ふじようちえん

2013年9月2日 園長だより

2013年09月02日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ
 
 9月になりました。皆様、いかがお過ごしですか?
この夏は、朝、その太陽の眩しさと刺すような日差しの強さに『また今日も暑くなるのか!!』と何度もため息ともつかぬ思いを持った方も多かったのではないでしょうか?それだけ、暑い、暑い夏でした。部屋でも、車でも、頭では省エネと思いながら、情けないですが、手は動いてリモコンに触れ、ついつい温度を下げ、思わず目盛りを18℃強風に設定していたり…こんな感じの日々をおくった私の夏でした。
 まだまだ暑い中ですが、季節の変わり目を迎え、お体、ご自愛下さいませ。

 さて、夏休み、ご家族様で海へ、山へ、ご実家や田舎に…いろんな所に出かけ、様々な体験をして、楽しい思い出がいっぱい出来たことと思います。夏休みのお話を聞くのが本当に楽しみですし、成長したお友だちと会うのが心から嬉しいです。
 幼稚園では、夏休み中、園庭の芝や草をわざと刈らず自然に伸ばしておきました。最近ではあまり体験出来ない“原っぱ体験”をしてもらおうと考えたからです。子どもたちの背丈程伸びた草の中をバッタでも探しているのでしょうか?ゆっくり、ゆっくりと草の中をのぞきながら歩いています。一見、バッタを探しているだけのことなのですが、そこには、ただ走ったり、跳んだりするような活発に動くだけの運動能力から、自ら体の動きを制御することを要する静的な運動能力も育っていることがうかがえました。本当の運動能力は、なんでも制御する中に育つような気がしますね。このように夏休み中の体験を通じて、子どもたちはさらにいろいろなことが出来るようになっているものと想像します。二学期は、運動会にクリスマスフェスタ、おもちつきにお芋掘り…言わば、動的、静的な動きを求め、子どもの秘めたるパワーを引き出すような行事や自然や文化・伝統等々にふれるような催しもたくさんあります。
 子どもが育つ秋、子どもたちの育ちを見守って行きましょう。

≪認めて育つ≫
 夏休み直前の終業式で子どもたちと夏休み中のお約束をしました。それは、早寝・早起き、ごあいさつ、お手伝いをして下さいと言うものでした。多分、みんなそれなりにやって頂けた?ものと思います。
 ある日『くつをあらう おてつだいをしました。あさ6じにおきています』という途中報告とも言うべき、心温まるお手紙を頂きました。お約束を憶えていてくれて、それを毎日しっかりと行っている様子にそのお友だちの成長と正しい生活習慣が出来つつあることが想像され、心から嬉しく思いました。そして、後日そのお友だちに会った時、耳元で『お手紙、ありがとう』とささやくように言うと、目に力が増し、表情がキラキラ輝くように変化し、一段と自信を持ったような感じがしました。
 いいことをした時、純粋にそれを認めてあげること、一言掛けてあげることで子どもたちは、私たち大人が想像する以上の自信が付くものです。そして、その自信がもっと良くなろうと言う意欲に繋がり、いいことを続けるようになると思います。
 ついつい、親と言うものは子どもに良くなって欲しいと思うばかりに、子どもの良くないことに目が行きがちになり、注意、注意、警告…という欠点指摘型なるものですよね、また、それが親と言うものかも知れませんが、ちょっとしたことでもいいですから、一日一回、子どもを認めてあげましょう。言わば、長所伸展型です。
一枚の夏のお手紙から思ったことでした。
≪公開モンテッソーリ研修会≫
 先日開催させて頂きました“公開モンテッソーリ研修会”には、ご父母様はもとより、全国からも多数お越しになって頂き、約150名余りものご参加者の中、大変有意義な研修が出来ました。心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
 今、ふじようちえんは開園43年目ですが、モンテッソーリ教育は開園の一年後から取り入れました。当時の森豊三郎園長先生は、小学校の校長先生のご経歴があり、子どもへの教育には長年の経験と深い理解を示されていた方です。その先生が定年退職でふじようちえんの園長先生になられ、幼児教育に出会い、特に当時、日本の教育界に紹介され始め、まだまだ認識も何も無いモンテッソーリ教育との出会いは衝撃的だったと言います。実は、その森先生、園長をしながら、63才で上智大学に入学されました。時間的に無駄になるので泊まりがけでの受講も頻繁にあった通学と聞いています。やがて、卒業され、一段とモンテッソーリ教育への取り組みが増し、ヨーロッパや北米等々、海外研修にも行ったり、関東圏でモンテッソーリ教育に興味をお持ちの先生方と月一回、ふじようちえんで研修会もされていました。教具は当時の運転手さんの手づくり、各先生は当時数少ないモンテッソーリ教育関係の本をみんなで輪読しながらの研修、と言う感じでした。そして、現在に至るまで42年間、多くの先生方の研鑚と努力で当園でのモンテッソーリ教育は引き継がれてきているのです。
 そのモンテッソーリ教育の考え方や内容を、お一人でも多くの方にお伝えし、子どもが育つことやその環境、私たち大人の役割等々を勉強する機会としての開催でした。

 終了後、アンケートにご協力頂き、ありがとうございました。松浦先生の講演、畑ごはん、先生方の公開提示の3点に渡り、ご感想を頂きました。本当におおよそですが、頂きましたご感想の集約したもの、それも一部をご紹介させて頂きます。
・今まで何となく?しか知らなかったモンテッソーリ教育のことが、とても分かり易く、おもしろく、よく理解できました。
・自分の子育てを見直すことが出来ました。『教えることを減らせば減らすほど、子どもは学ぶ』と言う言葉が心に響きました。
・私たち親がその親から受けてきた教育全てが、これからのグローバル社会を生きる子どもたちに有効では無い。引き継ぐべき価値観と捨て去るべき価値観があること。
・つい手を出してしまいそうな子どもの活動をじっと見守る大切さを学びました。
・子ども自身が育つことがとても大切なんだと思いました。
・「算数」がおもしろかった!!4桁の足し算にはびっくりしました。三項式も分かりやすく、私もこれを子どもの時に知っていれば算数がもっと好きになれたと思う。
・本では分からなかった教具の具体的な扱い方が見れて良かった。
・夏の時期にピッタリの新鮮なスマイルファーム産の野菜を使ったパスタ、とても美味しかったです。ブルーベリーゼリーも家でつくりたいと思いました。
・とても美味しかったです。野菜嫌いの子どもに食べさせたい。一回食べてみたかったランチ、このような機会があって良かったです。  (以上抜粋、ご参考まで)

『子どもが育つ秋』季節の変化も楽しめ、楽しい行事がたくさんある二学期、教職員一同、力を合わせ、しっかりと子どもが育ちのお手伝いをして参ります。
どうぞよろしくお願い致します。 

平成25年度2学期始業式 園長だより vol . 127 (2013.9.2)