ふじようちえん

2014年4月8日 園長だより

2014年04月08日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ
 
ご入園、ご進級、おめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。

 今、桜が満開になり、街中至る所をさくら色にするほど咲き誇っています。まるで、子どもたちやご家族様のこれからの新たな出会いを一緒に喜んでいてくれているかのようです。園庭では、まもなく、しだれ桜、八重桜・・・が順番に咲き、やがて、けやきの若葉等々、新緑が日ざしにまぶしく映る季節になって行きます。子どもたちが様々なことや人と出会いで成長していく姿とどこか似ているように感じました。
 新年度を迎え、私ども教職員一同、力を合わせてお子様の育ちのお手伝いに頑張って参ります。皆様、本年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日、新入園児と進級してお兄さん、お姉さんになったお友だちが一同になり始業式を行いました。新たな子どもたちの育つ時間の始まりです。
 始業式では、入園式でもお話させて頂きました“ごあいさつ、お返事、ありがとう”をいつも忘れないで言いましょう。もちろん、お家でもしましょう!!と話しました。幼稚園よりもお家で過ごす時間の方が圧倒的に多いのですから、お家でもご指導の程、よろしくお願い致します。
 また、幼稚園で毎日楽しく過ごしてもらいたい、もっと言えば、もう、来たくて、来たくてしょうがない所が幼稚園であり、そのぐらい幼稚園を好きになってほしいと思っています。そこで“幼稚園探検”をして、好きな遊び、好きな場所、好きな先生やお友だち、花や木、動物、虫・・・何でもいいから、好きなものを見つけてみましょう!!と話しました。“好き”とか、“いいな”と感じることこそ育ちの入口だと思います。子どもたちは、様々な環境や状況と出会い、そこで興味が引き出され、多くの体験をして育っていきます。只、この時、私たち大人にとって大切なことは、子どもの自ら育つ力を信じてあげること、待つこと、見守ること、決して大人のものさしで興味を押しつけないこと、そして、子ども自ら見つけた何かを尊重してあげること、例えば、どこかで拾って来た葉っぱを汚いものとして非難しないこと等です。つまり、あれこれ言って子どもの“好き”の世界にあまり立ち入らないほうがいいようです。
 特に新入園児の皆さんにとっては、好きな何か(場所や遊び、先生や動物、虫、花、宝石、遊具・・・)に出会うことこそ、それまで幼稚園は好きだけど・・・何か漠然と抱いていた不安な気持ちを払しょくする大きな力になります。
 実際、幼稚園で好きな何かが見つかると・・・それまで正門の所で、泣いたり、もじもじして、親と離れられなかったお友だちも、逆に、送って来た親の方も振り返らず、一目散にお部屋に向かって走り出すのです。結果的に、これが親離れにつながり、自立への第一歩になっています。
 ただ、親としては、幼稚園の正門やバス乗車でお子様と離れるタイミングは、いつの時代も、誰でも、中々難しいものですよね。確かに、親にとっては多少の辛さ、寂しさ、心配する気持ちはありますし、あるのが当然ですが、子どもの自立のためと思い、スパッと分かれた方が、経験値から言って、子どもたちは早く幼稚園に馴染み、幼稚園での集団生活のペースも掴みやすいように感じます。逆に、離れている方が、親子の信頼関係もいつも一緒に居た今までよりも深まるものと思います。よく考えてみると、この目に見えない親子の信頼関係の形も子どもの育ちと共にギアチェンジの時期を迎えているようです。そして、これこそが、“親も子も育つ”この季節ならではの特徴なのかも知れませんね。

 本年もまた日常の中で感じることを中心にお伝えして行こうと思います。誠に、駄文で恐縮ですがお付き合いの程、どうぞよろしくお願い致します。

園長だより vol .136 (2014.4.8)