ふじようちえん

2007.12.21

2007年12月21日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

♪もう~いくつ寝ると、お正月、お正月には・・・の歌声に一段と年末を感じています。一年の過ぎる早さを毎年のように思う年の瀬です。皆様、いかがお過ごしですか?
風邪やインフルエンザ、はたまたノロウィルスと次々に流行の兆しが見られます。手洗い、うがいを充分され、ご家族みんなで元気に楽しい年末、年始を過ごされますようお祈り申し上げます。

さて、運動会やX’masフェスタをはじめ、さつまいも・大根掘り等の農作業から、お餅つき大会にわたり、盛り沢山の行事やイベントがあった2学期も本日、無事終了することができました。
これもひとえに、ご協力、ご参加頂きましたご父母様、ご家族様のお陰と改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。特に、藤の会さんよりプレゼントして頂きましたFujiのロゴ入り手袋、本当に暖かくて心もあったかくなりました。(嬉しくて、他園の先生方に自慢しちゃいました。)

子どもたちは、この2学期を通じて、よりしっかりとして来たようです。例えば、行事の練習の時には、自分の事、やりたい事等の自分の意志を先生や友だちに伝えられるようになったり、大根掘りの畑でお友だちのことを手伝ったり、心配してみたりと周りの状況も把握し、思いやりが育ったり、作品づくりで集中と創造の時間に触れることが出来たものと思います。
子ども自らがそれぞれに自らを育んできた2学期だったようです。
そして、さらにこの時期、X’masでイエス・キリスト、大晦日にお寺で除夜の鐘、そして初詣で神社へとめまぐるしく変わるとても日本らしい?行事を体験し、いい意味でより変化に対応できる人へと成長して行くようです。
ちなみに、本来、365日、毎日神社に詣でることが正式なところ、3元日神社にお参りに行くことで、残り362日を行ったことにしてもらうという、とても便利で生産性の高い慣わしと聞いたことがあります。さらに、ほんのわずかなお賽銭で多くの頼みごとをしてしまう、言い換えれば、小さな努力で大きな成果を出すこと、まさにそのものです。でも、その分、しっかりお年玉で出て行きますが・・・こんなとこでバランスが合っているのかもしれませんね。
年末ジャンボ宝くじに期待をかけている園長先生です。(お正月の福袋も大好きです。)

≪年賀状と年末状≫
 年賀状を書かなくちゃ、書かなくてちゃ、11月の年賀状発売日から気にしていたわりには、まだ書き始めていません。パソコンで作ったものがどうしても多くなりがちですが、何とか一言でも年始のご挨拶ができればと思いコメントだけは付け加えるように心がけています。だから、遅いんですかね?この調子だと多分、ゆったりするはずのお正月なのに、また元日の夜まで・・・早く準備しましょ!!
 さて、皆様、『暮れましてありがとうございます』という“年末状”というものをご存知ですか?せっかく、費用をかけて贈るのですから目立って、読んでもらったほうが良いという観点から、まぁ、ビジネスの世界で始まったもののようです。私も3年ぐらい前に、この年末状を頂いたことがあります。変わった人だなぁ~と言う思い出がありますが、今、結構この年末状を出す人が増えていると聞きました。文面は、『暮れましてありがとうございます。お陰様で、今年も年の瀬を迎えようとしています。本当にありがとうございます。来る年もどうぞよろしくお願い致します。』という内容です。ついつい形式的になりがちな年賀状よりも、心に伝わるものがありました。
年賀状の定型文ではないものの、何か本当の心、人を感じられたものでした。自分の年賀状も、そこに人を感じられるかどうか?今一度、見つめ直してみようと思いました。
年末状、とても面白いアイデアですよね。ちなみに最近は、忘年会が望年会となっているそうです。

≪“How to”よりも“To do”で育ち、生きる≫
 最近、話題になった本で東京のレストランのランクづけした“ミシュランガイド”があります。
先日、たまたま、私のいとこのご主人がフランスの方で、久しぶりにお会いする機会がありました。その折に聞いた話です。もともとミシュランという会社は、タイヤ屋さんから始まり、車の発達と共に大きく成長してきた企業です。かなり昔、フランスではすでに車で旅する時代を迎えてはいたものの、道路もまだ整備されてない時代で、タイヤのパンクは付いてまわる問題でした。車で旅する人が、パンク修理を町工場でしてもらうことがよくありました。お客様は、修理を待っている間、時間を持て余していました。そこで、ミシュランが各町で食事ができるところを案内し始めたそうです。それがミシュランガイドの始まりと聞きました。そして、今日、世界各国のレストランを網羅し、超グルメの方々のマニュアルのようなあの本になっていると言うことです。
 TV、雑誌、誰かに、『あの店は美味しいよ』と言われると一回は行ってみたくなりますが、星が付くお店は、普段の食事とあまりにもかけ離れ、中々あのようなお店には縁がないというところが私の本音ですね。(いつか行ってみたい・・・です。)
B級、C級、D、E…を自認し、ガイドが無くちゃ食べられないような食事をしてない私とすれば、『食べることぐらい自分で決めろよ!!』とあまのじゃくな立場に立ちたくなっちゃうのです。
なぜかと言えば、この世の中このミシュランガイドに代表される、ガイド、インフォメーション、How toもの、マニュアル、説明書…ばかり。私も、その昔、雑誌に載っているお店で、載っている料理を食べて嬉しかったことも正直あります。でも、今日の情報時代、なんでもガイドがあり、なんでも失敗しないHow toあり、何から何まで行き届いた状態です。また、その状態を提供することがサービスなのかもしれませんが、人間がやること、そんなに他人に決められたことを追確認して楽しいの?感動するの?(…と思いつつ、ガイドを見ただけで行ったつもりになっています。)そうこうしている内に、食べる所どころか、あらゆるものを自分では決めることが出来ない人間を大量に作り出していることに気が付きませんかね?
子育ても同じことが言えそうです。例えば、子どもがあるパズルを教具棚から持ってきて始めようとするその瞬間というのは、子ども自身が、自らを育てようとしている場面だと思っています。でも、その時、親がついついアドバイスしてしまい、結局、お母さんの指示のもとにそのパズルが完成されていく・・・なんてこと、思い当たりません?
転ばぬ先の杖を立派にするだけ立派にして、その杖が大きすぎて子どもの周りを取り囲み、一歩も前へ進めないのが今の子どもが置かれている状況だと思います。どのようにしたら失敗しないかのHow toで育って生きるより、何がしたいの?何が好きなの?自分の好きなことは何なの?の“To Do”で生きてほしいと思っています。
自分の好きなことを見つけたり、好きなことに出会ってもらえるようなふじようちえんでいたいと思っています。
本年も大変お世話になりました。子どもたちのより良い育ちのために、来年も教職員みんなで力を合わせて一所懸命頑張って行きます。どうぞ、よろしくお願い致します。
来るべき年が、皆々様にとって素晴らしい年となりますようお祈りしております。良いお年を!!
                        園長だより vol . 56 (2007.12.21)