ふじようちえん

園長だより vol . 291 (2025.5.30)

2025年05月30日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ
 
 傘を手にすることが多くなりました。雨より晴れがいいなと思いがちですが、逆に、雨があるから作物が育ち、おいしい野菜もできて、水も飲めると考えればうれしいことなのですね。雨の日さえも、恵みの雨とプラス思考で考えれば、明るい毎日が過ごせると思います。ただ、度を過ぎた豪雨や災害がないことを祈るばかりです。
 6月になり、紫陽花が豊かに咲き、美しい風景に出会えるのが楽しみです。紫陽花と梅雨、とてもよく似合っていて日本を代表する風情、空気感を感じます。

 皆様、いかがお過ごしですか?まもなく、うっとうしい季節になりますが気持ちだけはさわやかに過ごしたいですね。ご自愛くださいませ。
 そして、もうすぐ、家族参観日です。お子様がいつも過ごしているお部屋で、いろんな作品を作ったり、ゲームをして、お子様との楽しい時間をお過ごしください。今しかない育ちの時間、参観日の時間、大切ですね。みんなでお待ちしてます‼

≪さつまいもの苗植えで、育つ‼≫
 今、スマイルファームでは、なす、トマト、キュウリ、ズッキーニ、とうもろこし等々、野菜が日々成長しています。先日は、年長組のお友だちがさつまいもの苗植えを体験しました。こんな草のような、茎だけのような苗がさつまいもになるなんて…まだ信じていないお友だちもいました。私は『理解は驚きに始まる』と考えていて、『なぜかな?』と思うその心が大切で、これから苗の成長過程を見て、収穫時には、大きなさつまいもを手にすることで、よりさつまいもへの理解が深まるものと思います。教えるより自分で気づくこと、そこには探求する心があり、その源は『おもしろがる力』だと考えています。子どもたちには、この『おもしろがる力』をいろいろなところで発揮してもらいたいものですね。

≪いちごで育つ‼元気な子どもたち≫
 先日、スマイルファームでイチゴがたくさん収穫できました。よく洗って、みんなで少しずつ食べてみることにしました。中村さんがたくさんのイチゴを大きなザルにのせて持ってきた時から、子どもたちはワクワク、ソワソワ…匂いをかいだり、いちご狩りの話を興奮して話してくれるお友だちもいて、いちごを食べられる期待ですごく気分が盛り上がっていました。いよいよ、洗ったイチゴがお部屋に到着すると子どもたちは待ちかねたように匂いをかいでいます。そして、ランチで少しずつ分けて、それぞれで味わってみました。配られたイチゴを見つめているお友だち、最後の最後までいとおしそうにとっておき、最後に食べるお友だち、はたまた、最初に食べちゃうお友だち、色んな食べ方があります。
 こんな形でイチゴを皆で楽しむ時間でしたが、おそらく、ご自宅では、もっと有名でおいしいイチゴを召し上がっていることと思いますが、大きいの小さいのある中、みんなで食べたスマイルファームのイチゴ、この味、憶えておいて欲しいですね。
また、あるクラスではイチゴの折り紙を使って、窓ガラスに長い緑のテープを張り、いちごの茎に見立てて、そこにイチゴの折り紙を付け、それを取るイチゴ摘み体験も皆で楽しんでいました。面白いなと思ってふと外の教室の黒板を見ると『いちごで一番甘いところはどこでしょう?』というイチゴに関するクイズも出ています。どれも、子どもたちが育つ環境の一端ですが、イチゴを中心にみんなでイチゴを知って、味わって、楽しんだ…そんなイチゴ体験でした。

≪てんとう虫の観察で育つ‼≫
 屋根上の木の幹に産んだてんとう虫の卵を見つけたお友だちがいました。それだけでも大きな発見ですが、てんとう虫の卵をクラスで飼育し、孵化させました。その孵化した様子をマイクロスコープを近づけてモニターに大きくして映し、みんなで観察してみました。卵からてんとう虫の赤ちゃんが生まれる様子をみて、やがて幼虫になり、成長してさなぎになり、そして、てんとう虫になっていくことを知りました。そんなてんとう虫体験ですが、実際のてんとう虫を観たり、絵本で見たり、動きをモニターでも見たりして、あらゆる角度から一つのものを観察する体験ができ、てんとう虫から始まり虫に対しての理解を深めたものと思います。このように、ふじようちえんの園庭で、自然とのふれあい体験や学びがたくさんできることがうれしいです。この環境の中で、子どもたちが様々な理解を深めたり、虫に興味を持ったり、もっといろんな木々や草花、虫などの特徴を知りたいと思う心が育ってくれたらいいな!と思っています。

≪お部屋案内係が変化して、ゴミの王様・女王様へ‼≫
 4月始めに新入園児さんを迎えた時、年長さんが腕章をつけて新入園児をお部屋まで連れて行くお仕事をしてくれました。みんなとても積極的に手伝ってくれました。
今、約2ヶ月経って、もう案内する必要もなくなり、お手伝いの仕事がなくなっちゃいました。そこで新たなお仕事として「ゴミ拾い」やってくれない?と言ったら、時間を持て余していたこともあり、早速、ゴミを拾い始めました。
 具体的には「園庭のゴミをみんなで見つけて、このくずかごに入れて‼」って伝えたら、みんな一所懸命やってくれています。その時、つい私が「○○ちゃんいっぱい拾ったね。ポイント1だね」、「今日はいっぱい拾ったから1ポイントプラスしてポイント2だね」…と言っていました。そしたら、みんなが「ポイントいくつ貯めればいいの?」って言うので「ポイント100だな」って言いました。ポイント100になったらどうなるか?「100になったらゴミの王様、女王様になれるよ」って言いました。そしたらみんな、またまた意欲的にポイントに向かって頑張り始めました。細かいルールは只今相談中ですが、園内だけではなく、歩道や公園でもごみを拾うとポイントが倍増するように考え、幼い時から、環境や公共性を意識してもらい、ふじようちえんのお友だちが社会から一目置かれる存在になれば…なんて夢を描いています。
 よく考えると、今の子どもたちは「ポイント」という言葉に敏感で、ポイントと聞くと、ポイントを集めるという思考が働き、行動に結びついていくのかもしれませんね。確かに、私たち大人も同じで、ポイントを付けたり、貯めたり、使ったり…結構気にしていて、ポイントを使うときの快感も知っています。ポイント活動だけをフォーカスすると、目の前にぶら下げたニンジンで馬を走らせてるみたいなところがありますが、今の子どもたちには、ご褒美やニンジンよりも「ポイント」この言葉を使っていくと、よく指示が入るみたいですね。ただし、活動の導入部や、始まりの過程で使ってみて、その行動がポイントが付かなくてもできるようになることが理想です。
 今、悩んでいます。ゴミの王様・女王様になった時どんな冠をつければいいんでしょう…?!。まさか、ゴミの冠とはいかないし…また、みんなで考えたいと思います。

園長だより vol . 291 (2025.5.30)