ふじようちえん

2012.3月16日 園長だより

2012年03月16日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

 春まだ浅い今日この頃、皆様、いかがお過ごしですか?
年少さんのクラスから、♪はぁ~るょ、こい、はぁ~やく、こい…という元気な歌声につられ、口ずさんでしまいました。今年は、この歌声が、寒さゆえ、いつもより心に伝わります。ゆっくりしている春に、みんなで催促の電話でもかけたいですね!
 穏やかな陽気の中、サクラやチューリップが咲き、その中を子どもたちが走り回る姿を早く見たいですね。時期は、卒園、入園の季節なのですから…花はつきものです。
 
 本日、園庭にて全園児が一同に集まり、修了式を行いました。修了式では、子どもたちに一年間の終わりは一つの区切り、竹に例えれば、節にあたることをお話しました。「竹は節があって強くなるもの、毎年毎年節を一つずつ節が出来て、雨が降っても、風が吹いても、ましてや台風か来ても倒れない強く大きな竹へと成長していくのです。皆さんも竹と同じように、一年一年過ぎるたびに節をつくり、強く、大きくなっていくのです。そして、新しい節になることは、新しいお友だちができることでもあります。いままで仲良くしたお友だちとも仲良くしながら、新しいクラスでもいっぱいお友だちをつくって下さい」とお話しました。お子様と話すときのご参考までに。でも、園長先生のお話なんて、忘れているでしょうね。それでも、私は伝え続けます。

 平成23年度を無事に終えることが出来ました。これもひとえに、ご父母様、ご家族様、藤の会本部はじめ各チームご担当の皆様方の日頃からのご理解、ご協力のお陰と心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 来る新年度も、教職員力を合わせ、子どもたちの育ちに全力を傾けて参ります。
引き続きのご理解ご協力、どうぞよろしくお願い申し上げます。

≪分ける力は、生きる力≫
 先日、お誕生日会をしました。3月生まれのお友だちにとっては、待ちに待ったお誕生日会。そして、各クラス最後のお誕生日会でした。特別、ということで、奮発して各クラスのグループごとに一本のロールケーキを用意し、子どもたち自らプラスチックのナイフで切り分けて食べるということをしました。
 一つのものをみんなで分け合う事が少なくなっている今、あえて分けざるを得ない状況をつくることを大切にしています。子どもたちで分け合う体験の中に、物理的な量としての平等に分配することと、分けることによる他者への思いやりの心を育むことに役立つと思っています。
 ちなみに、園西側に実っている昔ながらのすごく酸っぱい夏みかん、各クラス一つもぎ取り、35人で分けて食べてみました。大きい!!小さい!!と言いながら分けています。見た目、目見当で感覚的に大きさをそれぞれに調整をしています。この目見当感覚こそが、立体認識能力とも言うべきものも育てているのです。私も大好きな、ロールケーキが子どもの育ちに役立っていますね。IT時代に恐縮ですが、見た目感覚、目(め)見当(けんとう)、塩梅(あんばい)、加減の感覚こそ、生きている人間の感覚ですよね。大切ですね。
≪幼稚園の玄米給食≫
ふじようちえんの給食が、あるメルマガに取り上げられました。以下、ご紹介します。

 幼稚園・学校の給食は食育の機会です。OECD(経済協力機構)が2011年度の世界最高教育機関として認定した、ふじようちえん(東京都立川市)では、玄米ごはんを給食に取り入れています。万能食である玄米を食べる習慣を園児と家庭に提案するのです。玄米が体に良いことは、多くの人が理解しています。しかし、おいしくない、食感がよくないので食べないというのが現実だと思います。
その課題をふじようちえんは、以下の工夫によって克服しています。
1.玄米は丸1日水に漬け柔らかくする
2.食感を良くするために、もっちり度の高い白米を3割ほど混ぜる
3.白米は水に漬けない。
 丸一日水に漬けた玄米と合わせて炊くとちょうど柔らかさが均一になる。圧力鍋を使えば、玄米は単独でも、もっちりとした食感になります。しかし園児600人分の給食を賄うための圧力炊飯器への転換は大きな支出を伴います。そこで既存の炊飯器でおいしく炊ける手法はないかと工夫した結果、上記の手法を創造したのです。
ふじようちえんは、給食は選択性にしています。弁当を持ってきてもいいのです。だから園児に支持されない給食は成立しないのです。食育とおいしさとコスト維持との鼎立という条件が様々な工夫を生み出すのです。

≪卒園児の皆さんへ≫
 ご卒園、おめでとうございます。本当にあっという間の3年間でした。
でも、その3年間にいろいろなことが出来るようになり、お友だちもでき、いろんな体験もしました。楽しく過ごした幼稚園の時間が、みんなにとっても、先生たちにとっても宝物です。この宝物を下さったのは、お父さん、お母さん、ご家族の方々です。感謝の言葉、『ありがとう』をいっぱい、いっぱい言って下さい。 
 砂場で集めたきれいな石ではありませんが、みんなこそ、光り輝く宝石なのです。でも、そのまま何もしないと光りません。好きなことを見つけること。そして、ずっとずっと磨き続けること。そうすると、それぞれの光が出て、輝き始め、周りの人や物、いろんなものを光らせる人になって行くのです。園長先生の願いは、みんなが自立して社会の役に立つ人になることです。

 いつまでもいつまでも、ふじようちえんは、みんなの故郷です。大きくなって、お父さんやお母さんになってから、幼稚園に戻って来てみて下さい。そしてその時、みんなに子どもさんがいたら、その子に言ってあげて下さい。『お父さんは、お母さんは、ここで遊んだんだ。そして、ここでいろんなことを覚えたんだ。ここが、ふるさと、私が育ったふじようちえんなんだ!!』と。ご卒園、おめでとう!! 前へ、進め!!

 本年度も、この園長だより、駄文にお付き合い頂きましてありがとうございました。
引き続き、日常の中にある子どもの育ちを見つめつつ、お伝えしようと思います。
 
園長だより vol.106 2012.3.16