2024年度 3学期修了式 園長だより vol .288 (2025.3.19)
2025年03月19日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ
今、幼稚園東側園庭の早咲き桜が咲いて、とてもきれいです。西側園庭では、小さな田んぼの後に植えたチューリップの芽が顔を出しています。暖かな日差しに照らされ園庭の芝生も緑を増してきました。まさに、春を実感する今日この頃です。
あるクラスからは卒園式の歌の元気な歌声が聞こえています。嬉しくもあり、寂しくもある卒園、進級…様々な思いも入りまじり、何かと慌ただしい年度末でです。皆様、いかがお過ごしですか?暖かくなり、春は花が咲いてうれしいけれど・・・同時に花粉の季節、様々な予防をされていることと思いますが、どうぞご自愛ください。


本日、修了式を行い、2024年度すべての課程を終えることが出来ました。これもひとえに、ご父母、ご家族の皆様方のご理解、ご協力があればこそのことと、心より深く感謝申し上げます。また、先日は藤の会様に開催していただいたサイエンスショーやスペシャルランチ等の卒園行事、本当にありがとうございました。楽しい企画の数々は幼稚園での最後の親子時間になりました。私ども教職員にとっても、ご家族様と過ごせる最後の大切な時間、とてもいい思い出になりました。感謝‼


年度替わりのこの時期に感じることですが、卒園、進級は、竹の成長とよく似ています。竹は、いくつもの節があるからこそ強く、しなやかになって、強い風にも耐えられるように成長していきます。子どもたちも、強く、しなやかに、しっかりと節をつくりながら竹のようにグングン伸びていってほしいと思っています。ふと、園庭のポールを見上げると、年長のクラス旗が春風に吹かれて大きくはためいています。まるで、年長さんが『まだ、幼稚園にいたいよぉ~!! 遊びたいよぉ~!!』と言っているみたいにその存在を旗でアピールしているようです。いよいよ、『おめでとう』と『ありがとう』の言葉を交わす巣立ちの季節です。先日、年長のお友だちに『大きくなったら、何になりたいの?』と聞いてみました。お花屋さん、警察官、サッカー選手、クレープ屋さん、プロゲーマー、パティシエ、車の修理屋さん、仮面ライダー、アイスクリーム屋さん、家をつくる人・・・たくさんのなりたいもの、やりたいことを聞かせてもらいました。3年という月日がみんなを育て、将来の姿も自分から話せるようになりました。みんなの夢が叶いますように‼


≪行為より、その気持ちをほめて、子どもは育つ‼≫
タレントの萩本欽一氏は、子どもがいいことをした時、単純にほめない方がいいと言われます。なぜなら、いいことをただほめると、そこで完結して自分で考えなくなるからだそうです。大切なのは、「その先の一歩」を考える力なのです。さらに工夫する力が付けば、子どもはより幸せに生きることが出来ます。欽ちゃんは、例えば、「お使いに行ってくれてありがとう‼」では足りないと言います。「お使いに『急いで』行ってくれてありがとう‼」が正解だと言います。こう言えば、子どもは「次はもっと急いで行ってこよう」と思います。行為だけではなく、気持ちをほめてあげることが大事だと言われています。
小学生を成績の優秀なグループと中位のグループに分けて行った実験でもこのことは結果に表れていました。2グループに同様の問題を何回かやってもらいました。一つは成績優秀なグループ、みんな高得点ですので“単にほめる”ことをその都度したそうです。もう一つの成績が中位のグループには、何回か行ったテストの度にその上がった点数、成果に注目して“その努力をほめた”そうです。次第に中位グループのメンバーの中にはやる気が起こり、やがて、かなりの高成績を出しました。逆に、最初から優秀なグループのメンバーには、だんだんと点数が下がり出すという子も見られたそうです。これが、欽ちゃんの言っている様に、ただほめるとそこで完結してしまうという事例だと思います。その努力をほめることに着目し、心掛けて、声掛けして行きたいものですね。親が、もっと子どもをやる気にさせ喜ばせる方法はないか、子に対して、その先の一歩に気をまわす習慣が付けば、その子どもはすばらしい成長をするものと思います。いろいろな点から、親をするのも、親になるのも、本当に修行ですね。頑張りましょう!!


≪自分の役割と人生はジグソーパズル≫
卒園児の皆さん、ご卒園、おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
卒園式の練習で一人一人に修了証書を渡している時、みんなの本当に真剣な目を見ることが出来ました。大人になったら・・・どんな大人になるのかな?どんな顔してるのかな?何をして活躍してるのかな?様々なことを思い巡らせました。
『人は生まれてきたからには、どんな人でも役割がある』と言われます。まさしく、自分の役割を見つける旅こそ、これからみんなが歩き始める人生かも知れません。自分の役割を見つけて、その役割で世のため、人のために尽くす生き方をして欲しいと思っています。役割の見つけ方は、何でもいいから、目の前のことに一所懸命になり、とことんやってみることだと言います。お勉強でもスポーツでも、音楽やダンス、絵画や読書、外国語・・・何でも好きなことを大事にしてください。好きなことなら、とことんやれますよね。やがて、その中に、自分の役割が見つかるものだと思います。その役割で、まわりの人を照らせば、やがて自分も光り出すものです。
でも、世の中、何事も順調に全てが上手く行くことはまずありません。そんな時、園長先生は、人生は、一つのジグソーパズルだと思っています。ジグソーパズルは様々なピースが集まって一つの絵になっています。一つだって欠けたら絵は完成しません。人生も同じ、良いこと悪いことがあって、初めて人生というジグソーパズルが完成して行くのです。卒園児の皆さん、卒園はゴールではありません。一人の人間として役割を見つけ、ジグソーパズルを完成させる旅のスタートです。
さぁ、出発です!! 素晴らしい未来へ、良き出会いを!!
最後になりましたが、日頃よりご父母、ご家族の皆様にご理解、ご協力いただきまして、心より感謝申し上げます。皆様のあたたかい応援、声援、そのお心こそが、私ども教職員一同の励みであり、喜びです。お陰様で、充実した子どもたちとの時間を過ごすことができ、教育に全力を尽くすことが出来ました。ありがとうございました。
これからもお子様が健やかに育ち、ご家族様に良いことがいっぱいありますように、教職員一同お祈りしています。
2024年度 3学期修了式 園長だより vol .288 (2025.3.19)