ふじようちえん

園長だより vol . 194 (2018.7.2)

2018年07月02日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

梅雨が明け、いよいよ夏本番です。各クラスから、♪ささのは、さぁ~らさら、のきばにゆれる、お星さま、きらきら・・・七夕の歌が聞こえています。今日は、短冊にそれぞれの願いを込めて、笹竹に結び付けて、七夕の飾りつけをしました。お子さまの願い、砂川四番の阿豆佐味天神社の参道にてご覧頂ければと思います。
そして、この暑さのお陰で、子どもたちが楽しみにしていたプールも予定通り始めることができて、うれしいです。ホースからの水を体に浴びているのでしょうか?いつもプールから大きな歓声が聞こえています。楽しい水遊び、プールの時間ですが、安全第一で取り組んで参ります。

皆様、いかがお過ごしですか? 本当に暑い日が続いています。お体ご自愛下さい。さて、もうすぐ夏休み、海に山に、お出かけの計画づくりに盛り上がっていることと想像します。どうぞ、楽しい思い出いっぱいつくって下さいね。

先日は、家族参観日に多くの皆様にお越し頂き、ありがとうございました。子どもたちも、いつも居ないお父さん、お母さんが自分の席に座っていて、ちょっぴり照れながらも、歌ったり、踊ったり、ゲームや制作をして楽しい時間を過ごすことが出来ました。なぜか?お歌のプレゼント、普段より、声がよく出ていて本当に上手でしたね。お父さんお母さんが一緒にいる安心感からか?お歌のプレゼントをする相手が前にいるからなのか?いずれにしても、園で子どもたちが育っている姿の一端をご覧頂けたものと思います。また、子どもたちが一所懸命に描いた家族の顔の絵、どれも個性的で輝いていました。まさに、思い出の一枚ですね。

≪大阪の地震に思う≫
過日、発生した大阪での地震、まさかが起こってしまったという感じがしています。そして、ご不幸にもブロック塀の下敷きになられ、命を奪われたお子様に謹んで哀悼の意を表したいと思います。お気の毒で言葉もありません。
そんな思いを胸に、先日、毎月行っている避難訓練をしっかりと行いました。
ここで、ふじようちえんで行っている避難訓練の想定と流れをお伝えします。まずは、子どもたちが各クラスにいる想定です。園に設置してある緊急地震速報という装置が、地震が来る波動を感知して、地震の揺れが来るまでのカウントダウンが始まります。同時に、子どもたちは机の下に身を隠し、落下物から身を守る、10…カウントダウン中、机の下にて安全確保、防災頭巾をかぶり、3,2,1『今、揺れています』のアナウンス、その後、地震による火災発生、119番通報、消火活動、AED設置、同時に子どもたちが園庭中央へ避難するため、各クラスから裸足で園庭に避難し、ある程度離れて安全を確保したところで、靴を履き、整列、点呼確認、本部へ報告、報告を受けて終了、この間約3分ぐらいです。
年に一度、立川消防署の皆様の立ち会いのもとに避難訓練を行い、とても良い避難訓練との評価を頂いております。でも、緊急時には、訓練以上のことは何もできないということを教訓に、同じ避難訓練を毎月繰り返すことが、私たちに出来る一番の災害対処法だと思っています。ちなみに、東日本大震災時は、不安な気持ちの中『避難訓練通り 引き渡し訓練通り』しか言葉が出せませんでした。
基本的には、【お・か・し・も・な】おさない、かけない、しゃべらない、もどらない、なかない…ということをお約束して行っています。
今回の避難訓練で感じたことは、避難し園庭で靴を履くとき、深くて履きにくい靴に手間どっている子、マジックテープが剥がせず、無理やり履こうとする子等々、数人見られました。わずかな時間さえ命にかかわる緊急時、子どもたちが履く靴は、履きやすい靴が一番いいと思います。ご父母様の靴選びのご参考にして頂けたら幸いです。合わせて、靴の履き方、スムーズな動きも練習しておいて頂ければ助かります。どうぞよろしくお願い致します。

≪最適解と待つ解≫
今、社会はAIによって、大きな変化を迎えています。常に、最適な解答(最適解)を瞬時に出すAI社会は、さらに進んで行くことでしょう。そして、今後、プログラミング教育が小学校の教科になって行き、幸せに生きていく為の教育の位置づけ、内容も大きな変化を求められている感じがします。
そこで、このAI社会に対抗できるものは?と考えていたら、一つだけありました。それは、AI社会とは真逆の農業ではないかと思い当りました。(おそらく、農業もAI無くして成り立たないと思いますが。)農業は、種や苗を植えて、今日の明日に収穫物は採れないのです。手間暇かけて、待たなくてはならないのです。時には台風などの自然と向き合い対処していかなくてはなりません。正解はすぐに出ないのです。この待つという行為こそが、人間が生きていく為により大切な何かを気づかせてくれるのではないでしょうか?つまり、待つことが、心の肥やしになり、豊かな育ちに繋がるのではないか?とも考えられるのです。まさに、子育てそのものですね。
最適解を求める心、待つことで得る解で育つ豊かな心、どちらも幸せにつながる心になって行くことを願っています。
でも、子どもたちの心に響き、腑に落ちる学びの観点から見ると、これからの子どもの育って行く社会は、圧倒的に実体験が少ない社会でもあると思っています。
単純に言えば、みて、ふれて、感じて、考えて、行動するサイクルづくり、そのものが実体験だと思います。感じる時代、夏休みにでも五感を鍛えてみてはいかがでしょうか。

≪子どもたちが、考える≫
私は時々突然に、『はい、ここで問題です』と言って、子どもたちに問題を出すことがあります。先日も、ふじ組のお友だちが多く遊んでいたジャングルジム近くで、『さて、ここで、問題です。園長先生が多摩川に釣りに行きました。どんなお魚を釣ったでしょうか?』と問題を出しました。すると、子どもたちの答えは、『うに』『サーモン』『まぐろ』『イカ』『エビ』『カニ』・・・という答え、どうやら、子どもたちの魚のイメージは、回転ずしのメニューなのですね。本物の魚に触れる機会がない、又は、触れてもスーパーの魚売り場の切り身ですから無理からぬことと思いました。答えが違うと、『ブー』がでて、また考え始めます。正解は『フナ』でしたが、正解者が居ませんでしたので、お部屋で図鑑か、絵本で川の魚を調べて、また園長先生に教えてね。という宿題にしました。
翌日、『昨日のお魚の名前わかった?』と聞いたら、『さんまでしょう』と言う答え・・・私の力不足、伝え方不足を痛感したのと同時に、これはたくさん学ぶチャンス到来と思い、海や川の魚についての楽しく学べる場づくり、状況づくりをしてみたいと思いました。子どもたちとのやり取り、本当に大人の学びになります。