ふじようちえん

2025年度5月 園長だより vol . 290 (2025.4.30)

2025年04月30日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ
 
 澄み切った青空にこいのぼりが悠々と泳いでいます。その光景が、子どもたちの元気な育ちと重なってうれしく、これからものびのびと育ってほしいと願っています。
今日、こどもの日お祝い会を行って、こいのぼりを背景に鎧兜と一緒に写真を撮りました。まさにこの写真が、お友だちの素晴らしい未来を示しているように感じました。

 先日の親子遠足、ご参加いただきありがとうございました。自由参加で、エリアを自由にまわって、先生たちと出会うスタンプラリーですが、その中には、出会ううれしさ、親子でチャレンジする楽しさ、全個所まわる達成感がありました。さらにハワイアンフェスティバル・ステージでのフラダンス披露は、楽しさと共に多くの観客の前で踊り、自信が付いたものと思います。ふじようちえんの遠足は、楽しい中にも子どもの育ちに貢献できるように考えたものでした。次回は、ご忠告の通り、派手な色を着てエリア内を回るようにします。失礼しました。また、園長先生と出会えなかったお友だち、幼稚園の園長席に来てくれたらスタンプを押します‼よろしくね、ね‼

 小学校高学年になった卒園生から、砂場で見つけたきれいな石で作ったふじようちえんのロゴFUJIをデザインしたプレゼントをいただきました。思いを込めて作った思い出が詰まった作品、園長席の横の柱に貼って、みんなに見てもらってます。また、卒園生が就職のためにインターンに来てくれたり、就職してくれたり・・と卒園生とのこのようなふれあいができること、本当にうれしいです‼感謝‼

≪大谷翔平さんの母校、花巻東高校に学ぶ‼≫
 先日、以前から行ってみたかった大谷翔平さん、菊池雄星さんを育てた岩手県花巻市の学校法人花巻学院 花巻東高校に行って来ました。幸運なことに、理事長の小田島順造先生、野球部監督の佐々木先生からお話を聴くことができました。
 私は、花巻東という校名から、公立高校かと思っていたら、花巻東高校は私立でした。そして、その昔は、どこにも入れない生徒が集まって来た高校で、落ちこぼれの学校と言われ、窓ガラスが割れていたり、ゴミが散らかっているような不良のたまり場のような学校だったそうです。野球部の佐々木監督も初任の頃は不良対応が仕事の一つだったとのことです。
小田島理事長になり、根本的に理念や目指すものを明確にして学校改革をしました。てっきりスポーツ専門の特別校かと思っていたら、ごく普通に進学、スポーツ、文化活動にも力を入れている素晴らしい高校でした。
小田島理事長が、以下の建学の精神・教育目標を具現化するためにしていることは、
①『師弟同行』(礼を正し、場を浄め、時を守る)と言うコンセプトを大切にして、生徒と同じ行いをし、真摯に向き合うことの大切さを意味しています。内容は、
・礼を正し(自らあいさつし、返事をする)
・場を浄め(ごみを拾い、履物をそろえ、椅子を入れる)
・時を守る(5分前精神に徹し、定めた如く行動する) 
②読書教育(朝読書の実践) 
③立腰教育(腰骨を立てる)

以上を日常の教育活動で実践しています。生徒も先生も同じことをしているのです。菊池雄星さんがゴミを拾ったり、大谷翔平さんがバットをキチンと置く姿勢の原点に触れた気がしました。教育の素晴らしいところですね。また、その象徴となっているのが二宮金次郎像と生徒手帳です。花巻東高校の校門の横に二宮金次郎像があり、常に生徒がその思いを忘れることのないように設置されています。つまり、二宮尊徳の報徳精神を教育の根幹に据えているのです。

 大谷翔平選手のマンダラチャート図(9×9のマス目を使い、目標達成や問題解決のために用いられる視覚的なフレームワーク)が有名になりました。この図を使い大谷翔平選手は、プロ野球の指名で7球団に指名されることや、メジャーリーグで活躍するという夢を中心に書き、そのために行うことをまわりに書いて実行していました。これは大谷翔平選手だけが行っていることと思っていたら、なんと‼花巻東高校の生徒全員が行っているのです。理事長先生曰く、“目標を達成する喜びをみんなに味わってほしい”ということです。
花巻東高校の生徒手帳は、がんじがらめの規則を記して生徒を管理するためのものではありません。生徒が夢を設定しその夢を実現する支援をすることが生徒手帳の目的としています。生徒手帳の中にマンダラチャートフォームが表示されているのです。
教師は、まだチャートをどのように活用するかの指導ができるよう研修を受けています。教師自身もまた、このマンダラチャートを活用されているのです。
花巻東高校では、生徒と先生がみんなマンダラチャートを使って目標設定と具体的な行動を書き、実践されているのです。すごい効果、チャレンジしましょう‼

 私から、佐々木監督に『大谷選手や菊池選手の親は、どんな方で、子どもにどんな風に声かけていたんですか?』と質問したら、一言『立派です‼』とお答えになりました。それは、どちらのご両親とも、子どもたちが練習している時はグランドの目立たないところで立って静かに見守っているだけでした。多くの親の中には、子どもにアドバイスしたり、大袈裟な行動で応援している人もいるのですが、両選手の親は『監督に任せたので』と言う思いがあって、何も言わずに黙って見ているだけでした。佐々木監督は、大谷選手のお父さんと挨拶したのは、高校に入学した時に『こんにちは』と言葉を交わしただけとのことです。
大谷翔平と菊池雄星が優れているのは両親が優れているからですね。『立派です‼』の一言がご両親のお人柄を表していると思いました。

 最後に、佐々木監督は言われました。これからメジャーリーグだけでなく、アメリカの大学の野球部に進む選択がますます増えます。自分の息子の佐々木麟太郎がその先駆者。高校からアメリカに行って野球をするという選択も増えます。アメリカは長所を伸ばしてくれる、日本のように欠陥を指摘しない。息子の麟太郎は長打力が優れているが足が遅い。それでも進学したスタンフォード大学では、長打力を高く評価してくれる。まさに長所伸展、加点評価ですね。
最後に、佐々木監督から『甲子園に行きたいなら花巻東より大阪桐蔭を選んだ方がいい、でも世界を目指すなら花巻東を選択すべきです』とアドバイスいただきました。
花巻東高校、とても輝いてました。

2025年度5月 園長だより vol . 290 (2025.4.30)