2013年7月18日 一学期終業式園長だより
2013年07月18日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
暑中お見舞い申し上げます。連日の厳しい暑さ、皆様いかがお過ごしでしょうか?
本日、終業式を行い、1学期を無事に終えることが出来ました。これも、ご家族様のご理解、ご協力があればこそのものと感謝申し上げます。ありがとうございました。
それにしても、ついこの前、入園したばかりと思っていたのに…時の流れは早いものですね。いよいよ夏休みになりました。とは言うものの、夏休みでも、プールやディキャンプ、預かり保育に園庭開放、夏祭り…ほとんど休むことなく幼稚園は夏も活動しています。どうぞ、夏のふじようちえん楽しんで下さいね。
終業式の中で、夏休みについて3つのことをお話させて頂きました。ご参考までに。
一つ目は、早寝、早起きをして、規則正しい生活をしましょう。
二つ目は、いつでも忘れず、ごあいさつをしましょう。
三つ目は、何か一つでいいからお家のお手伝いをしましょう。
この3つ全部出来れば、スーパーふじようちえん園児!! になれます。2学期には、みんなで、スーパーふじようちえん園児になって、元気な笑顔で会いましょう!!
というお話をしました。夏休み、何かの折に触れてご家庭でも活用頂ければ幸いです。
長いお休みだからこそ、日常の姿勢を正し、生活のリズムを整えることが、物事を正面からみる姿勢になり、やがて、その姿勢が考え方のくせ付け、心のくせ付け、積極的な考え方…等々に繋がって行くものと信じています。幼児期、大人は、出来るだけ否定的な言葉や態度は、発せず、見せずの方が子どもはよく育つようです。本当に、子どもって、親の言うことは聞かないけど、することは真似しますからね。
≪さわって育つ!!≫
園長席の前で飼っているカブトムシ、クワガタの入っているケースをのぞき込み、その目をキラキラさせているお友だち、木のたらいで飼っている沢ガニをおっかなびっくり捕まえて、“ぼく、持てるんだよ”と言わんばかりに誇らしげに見せるお友だち、スマイルファームで採れた夏野菜、きゅうり、なす、オクラ、ズッキーニ…を手にしてその重さや感触を感じているお友だち、まさに夏に育つ子どもたちですね。
特に、虫や野菜と触れ合う機会が増える夏、実際にさわってみてその感触を経験するチャンスです。約20年前、初めてシアトルのチルドレンズミュージアムに行った時、すべての展示物がさわれたり、着たり、体験出来たりと、当時の日本にはない場面に出会いました。聞くと、その根底に流れる考えは、“Hands on 手にしてみる”まぁ、さわって感じると言うものでした。なるほど、子どもの時の経験は、抽象的な概念や考えではなく、具体的なものを実感することから多くのことを得るものです。
最近は、物事との最初の出会いがiPadと言う時代です。名前や特徴を調べ、知ることもいいのですが、実際に触れてみて、感じ、幼児期に獲得すべき大事な皮膚感覚を育てたいと考えています。そんな思いのもと、出来るだけ子どもたちが、様々なものにさわれるような環境作りを心掛けています。
どうぞ、楽しく過ごす夏休み、たくさんの実感を体験させてあげて下さい。その実感がやがて、自ら興味を持ち、すすんで調べたり探したり、やがて、いつの間にか学びの姿勢が身についていたということに繋がって行くと思います。
二学期、身も心も大きく成長した姿を見せてくれることを期待しています。
≪カメが卵を≫
幼稚園には、ロシア陸ガメが2匹います。約15年前のわが家のクリスマスプレゼントとして購入し飼育していました。とてもかわいく、おとなしいし、ウサギもいましたので、“ウサギとカメ”のお話をするのにもちょうど良いと思い、園に連れて来ましたが、小さいお友だちにも大変人気の仲間になっています。
先日、そのロシア陸ガメが、卵を産んでいました。突然のことで、分からずペットショップにも聞いて、今の季節なら常温で卵からかえるとのご指導を頂き、静かに見守ることにしました。しかし、相手は動物、思うようにはいきません。一昨日、気が付くと卵がありません。よくよく見ると、どうやら親ガメが食べてしまったようでした。東先生のようちえんブログで卵だけでもご覧いただけたらと思います。
まぁ、亀が卵を産んだり、西側園庭のプルーンが異常な数、実をつけたり…近年に例をみない暑さがやって来ている仕業なのでしょうか?
とにかく、皆様、お体ご自愛下さいね。
ちなみに、ウサギとカメのお話、ご案内の内容なのですが、大人の方に伝える時、私はこう言っています。あの競争の本当の意味するところは…ウサギは競争相手のカメばかり見ていたのですが、亀は、常にゴールを見ていたのでした。だから、あのような結果になったのです。人生、肝心なのは、他人と比べることばかりしている(ウサギ)のではなく、本当に大切なことは、自分のめざす目標を見据えた中で日々を送ること(カメ)の大切さを伝えているのですよ…なんてことを言っています。深読みすぎるかも?しれませんが、ご参考までに。
≪絵本で育つ、親も子も≫
絵本をテーマにした心温まる映画が話題を呼んでいます。俳優の大地康雄さんが自ら企画した作品です。絵本の里づくりを進める北海道剣淵(けんぶち)町の取り組みを「殺伐とした今の世の中に、人としての基本中の基本を伝えたかった」との思いのもと制作されたとのことです。
主人公は大地さん演じる大道芸人の銀三郎。幼なじみの農場を手伝いに剣淵町に来ていた銀三郎は、農業研修に来ていた都会の女子高生たちに出合う。この町の『絵本の里づくり』に触れた銀三郎は、別れた娘が小さかったころ、絵本を読み聞かせていたことを思い出す…と言うお話。大地さんは、絵本が子どもの心をとりこにする凄さ、絵本に出会った子どもたちの輝く瞳に、この国の未来を感じたのでした。そして、人として生きて行く基本の感性や考え方が絵本で育まれることも肌で感じたそうです。
夏休みに絵本を親子で読んでみましょう。そこには宝物が埋まっていると思います。
ちなみに、【絵本の里大賞】の情報がありましたので、ご案内させて頂きます。
絵本で村おこしをする、剣淵町という北海道の小さな村があります。絵本によって親子の絆を深めてもらい、故郷の思い出と記憶を童心に植え付ける素晴らしい活動です。
基幹施設である「絵本の館(絵本図書館)」と並んで、絵本の里を牽引するイベントが「けんぶち絵本の里大賞」です。以下の要綱で選出されます。
1. 絵本の館来館者に一人一日一回の投票権が与えられる。記名投票
2. 投票期間は毎年8月9月の2カ月。人口3500人の村で2000人以上が投票する。子供の投票率は非常に高いそうです。
3. 前年に出版された絵本が対象。著者、出版社に参加登録頂き、2冊送ってもらう。
4. 投票者プレゼント・・・大賞に選ばれた作品を抽選で50名にプレゼント。
5. 大賞の賞金は50万円+剣淵町の農産物50万円分。その他に4作品を選出。
6. 授賞式は極寒の2月に実施。その授賞式を核にその後1か月間絵本まつりを開催。
1991年の開館初年度からスタートしています。応募対象となる絵本の内容について一言だけ条件が付けられています。それは「心あたたまる絵本」とのことです。
暑い中で、忙しいし、疲れているから…大変だと思いますが、親子一緒の時間がとれる夏休み、親子で絵本を読んでみましょう。絵本の力で子どもの育ちを後押しでき、子どもの育ちを実感できますよ!! お父さん!! お母さん!!
きっと、親子の絆が深まり、いい時間が過ごせると思います。よき、夏休みを!!
平成25年度一学期終業式園長だより vol.126(2013.7.18)