞伎に参加して、最初はもじもじしていた子どもたちも慣れて本番では本気になり、とても上手に演じるそうです。「姿勢が良くなった」とか「落ち着いて、明るくなった‼」という声も多数あるそうです。
歌舞伎というと少し違う世界のように想像してしまいますが、子どもたちが大好きなテレビ番組の戦隊もの、実は、歌舞伎の演目にある「白波5人男」から、あの“5レンジャー”が生まれているのです。一人づつ名乗ったり、レッドは必ず主役、イエローが三枚目、ブルーはおすまし、ピンクは歌舞伎でいう女型…歌舞伎とみんな同じ、しっかり通じているのです。その昔、仮面ライダーが言う『変身‼』というフレーズが大流行しましたが、あれも歌舞伎での見得を切る仕草から来ているものと教えてもらいました。歌舞伎の言葉や仕草、そして、文化が我々の日常にも多く存在することを感じ、子どもたちにも美しい言葉や仕草を伝える大事さを感じました。
※画像は、東京都杉並区「広報すぎなみ」9月15日号より。
お正月・・・もちつき、書き初め、年賀状、お参り、親戚、お年玉・・・お年玉をもらうときは必ず両手で受け取り、相手の目を見てしっかりあいさつ「ありがとうございます!!」いただいたお年玉は、誰からいただいたかを親に言って、必ず親に渡すこと。きちんとさせたいお年玉との付き合い方です。
本年も、ありがとうございました。来る年が、皆様にとってより良い年となりますように…お祈り申し上げます。
2024年度2学期終業式 園長だより vol . 284(2024.12.23)