2013.3月1日 園長だより
2013年03月01日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
♪あかりを点けましょぼんぼりに~、お花をあげましょ桃の花…子どもたちの元気な歌声に春が近づいて来た感じがします。園庭をよく見ると、木の芽や花のつぼみも膨らんで来ています。暖かい春はもうすぐですね。皆様、いかがお過ごしですか?
先日の劇発表会、多くのご家族様にお越し頂きましてありがとうございました。
子どもたちは、劇をやり終えた達成感、満足感を味わい、今、それが自信となり、いよいよ進級、卒園の時期を迎えています。劇練習の時には少々不安もあったと言うクラスも、本番に強いと言うか?どのクラスもみんなすばらしい演技と歌発表をしてくれました。正直、感動しました。合わせて、お子様を見つめるご家族様の姿、暖かい眼差しに、とてもあったかい気持ちになりました。本当に、ありがとうございました。
≪ひな祭り≫
大安吉日に、お雛様を飾りました。ふじようちえん開園から飾り続けて、42回目のひな祭りです。お内裏様、お雛様、三人官女、五人囃子…みんな笑顔で勢ぞろいです。今までずっと健やかな子どもたちの育ちを見つめ続けて頂いています。感謝。
ひな祭りは、女の子の成長を祝うお祭りです。ご存知の方も多いと思いますが、ひな壇の飾り物、脇役とも言うべき菱餅、その形には、子孫繁栄、長寿の力があるとされる「菱(ひし)の実」の形から来ているという説や人の心臓を形どっていると言う説、様々です。色は三色、下から緑(よもぎ・厄除け)、白(菱の実・子孫繁栄)、赤(クチナシ・厄除け)の順に積まれ、健やかな成長を願う親の思いが込められています。また、三色には、雪の下(白)から芽吹く新緑(緑)に桃の花(赤)という日本人の豊かな色彩感覚で春の情景を表しているとのことです。日本文化ですね。
幼稚園でも、大切に受け継がれてきた日本文化を“雛あられ”にして味わっています。幼稚園のお雛様たちと一緒に…。
≪ココアとやる気≫
春の訪れを“水ぬるむ季節”と言いますが、まだまだ水は冷たく、手が痛くなる程です。しかし、子どもたちにはすでに春が来ているのでしょうか?東側園庭にある井戸の周りに子どもたちが大勢集まり、井戸水を汲み上げ、貯めて、土を入れ、大きな池に茶色い水を作り、忙しそうにかき混ぜています。聞いてみるとココアドリンクを作っているとのこと、まったく、子どもたちは遊びを作りだす天才ですね。そんな思いを言葉にして『わぁ~美味しそうなココアだなぁ、園長先生ものんでみたいなぁ~』と言い、ひしゃくで飲んでみる振りをしてみました。『わぁ~、美味しい!!』の声に、子どもたちは満面の笑みになり、益々勢いよくココアをかき混ぜ始めました。
他愛も無い子どもたちとのやり取りだと思いますが、その根底には、遊びに秘められた大切なものが流れていると思っています。
泥水作りみたいな、楽しく、好きなことをやるとワクワクし、やる気が出て来ます。次に、その泥水からココアドリンクをイメージしました。つまり、明確にその到達点を持ったのです。目標を持つとやる気が出て来ます。最後に、私が『美味しい!!』と言ったことで、ほめられ、認められ、うれしくなりました。このうれしさでやる気が出て来ます。子どもも大人も欠点を指摘されても、中々直すことが出来ませんよね。
むしろ、やる気を持ってもらえるように、認めること、ほめること…いや、むしろ、FBの『いいね』の感じでしょうか?大事にして行きたいと思いました。
幼稚園でも、そういう文化、風土、空気づくりを心がけようと思います。
泥水からやる気スイッチまで、話が飛び過ぎですかね!?
≪小学校訪問≫
先日、年長組のお友だちは、いつもお世話になっている近くの9小と大山へ小学校訪問をさせて頂きました。みんなワクワク、ドキドキでした。
9小では、入学すると最上級生が新入学児童の面倒をみる役目になっているのです。だから、今度6年生になる今の5年生が対応をして下さいました。新一年生の入学時の不安を少しでも無くし、安心して小学校に来てもらえるように考えてくれたのです。確かに一緒に遊んで楽しく過ごすと顔見知りのお兄さん、お姉さんづくりに役立ちます。小学校側の新しい児童を迎える心配りに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
交流会は、小学生側の代表挨拶から始まり、ジャンケン列車等の小学生とのふれあい遊びをしました。最後には、“チームワーク賞”をそれぞれ首に掛けてもらい、さらに仲良くなりました。年が上の者にいろいろ教えてもらったり、上の人のやっていることを真似てみたり、話してみたり…そんなわずかなところから小学校生活の第一歩が始まるのですね。5年生の皆さん、これからもよろしくね!!
年長組さんは、限られた時間でしたが、これから行く小学校を体験して、それぞれに見通しをつけられ、夢を膨らませていることでしょう。私たち大人も、まったく初めてのことより、一回体験したものは何か安心なものですよね。子どもも同じです。よく会議等々で幼小連携…と言っていますが、そんな大上段に構えなくても、各小学校への訪問は大変有意義な時間となっています。ご協力、ありがとうございました。
≪永遠のふじようちえん≫
友人に勧められて読んだ本に『永遠の0(ゼロ)』百田尚樹著があります。2006年の初版ですから、すでに読まれて古いよ!!と言われてしまうかも知れませんね。文庫で読みました。最初、なんの話かな?と題名から想像できませんでしたが、太平洋戦争でのゼロ戦パイロットの妻との約束と歴史の現実…をその孫が紐解いていく内容だったのです。戦争物はほとんど読んだことがないのですが、話の展開にグングン引き込まれました。号泣です。また、歴史的にとても勉強になりました。
ここでお話したいことは、この本を読み終えた直後に甥の結婚式に参加しました。神父様の『愛は永遠です…』のお言葉、そして、『指輪の交換、リングは永遠を意味します』と話されました。そう言えば、『永遠の0』の0は、ゼロ戦を言い、0も形は確かにリングだな!?と思いつつ、思い出すストーリーも愛が貫かれているし…そういうことを作者は伝えたかったのかなぁ~と感心していました。ちょっと待って!! 今までそんな見方をしたこと無かったけど、ふじようちえんも0(ゼロ)の形だ!! 今まで楕円形としてしか見ていなかったし、端がないから追いかけっこは永遠に続く…なんてお話してきました。そうか、ふじようちえんの楕円形園舎は、永遠の形でもある0も意味している!? 子どもたちが永遠に育ち続けて行くところなんだ!! と勝手に話をまとめていました。こんな見方、ありですかね?著者の百田さん!?
ふじようちえんがいつまでも、子どもたちの育ちのお手伝いを続けられますように教職員一同、まだまだ力不足のところを勉強し、鍛えながら、この永遠に挑戦して行きたいと思います。ちなみに、『永遠の0』は、映画化され年末公開予定です。
園長だより vol.120 (2013.3.1)