2007.2.13 園長だより
2007年02月13日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
今、園舎を突き抜けている欅の大枝の間を輝く日差しが注いでいます。早くも春を迎えたようです。
見上げればヒノキの木の上方に、またカラスが巣づくりを始めています。これも春でしょうか?
皆様、お変わりありませんか?暖かい冬、風邪を心配するより花粉の心配をしている今日この頃ですね。
≪永遠の課題≫
あるお友だちが、『先生、ぼく、大きくなったら何になるか、知ってる?』と言うんです。何になるの?すると、『ぼくは、ウルトラマンメビウス!!』、『ガオレンジャー!!』・・・どうやら大きくなると人間から進化したものになるようです。ヒーローにあこがれて、それになりきり、自分とヒーローが一体化して大きな夢を見ています。ここに、『夢見る力』の源があると思います。
TVでのアマゾンの源流を探す番組ではありませんが、私もその昔、と言っても25年位前ですが地域の青少年育成企画で『多摩川の源流さがし』をしました。数人で山深い奥多摩町奥にある丹波山村から山梨東部あたりの山中を歩いて水源を探し、多分ここが多摩川の最初の一滴?らしきものを見つけたことがあります。川に例えて恐縮ですが、この頃の子どもの夢もこの“最初一滴らしきもの”ではないでしょうか。どんなに大きな川もこの一滴がないと始まりません。夢見る力の最初の一滴は、何かにあこがれ、それになりきり、それにどっぷり浸かることから始まるようですね。でも、そんなヒーローごっこの遊びを家の中でされたら、『静かにしなさい!!』とお母さんはいつも大きな声で怒鳴っているようですよね。夢見る力とお母さんの叱る声、永遠の課題かも知れませんね。
≪あげる方が幸せ≫
先日は、お休みのところ節分・豆まきにお越しいただきありがとうございました。皆様のご協力に感謝するとともに貴重な体験をさせて頂いた阿豆佐味天神社の皆様に感謝申し上げます。
子どもたちへの良い体験、鎮守の森体験になったか?と思います。ご家族様でも豆まき初体験といった方も多かったのではないでしょうか。最後の豆まきの回に小林先生と社殿の縁側から裃、袴を着て豆まきをさせて頂きました。枡の中には豆とチョコレートそしてご縁に効く?五円玉が半紙に包まれて用意され、多くのご家族様が袋や帽子でキャッチしようとしています。ここは神聖な儀式、『福は内、福は内!!』(鬼はいない、故に“鬼はぁ~外”は言わないとのことです)の声に合わせてまいてみたら、多くの方が喜んで福豆をキャッチしてくれています。実際、自分がすごくいい事をしていると言う感触があり、何か幸せ気分?が生まれました。以前に『人を幸せにする人が一番幸せになれる』と教えられたことが実感として味わえた瞬間でした。
≪自立は難しい≫
この冬の暖かさは温暖化の影響?との報道もあります。確かにそう思うんですが、世の中の暖房がひと昔前よりはるかに性能が上がったり、セーターやコートの質が進化したことも見逃せないと思います。これが求めている豊かさ?の一つではあると思いますが・・・。まぁ、物事には両面、多面の見方がありますから・・・ただ、私は冬前に無理をして用意した厚手のセーターがとうとう出番がなくて、ちょっぴり残念!! と言うところです。
温暖化と衣類、居住の快適さと身体の強さ、環境と子どもの育ち・・・なんて余計な思いを廻らしたりしています。そう言えば、さっきのカラスは、電気コードやハンガーで巣づくりをしているみたいでした。枝や羽で作るより快適なんでしょうね。カラスの巣も社会環境とともに進化しているようですし、快適な居住空間にいるせいか?最近、巣立ちの時期に巣立ち出来なくて園庭におちるカラスの子が毎年、一羽か二羽いますね。今の時代、子どもの自立はカラスも人も難しいようです。
『カラスの振り見て、我が振り直せ』・・・格言まで変わってきそうですね。
≪機械の青、安全の青≫
安全対策チームの皆様、お手伝い頂きました皆様、交通安全指導にご協力頂き感謝申し上げます。
準備の段階からご足労頂き、年少、年長二日間にわたる交通安全教室を立川警察署の警察官の方々のご指導のもとに開催でき、子どもたち夫々に交通意識や自覚を芽生えさせて無事に終了することが出来ました。お忙しい中、本当にありがとうございました。
子どもへの交通安全指導は、【道路を渡る時には必ず『右見て、左見て、もう一度右見て』車が来ないか確認して渡りましょう】としています。歩行者用の信号が青になったら、すぐに渡ってしまう。待ちきれないで青になる瞬間をオリンピックの100M競争でゴールテープを切るがごとく競ってスタートするという光景をよく見ます。これが私たち大人の日常になっているのです。
交差点や横断歩道で、確かに歩行者用の信号は青、でも、万が一にも黄色で、いや赤信号で突入してきた車両がいたとしたら・・・。とんでもないことです。
機械である信号を信じるのか?自分の目を信じるのか?答えは明白ですね。
警察官も立ち会っている交通安全教室では、ドライバーの方々は協力的で停止してくれるものです。
しかし、別のときに一人で信号のところに立ち、車両の停止状況や信号遵守状況を見ていると『黄色で入って、ラッキー』的に信号を通過して行く車両のなんと多いこと!! そうです、これが現実です。
私も自戒を込めながら、≪黄色は止まれ≫を実行します。皆様にもお勧めします。
歩行者用の信号が青になっても、『右、左、右 』、機械の青と安全の青は違うことを改めて伝えたいと思った交通安全教室でした。
≪新聞の一面に!!?≫
2月8日の朝刊で、ふじようちえんが掲載されていました。それも全国版の一面で。突然のことで驚かれたことと思います。私も弟からの電話で知り、びっくり仰天でした。これが正直な気持ちです。
実は、その数日前に読売新聞の記者さんよりご連絡を頂き、夕刊の小枠、切手ぐらいの大きさに時代の一端の紹介ということで掲載したい旨のお話でした。軽い気持ちで了解し、ヘリコプターから撮影が行われました。私も飛行機をみるとつい癖で子どもたちと一緒に手なんか振っちゃたりしまして今思うと少し恥ずかしいですね。その後、記者さんからの取材があり、新聞社のご都合もあったのでしょう(他に事件がないとか)そうこうしていてあの一面の写真と言うことになった訳です。
正直、読売新聞さん(私も30年来の読者です)の全国版の一面に掲載して頂けるなんて、夢のまた夢、さらに夢と思いますし、幼稚園が載るなんて想像したこともありませんでしたね。光栄の至りです。
大変なのはその後、各TV局の皆様からのお問い合わせを頂きました。が、私どもの姿勢としてこのふじようちえんは、“子どもの育つ場所”であり続けたいと思っています。突然、各社のカメラで撮影されたり、子どもたちの中に入ることは混乱を招く要素が大きすぎると判断しお断りの旨を生意気にもお伝えしました。すると各社様、非常によくご理解頂きました。感謝申し上げます。
基本的に、この新園舎は、私どもなりに真に“子どもの育ち”に目を向けた時、環境の一つとして園舎があるという位置付け・存在です。世界各国や全国各地にそれぞれの保育観に合った園舎の形があっていいと思っています。この園舎が多くの方々の心に触れ、子どもの育ちの環境づくりに役立ってもらえば本当に嬉しい限りです。そういう意味で、後日、保育に支障がない事を前提とし、ルールを決めた上で、外部の方にもご覧頂こうと考えています。 園長だより vol. 49 (20