2025年度 2学期終業式 園長だより vol . 298 (2025.12.23)
2025年12月23日 / 園長だより
藤幼稚園のご父母のみなさまへ
師走に入り、慌ただしい毎日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしですか?
この時期、毎年のことですが、つくづく一年の速さを感じています。
今、幼稚園では冬のスッキリした青空のもと、子どもたちは屋根の上を走り回っています。そして、その横では、お正月を迎えるために先生たちがしめ縄を作っています。春の田植え、秋の稲刈り、脱穀、精米を経た中、今度は藁でつくるしめ縄づくりを見学しました。お正月を迎える印として、良いことがいっぱいありますように、との願いを込めて、難しいしめ縄づくりですが、先生たちは子どもたちの前で頑張って作りました。その出来栄えはいろいろ⁉ですが、各クラスに飾ってお正月を迎えます。ちなみに、このしめ飾りは、お正月明けに焚き上げて、土にかえり、また稲を育てる土として循環していきます。日本文化、良くできていて素晴らしいですね。
また、西側園庭には、夏みかんがたくさん実っています。冬に実るのに夏みかん?調べてみると、夏みかんの名前の理由は『本来秋に実が熟しても酸っぱくて食べられず、冬を越して翌年の夏ごろに食べ頃になるからで、収穫時期が夏(初夏)になるため「夏みかん」と名付けられた』とのことです。幼稚園でも1月中旬に収穫して、1ヶ月ぐらいおいて酸味が抜けるのを待って、食してみたいと思います。どうなることやら…酸っぱさも、いい体験なり、夏みかん‼
本日、終業式を行い、2学期を無事終了することが出来ました。これもひとえに、ご家族様のご理解、ご協力のお陰と心より感謝申し上げます。
終業式では、♪もういくつ寝ると、お正月、お正月には凧あげて・・・の“おしょうがつ”をみんなで元気に歌い、私からは、ごあいさつ・お手伝い・交通安全のこと、そして、お年玉をもらうときは必ず両手で受け取り、相手の目を見てしっかりあいさつ「ありがとうございます!!」そして、いただいたお年玉は、誰からいただいたかを言って必ず親に渡すこと。きちんとさせたいお年玉との付き合い方をお話しし、3学期また元気にみんなで会うことを約束しました。お正月楽しんでくださいね。
≪クリスマスフェスタで、育つ子どもたち‼≫
先日は、クリスマスフェスタ‼にたくさんのご家族様にお越しいただき、ありがとうございました。お子様たちの作品や歌に、成長した姿を感じていただけたものと思います。何より、ステージ側からご家族様を見つけた時の笑顔や歌い終わって拍手を受けた時の満足げな顔、ご家族に自分の作品を見てもらった時のうれしく、ちょっぴり照れくさそうな顔…改めて、ご家族の励ましこそが、子どもたちの育ちを力強く支えていることを実感しました。
そして、各クラスでご案内のように、今年の歌発表や作品づくりでは、子どもたちでの話し合いや子ども会議を通じて、子どもたちそれぞれの興味あるもの、やってみたいこと等々を尊重しながら取り組んでまいりました。
これは、子どもたちの生きるこれからの時代は、予測が困難で先行きが不透明な時代であるVUCA時代と言われています。確かに、正解を出す力も当然大切ですが、未来を生きる子どもたちにとって、それ以上に幼児期から身に付けてほしい大切なことを
①エージェンシー(子どもの主体性、好きをとことんする意欲)
②イマジネーション(あそびを想像する力、相手を思いやる力)
③クリエーション(あそびを創り出す力、想像を形にする力)
以上、3つを想定してみて、幼児期からこの力を育てる手段として、クリスマスフェスタというステージで表現してみました。
単的に言えば“子どもの好きを広げる”こと大切にしながら、子どもたちの育ちをこれからも支えていこうと思っています。間違わないで欲しいのは、単に子どもの好き勝手を許したり、放任することを認めているのではなく、子どもたちが興味をもったり、感心を示したこと等々をその子なりに探求していってもらうことがいいのではないか、そのための人的、物的な環境づくりを大切に考えています。
そのような観点から、今、東京都がすすめている“とうきょうすくわくプログラム”は、子どもたちの興味・関心の芽を大きく育てる素晴らしい活動だと思っています。クリスマスフェスタの作品づくりが、2月の劇発表会にもつながっているクラスもあります。お子様の育ちと劇、またまた、お子様の園での育ち、成長をご覧いただければうれしいです。
≪つぶやきを大切にしたサンタクロース‼≫
フェスタでは、みんなが待ってたサンタクロースも来ていただき、子どもたちのX’masへの夢をさらに広げることができました。サンタクロースに感謝です‼
子どもたちには言えませんが、30数年前私がサンタクロースに扮してプレゼントを各クラスに配った時のこと。サンタさんと一緒に記念撮影の場面で、あるお友だちが私の耳元で『サンタさん、本当にいるんだ!?』の一言、そのお友だちのつぶやきは、今でも耳に残っています。このつぶやきを聞いてから、私は、子どもたちのサンタさんへの純粋な思い、夢、憧れ…を強く感じて、子どもたちのサンタさんへの思いを大切にして、サンタクロースと子どもたちとの出会いの場面を大切にしています。多分、その思いはいつの日か現実を知るようになりますが、幼児期でなくては得られない大切なことをいっぱい感じてほしいと思っています。そんな中での大切なサンタさんからのプレゼント、子どもたちが書いたサンタさんへお願いのお手紙、どうぞご参考にしていただければ幸いです。Merry Merry X’mas!!
≪実体験を通して、ふじようちえんの食育‼≫
先日、給食メニューは“大根ごはん”でした。薄いしょうゆ味のごはん中にサイコロ状の大根が入っていていい味で、さらに“おこげ”もあったりして、とても美味しくいただきました。ご自宅では中々つくらないお料理かもしれませんね。
先日の大根掘りのあと、子どもたちに『大根食べた人‼』と聞いたら、みんなが元気よく手をあげてくれました。『どうやって、食べたの?』と聞くと、『大根サラダ‼』『おでん』『大根おろし‼』『葉っぱも食べたよ‼』…等々、お家でたくさんのお料理をしていただいた様子が想像できて、大根もさぞうれしがっていることと思います。
秋のさつまいも掘りでもたくさんの収穫がありました。さつまいもも同じように聞いてみたら、『やきいも‼』『天ぷら‼』…という返事があったことを思い出しました。子どもたちが持ち帰ったさつまいもで、多くのご家族様の食卓での笑顔が想像でき、心からうれしくなったことを思い出しました。ありがとうございました。
そして、今、たくさん収穫できたさつまいもは、蒸かしたり、ハヤシライスに入れたり、給食のメニューとして食しています。豊作だった大根は、例年のように正門横やキッズテラスの軒に吊るして、干しています。実はこの風景を演出しているのは、この地域の昔の風景をお友だち、ご家族様に伝えるためで、かつて、この地域は都市近郊の畑が広がる農村地帯、ベッドタウン化で住宅が増え、人口も増加した地域です。例え、今後、お引っ越しがあり、わずかな時間であっても子どもたちが育つこの地域がみんなの故郷になり、今までの地域の歴史や空気感を伝えられたらという思いで行っています。
当然、干した大根は、漬物(無添加たくわん)にして、美味しくいただきます。
このように、スマイルファームで、大根を抜いて、運んで、持ち帰る、そして、お家で美味しく、食べてみんなで笑顔になる。こんな実体験を通しての食とのつながりを感じて学び、育つことが、ふじようちえんの食育です。
本年も、大変お世話になりありがとうございました。来る年が、皆様にとってさらなる良い年となりますように…お祈り申し上げます。
2025年度 2学期終業式 園長だより vol . 298 (2025.12.23)