臨時版 震災対応園長だより
2011年03月14日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
このたびの震災に際し、被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げます。安全とご無事と一日も早い復興を心から祈念しています。
一夜明けて、テレビに映った、津波の傷跡・・・涙が出て仕方がありませんでした。
さぞかし大変で、きびしく、寒く、つらい状況の中に居られるものと推察致します。それにしても、まさか、街全体が流されてしまうとは…想像も出来ません。どうぞ、ご家族みんながご無事でありますように、また会えますように…祈るばかりです。
3月11日(金)、午後2時46分、今まで体験したことのない大きな揺れの地震でした。2番バスを待つ子どもたちやバンテージ、ラパン等々の子どもたち、そして親、先生等、合計約300人以上が幼稚園内にいました。地震発生、避難訓練通り、放送で机の下に避難することを指示、子どもたちは一人も騒いだり、泣いたりすることもなく、園庭中央に防災ずきんを付けて集まり、安全を第一にしゃがんで待機していました。その後、大きな余震も数回ありましたが、本当に動揺、混乱もなく冷静に対応して、避難訓練通りよくできました。“おかしもな”花〇です!!
そして、ラジオ、テレビの情報によると大地震発生とのこと、何が起こるか分からない中、子どもたちの安全を第一に、二番バスの運行を中止し、ご家族様にお迎え頂くことにして一斉メール、HPのブログ等で連絡しました。
やがて、ご父母、ご家族様にも引き渡し訓練通り、お子様を引き取り頂き、夜9時には最終の方がお越しになり無事完了しました。お仕事やご用事で遠くに行かれ、電車も動かないし、大渋滞の中を皆さんなんとか幼稚園まで来て頂きました。
多くの皆様のご協力に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。そして、大変、お疲れさまでした。
ちなみに、教職員は、引き渡し完了後、車、自転車、で方面別に乗り合いにて帰路につきました。大渋滞で、いつもより相当時間がかかった先生もいたということです。
それにしても、万が一の時の対応を迫られた地震発生からの時間でした。落ち着いたら、再検証してさらに安全で確実な方策を検討していきたいと考えています。
私たちは、何時になっても、例え宿泊になっても子どもたちと一緒に待っています。実際、スマイルエッグスでは、宿泊し、朝のお迎えになったお子様もいました。
ご父母様をお待ちするのが、私どもの役目。もともと、私どもの仕事の99.9%は、お預かりした命をしっかりとご家族のもとにお返しすることが一番の仕事であり、すべてだと思っています。
翌日、幼稚園に『先生、あの一言、本当に安心しました』と言う感謝の言葉を頂きました。それは、避難状況を伝えているメールの中にあった『泣いている子は、一人もいません』の一言でした。お母様は、お子様が地震で動揺して泣いているのではないかとご心配なされていたようです。『あの一言で安心しました』逆にこの一言に私も勇気づけられ、うれしさが込み上げてきました。
一言の価値、こんな時だからこそ、〈心から安心できる言葉〉をいっぱい使って行きたいものですね。
地震発生時、幼稚園では、藤の会本部役員、卒園担当チームの皆様により、翌日の『おめでとうの会』準備が行われていました。お母様方が一年間かけてご準備頂きました会で、子どもたち、教職員も本当に楽しみにしていた内容のイベントでした。
時間がたつにつれ大地震の状況、津波の被害等々が知らされ、一同愕然としました。今までに経験のない緊迫した状況の中、翌日に控えた『おめでとうの会』の開催を検討してみました。確かに今までご準備頂いたイベントなので、開催したい気持ちはみんな同じで、やれば出来るものと思うのも無理はありませんでした。
でも、とにかく安全第一という観点から、地震の翌日にあたり、余震も心配されること、こういう状況で多くの人が集まる場を作った時、もしまた大きな地震がきたら、はたしてどんなふうに対応出来るのか?ケガや混乱を避けられるのか?
そして、各ご家庭には、まだご家族が帰宅出来ない人も多くいました。さらに、被災された方々、ご家族を無くされた方々のご心情をお察しすると、この時にお祝い事…社会的にも、人間的にも中々開催すると言う決断が出来ませんでした。
年長の皆さん、本部役員さん、おめでとうの会担当の皆さんにも心から申し訳ない気持ちでいっぱいですが、中止とさせて頂きました。
翌日、おめでとうの会開催予定日、やはり、非常に残念な気持ちで職員室にいました。マジックの篠さんがお越しになり、『こんな時だから、しょうがないですよ』と言ってもらいました。また、篠さんから、『先生、なんでもやるから言って下さいね』と言われ、形を変えてなら可能かな?保育の中に取り入れて行おうと考えました。
具体的には、17日の保育の一貫で行っている、『年長を送る会』、『どこでもおべんとう大会』の中で、篠さんのマジックやピニャータゲームを取り入れることにしました。
形は変わりましたが、楽しい思い出にしたいと思います。これで、少しですが、お母様方のご苦労に報いることが出来ればうれしいです。
以上が、地震発生時から翌日にかけての内容です。ご承知おき頂ければ幸いです。
臨時版 震災状況連絡の園長だより