ふじようちえん

2018年3月19日 修了式 園長だより

2018年03月19日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

春3月、日増しに温かくなって、桜の蕾も膨らみはじめました。いつ咲くのか?開花が待ち遠しい今日この頃です。皆様、いかがお過ごしですか?
先日、藤の会ご担当の皆様により、おめでとうの会を開催して頂きました。サイエンスショーや楽しい出し物で、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。特に、空気砲の実演をする時、お兄さんが何度も何度も言っていた『どうなるか?わからない時は、実験してみよう‼』と言う言葉、これから小学生になる年長さんへのメッセージのように感じました。そうです‼わからない時は、聞いてみること、やってみることが大事ですね。

本日、修了式を終えて、無事に平成29年度を終えることが出来ました。これも一重にご父母、ご家族様のご理解、ご協力のお陰と心より御礼申し上げます。
毎年のこととは言え、一年間は、本当に早いもので、あっという間に卒園、進級の時期になりました。成長したうれしさと、お別れする寂しさが交差する複雑な心境になる時期でもあります。
子どもたちは、幼稚園に通いながら、いろいろなことが出来るようになったり、様々なお友だちとの交流が増えたり、多くの行事やお部屋での活動を通じて、自分の世界を確立したり、また逆に、その周辺の関わる社会を少しづつ受け入れ、少しづつ拡げてきました。
年度替わりのこの時期を、竹に例えて言ってみれば、一年一年が竹の節にあたるものだと思います。竹に節が無かったらやわらかく、すぐ折れてしまう弱い竹になってしまいます。竹は節があるから強いのです。一年一年、違う環境だからこそ育つものも増えると思います。私の経験則で恐縮ですが、春休みに何故か?グンと成長するお友だちがいます。生態系の特徴か?春の温かさのせいなのか?さて・・・。

≪読書のススメ≫
先日、書類を整理していたら、おもしろい文章に出会いました。『本のその後』(高橋源一郎著)と題して『本』が最後にはどうなるのかが書いてありました。まず、読み終わってボロボロになった本は『本のリサイクルセンター』に行き、様々な要素に分解されるそうです。「紙」は再生紙、「色」と「文字」は印刷所に行き、再び本に、「ものがたり」は分解センターに行きます。分解センターに行った「ものがたり」は、さらにこまかい「気持ち」に分解されます。喜び、怒り、悲しみ、楽しみ…。そして、それぞれの「気持ち」は、空からまかれたり、街の隙間に置いたり、調味料に混ぜられて、再び社会の中へ戻って行く。私たちの気持ちも、もしかしたら分解センターから来たのかもしれません。という興味深い一文です。
確かに、今まで様々な本から勉強したり、影響を受けたり…本から始まって様々に考えるという姿勢も身に付けてきたように思います。私の思考も、ものがたり分解センターから来ているものも多い感じですね。でも、昔、夏休みの宿題で読書が出されても、正直、読みたくない本で、その時は読みませんでした。と言うより、興味がなくて読めませんでした。ところが、興味がある本に出合ったら、一気呵成に寝るのも忘れて読んでいたことを思い出しました。この本との出会い、人から教えてもらうも

のでは無いようです。絵本、マンガ、書籍…何でもいいですから、好きだという気持ちを大切に、好きな分野を読んでみて下さい。読書する姿勢が身に付いてから、読書のジャンルを広げても充分時間があると思います。
子どもたちに、ものがたり分解センターからたくさんの頂き物がありますように‼

≪誰かに喜ばれる人になって下さい≫
今、年長さんは、残り少ない幼稚園時間を楽しみながらも、卒園式の練習に励んでいます。私は、修了証書を渡す練習のとき、子どもたちの言葉にはできないけれども、未来への決意みたいなものを証書伝いに感じています。みんなの今の気持ち、自信、可能性が、さらに大きく広がりますように祈っています。
卒園児の皆さんに一言お話しさせて頂きます。これから言うことは、今はまだ分らなくてもいいです。もし、みんなが大人になって行く途中で、迷ったり、悩んだり、いろいろな時、何かのアドバイスになったら嬉しく思います。
私たちは何のために生まれてきたのでしょうか?それは、みんな幸せになるために生まれてきたのです。誰一人、不幸せになるために生まれてきた人などいません。
では、幸せとは何でしょうか?お金持ちになること、有名になること、好きなことをやって楽しく過ごすこと、海外旅行に行くこと、美味しいものを食べること…人それぞれ、様々な幸せ感があっていいと思います。
そこで、幸せな時を喜び感がある時と考えてみる、つまり、幸せ=喜びとした時、人生最高の喜びとは何でしょうか?いろいろな喜びがあると思いますが、私は、何をおいても一番の喜びは、誰かの役に立てて、誰かに喜ばれることだと思っています。人生は、『ありがとう』をたくさん集める旅だとも言われています。一番多くの『ありがとう』を集めた人が一番幸せになるとも言われています。
合わせて、人は、どんな人でも必ず生まれてきたからには何らかの役割があるとも言われています。どこの国のどんな人にでも役割があるのです。その役割を見つけるためには、とにかく、目の前の仕事や勉強を一所懸命にすることなのです。一所懸命にしていると、いつしか自分の役割に出会うのです。そして、その役割をコツコツ、しっかりと行っていくと、誰かに喜ばれる自分へと成長していくのです。その誰かは、必ずしも、目の前に見える誰かではありません。見えない誰かの喜びになることを願って頑張るのです。でも、人生はそんな順調に行かないのも現実です。むしろ、上手く行かないことが多いのが人生だと思います。それでも、コツコツ、コツコツ前へ進んで下さい。必ず、新たな出会いが生まれ、新たな喜びに向かって進むものです。
さらに、誰かに喜ばれている自分の姿を親に見せることが、一番の親孝行であり、誰かに喜ばれている我が子の姿を見ることが、親としての役目の最終段階だと思っています。こんな思いの文章が、いつしか大人のみんなの目に触れたら嬉しいですね。

さぁ、卒園児の皆さん、幼稚園の時間はこれでおしまい、これから、それぞれの可能性を伸ばす時間が小学校で始まります。
いつまでも、いつまでも、ふじようちえんはみんなを応援し続けています。それぞれが、それぞれに、スゴイ小学生になって下さいね‼  園長先生、祈ってる‼

平成29年度 3学期 修了式 園長だより vol . 190 (2018.3.19)