ふじようちえん

園長だより vol . 203 (2019.3.1)

2019年03月01日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

ご近所の庭先に梅の花を見つけました。まだまだ冷たい空気の中で、梅の花が凛として咲いている姿は、春に向かう力強さを感じて気持ちがいいものですね。まだまだ、気温が低いですが、花が咲き始めると、春の到来を感じ、何かホッとさせてくれます。
先日、なすび保育園で飾るお雛様を選びにお店に行ってみました。段飾りやケース飾り等々、いろいろなお雛様を案内され、生まれて初めていくつものお雛様のお顔をまじまじと見させて頂きました。それぞれにきれいなお顔、気品があり、性格も穏やかそうで、お子様、お孫様の健やかな成長を願うご家族みんなの思いに応えるような厳かさがありました。お雛様に託すお子様への愛情を、強く、強く感じました。
 幼稚園でも、7段飾りのお雛様を玄関に飾り、子どもたちの健やかな成長を願っています。これも幼稚園からの48年間続いている愛ですね。

晴れた日の午後、子どもたちは園庭の真ん中でお相撲を取っています。クラス対抗らしく盛り上がっていて、お山座りで順番待ちしている子どもたちは大声援を送っています。同じくらいの体格で、本当に勝負が付かない好勝負が続いています。そして、少しづつお相撲のルール、勝ち負けが分かってくると、負けて泣く子、悔しくてもう一回‼と言う子、もちろん勝って満足げな顔をしている子も…相撲で知る勝ち負け体験、という時間になっていました。これから育って行く中で、勝負体験を活かして、勝ちにこだわる姿勢も大事なことですね。

皆様、いかがお過ごしですか?風邪やインフルエンザが一段落と思いきや、春の温かさとともに、花粉情報も増えて来ました。またまた、うがいとマスクの登場ですね。
季節の変わり目、どうぞご自愛下さいませ。

 先日の劇発表会、お忙しい中、多くの皆様にお越し頂き、ありがとうございました。親として、ご家族としてお子様の成長をそれぞれに確認する時間となったことと思います。そして、子どもの育ちに親が出来る事の一端もご理解頂けた?かとも思います。“演じるのは子ども、親は見守ってあげることしかできない”とお伝えしてきましたが、劇発表会の会場に代表されるように、親と子の距離やその関係は、これから子どもが成長して行く様々な場面でも、基本的に同じではないかと思います。
そんな思いを心の片隅において、親をやって頂けたら、子どもがより素晴らしく育つような気がしています。でも、ついつい口出し手出し…親になるのも大変ですね。

≪臨時版 震災状況連絡の園長だより(2011.3.14)より≫

東日本大震災発生から間もなく8年、犠牲になられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、この災害を自分事として、万が一の時の参考にするために当時の臨時版・園長だよりを記します。

3月11日(金)、午後2時46分、今まで体験したことのない大きな揺れの地震でした。2番バスを待つ子どもたちやヴァンテージ、ラパン等々の子どもたち、そして親、先生等、合計約300人以上が幼稚園内にいました。地震発生、避難訓練通り、放送で机の下に避難することを指示、子どもたちは一人も騒いだり、泣いたりすることもなく、園庭中央に防災頭巾を付けて集まり、安全を第一にしゃがんで待機していました。その後、大きな余震も数回ありましたが、本当に動揺、混乱もなく冷静に対応して、避難訓練通りよくできました。“おかしもな”(おさない、かけない、しゃべらない、もどらない、なかない)花〇です!!
そして、ラジオ、テレビの情報によると大地震発生とのこと、何が起こるか分からない中、子どもたちの安全を第一に、2番バスの運行を中止し、ご家族様にお迎え頂くことにして一斉メール、HPのブログ等で連絡しました。
やがて、ご父母、ご家族様にも引き渡し訓練通り、お子様をお引き取り頂き、幼稚園は夜9時、スマイルエッグスは翌朝8時半に最終の方がお越しになり無事完了しました。お仕事やご用事で遠くに行かれ、電車も動かないし、大渋滞の中を皆さんなんとか幼稚園まで来て頂きました。多くの皆様のご協力に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。そして、大変、お疲れ様でした。
ちなみに、教職員は、引き渡し完了後、車、自転車、で方面別に乗り合いにて帰路につきました。大渋滞で、いつもより相当時間がかかった先生もいたということです。
それにしても、万が一の時の対応を迫られた地震発生からの時間でした。

私たちは、何時になっても、例え宿泊になっても子どもたちと一緒に待っています。実際、スマイルエッグスでは、宿泊し、朝のお迎えになったお子様もいました。
ご父母様をお待ちするのが、私どもの役目。もともと、私どもの仕事の99.9%は、お預かりした命をしっかりとご家族のもとにお返しすることが一番の仕事であり、すべてだと思っています。

翌日、幼稚園に『先生、あの一言、本当に安心しました』と言う感謝の言葉を頂きました。それは、避難状況を伝えているメールの中にあった『泣いている子は、一人もいません』の一言でした。お母様は、お子様が地震で動揺して泣いているのではないかとご心配なされていたようです。『あの一言で安心しました』逆にこの一言に私も勇気づけられ、うれしさが込み上げてきました。
ひと言の価値、こんな時だからこそ、〈心から安心できる言葉〉をいっぱい使って行きたいものですね。

地震発生時、幼稚園では、藤の会本部役員、卒園担当チームの皆様により、翌日の『おめでとうの会』準備が行われていました。時間がたつにつれ大地震の状況、津波の被害等々が知らされ、一同愕然としました。でも、とにかく安全第一という観点から、地震の翌日にあたり、余震も心配されること、こういう状況で多くの人が集まる場を作った時、もしまた大きな地震がきたら、はたしてどんなふうに対応出来るのか?ケガや混乱を避けられるのか?
そして、各ご家庭には、まだご家族が帰宅出来ない人も多くいました。さらに、被災された方々、ご家族を亡くされた方々のご心情をお察しすると、この時にお祝い事…社会的にも、人間的にも中々開催すると言う決断が出来ませんでした。申し訳ないですが、中止とさせて頂きました。以上が、地震発生時から翌日にかけての内容です。ご承知おき頂ければ幸いです。

いついかなる時に、何があるかわからない昨今の状況です。もし万が一の時には、私たちは、安全第一で、命を守る行動をすることが震災で学んだことであり、まだまだ生きたかった多くの御霊に報いるただ一つの方法であると思っています。合掌。

園長だより vol . 203 (2019.3.1)