2014年12月2日 園長だより
2014年12月02日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
先日、種をまいた芝が芽を出し園庭が鮮やかな緑に覆われています。見上げると本格的な冬が近づいているような澄んだ青空、そして、クリスマスが近づき子どもたちの作品でもよく目にするサンタクロースの赤…緑の芝生、青い冬空が、絶妙なバランスを醸し出している幼稚園の今日この頃です。
職員室にある薪ストーブにこの冬初めて火を点けてみました。これから本格的な冬の到来に備えて試運転のつもりが、ついつい力が入り過ぎて、ホイルに包んだ焼きリンゴまで作ってしまいました。(本当は食べたい一心で…)どうやら、私の季節感は、食べ物と共にあるようですね。今度は、お餅でも焼いてみますか!?
師走に入り何かと気ぜわしい毎日ですが皆様、いかがお過ごしですか?
ニュースで聞きましたが、インフルエンザが例年よりも早めの流行とのこと、うがい、手洗いを基本にみんなで気をつけましょう!! そして、少しでも具合が悪かったり、ご心配の時は、ご都合やお仕事もあろうかと思いますが、このぐらい大丈夫かな?幼稚園に行けば大丈夫だろう!!と判断せず、お休みしてお医者様に見てもらうのが一番だと思います。このくらいは大丈夫かな?の判断が、集団生活をしている幼稚園ではインフルエンザが蔓延する要因になります。皆様のご理解ご協力をどうぞよろしくお願い致します。
≪作品づくりは、自分づくり≫
今、幼稚園のお友だちは、6,7日のクリスマスフェスタに向け、それぞれの作品の最後の仕上げに一所懸命です。子どもたちは、それぞれに思い浮かべた作品のイメージを大事にしながら、絵を描いたり、折り紙を折ったりすることをはじめ、こねる、切る、貼る、縫う、重ねる、綴じる…等々のお仕事を通じて、毎日一歩一歩自分の思いを形にしてきました。作品を作る手順、材料の準備等は先生たちが行いましたが、作品づくりに取り組む時は、先生のアドバイスやお友だちのやっているところを見て、自分なりに色や形を調整しながら作りました。時には、絵の具の筆を使う時やクリスマス飾りを付ける時など、手や指の動きが細かな調整が出来ず、曲がったり、はみ出したり、結べなかったり…しました。このようなことも、成長過程の大事な経験として含んでいる作品づくりでした。みんなしっかり育っています。
また、作品づくりは、自分の思いを形にして、自分の分身を作るような意味合いがあります。そんな点から、子どもたちの制作風景を見ていると、“作品づくりは自分づくり”というフレーズが湧いてきました。さらに横で、『この色がきれいだね』とか、『園長先生もこの形大好きだなぁ』なんて声をかけると、さらにキラキラした目で今まで以上に作品づくりに集中して行くのです。認める言葉の力ですかね?
どうしても作品の出来栄えに目が行きがちですが、作品を通じて子どもたちの思いや心に触れて頂きたいと思います。子どもたちの心に語りかける…そんな言葉がけをしてみて頂きたいと思います。その言葉がけは、子どもたちに、大きな安心感と自信を生み、今後の作品づくりや成長に必ず好結果をもたらすものと想像します。
そして、この幼稚園の作品や絵が出発点となり、これからの小中学校等々での作品の数々と並べてみた時、お子様の育ちの軌跡、成長の記録とすることも出来ると思います。
クリスマスフェスタ、ご家族皆様でお越し下さい。子どもたちの育ちが待ってます。
≪ランチメニューに江戸時代の食事を!!≫
ふじようちえんのランチメニューは、基本的にスマイルファームでとれる野菜を取り入れ、一冨士の管理栄養士と栄養士である担当者が原案を出し、それをランチメニュー担当の先生が、肉や魚のバランスや麺類やパン、行事や各国の文化、あえて固い物や子どもたちが喜ぶ内容のもの、また、ファミリーランチでは前回と重複しないようにとか…あらゆる角度から全体をチェックし、それを園長が最終的に確認してメニューが決まります。
以前、無添加や有機野菜に気を使ってランチを作っても、デザートのカップゼリーは・・・いいのかなぁ、何か無添加のゼリーは無いかな?そんな素朴な疑問から友人の農業法人さんに研究してもらい、一年半かけて出来たのが、今、子どもたちが喜んで食べている“たまねぎの甘さを生かした無添加のゼリー・サラダゼリー”です。また、ある時、昔話の絵本を見ていて、ふと…江戸時代の子どもはどんなもの食べていたのかな?と思い抱いたことがあります。歴史は学んだはずですが…江戸時代の子どもの食べ物までは・・・何を食べていたのかな?同じものを食べてみたいなぁ…と言う思いが強くなり調べてみました。
以下、「江戸っ子は何を食べていたのか」よりの抜粋です。
●江戸の一般人の一日
江戸での父親と母親、子どもの三人暮らしの一日の生活です。
・ 夜明け(明け六つ)と同時に長屋の入り口にある木戸が開けられて一日が始まります。母親が起き、かまどの火を入れてご飯を炊きます。朝は炊き上がったご飯と味噌汁、漬物。生活に余裕があると納豆や煮豆などのおかずが食卓に並びます。
・ 朝ごはんが終わると、子どもは寺子屋(※)へ、大工など外に仕事場がある父親は出かけていきます。父親のお昼は、弁当を持っていくこともありましたが、屋台などがたくさんあったため、外で昼ごはんを取る人も多かったのです。
・ 寺子屋は、お昼はいったん閉まるため、子どもは家に帰り、昼ごはんは母親と子どもが一緒に食べます。かまどの火をおこすのも手間であったため、朝炊いたご飯をお昼と夜に食べる生活が普通でした。昼ごはんは、ご飯、味噌汁、野菜の煮物程度でした。
・ 昼ごはんが終わり、子どもはまた3時ごろ(八つ時)まで寺子屋で勉強をします。
・ 夕方、父親は家に帰ったあと銭湯へ行き、その間に母親が晩ごはんの準備をします。
・ 晩ごはんは、冷ご飯を茶漬けにして漬物程度。時々、煮物や焼き魚がついたり、冬は味噌汁にご飯を入れておじやにしたりするぐらいです。晩ごはんの後は倹約するということもあって、早く休むのが普通でした。
こんな風に一日3食食べるようになったのも、元禄年間(1700年ごろ)以降のことで、それまでは「朝菜夕菜」という言葉があるとおり、一日2食が普通でした。
※江戸には寺子屋が累計1500教室以上、成人男子識字率も約8割といわれています。
●どのように食材を買っていたのか?
当時は行商人が長屋に入ってきて、いろいろな食材を売り歩いていました。
野菜は、にんじん、大根、里芋、きゅうり、なすなど、中にはタンポポなどの野草も食材でした。魚介はというと、しじみ、はまぐり、あさりなどの貝は江戸の近海で獲れたものが運ばれてきたのですが、イワシやサンマ、マグロなどの魚は時々夕食に出る程度でした。他に、ゆで卵、そば、おでん、大福もち、お汁粉などの行商もありました。
●どんなおかずがあったのか?
江戸時代には、おかず番付というものがあり、相撲の番付表と同じようにどんなおかずに人気があったのかということが一覧になっています。このおかず番付は、相撲が東方と西方に分かれているように、精進方(野菜中心の料理)と魚方(魚を使った料理)に分かれています。それぞれからいくつか紹介します。
〔精進方〕
「八杯豆腐(あんかけ豆腐の一種)」、「こぶあぶらげ」、「きんぴらごぼう」、「焼き豆腐のすまし」、「ひじき白あえ」、「切干煮付け」、「芋がらあぶらげ」、「あぶらげ付け焼き」。季節ごとに、「けんちん」、「ほうれん草ひたし」、「木の芽田楽」、「冬瓜くず煮」、「なす揚げだし」、「ふろふき大根」、「山掛け豆腐」、「湯豆腐」、「納豆汁」など。
〔魚方〕
「めざしいわし」、「(貝の)むきみ切り干し」、「芝えびからいり」、「マグロ味噌汁」、「たたみいわし」。季節ごとに「いわしつみれ」、「数の子」、「するめつけ焼き」、「こはだ煮浸し」、「どじょう鍋」、「酢だこ」、「焼きサンマ」、「焼きハマグリ」、「サンマ干物」、「しらす干し」、「さわらあんかけ」など。 以上
意外にも、今の惣菜とほとんど変わらない内容にびっくりしました。昔だから、今より遅れているとか、不便だったなんて考えていた私は恥ずかしくなりました。江戸時代は、かなり豊かな時代だったのですね。幼稚園のランチメニューに入れてみようかな…なんて思って調べてみたら、何のことは無い、きんぴらごぼうやさわら等の魚の焼きものを食していたのです。幼稚園でもいつも食べていたり、ご家庭でも時々食べているものでした。江戸時代が近いと言うか?つながっていることを感じ、いい日本食は繋げて行く使命があるものと感じました。但し、数の子や焼きハマグリ等々は、少々難しいですが…。
園長だより vol . 144 (2014.12.02)