ふじようちえん

2014年12月22日 2学期終業式 園長だより

2014年12月22日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ
 
一年がたつのは、本当にあっという間ですね。今年もいよいよ残りわずかとなってしまいしたが、皆様、いかがお過ごしですか?
毎年のことで情けない話ですが、11月初旬、ホームセンターに立ち寄ると、ほうきや熊手、ガラス磨き等々の清掃用具が広いスペースを使って陳列されているのを見て、“今年こそ早めに掃除をして暮れはゆっくり過ごそう”と決めたにもかかわらず、掃除はもとより年賀状も書いていない状態に、少々焦りを感じている今日この頃です。
追いつめられると出来るタイプと家族には言いつつ、“早くやっておけばよかったなぁ~“と、ちょっと後悔していたりして・・・。私の場合、これも年中行事のようです。
皆様は、そんなことないと思いますが、“すぐやる”クセ付けをしないといけないですね。そのうち、今年は“簡単にすまそうか”なんて心が芽生えてきたりして・・・。

≪お餅つき≫
今、子どもたちの部屋から♪お~もちつき、ぺったんこ、ぺったん、ぺったん、ぺったんこ・・・と元気なお餅つきの歌声が聞こえています。先日のお餅つき、見て、突いて、丸めて、食べて、おかわりして、美味しい、楽しい体験でした。先日のお餅つきの体験があるので、一段とお餅つきの歌にも力が入っている様に聞こえます。お手伝いを頂きましたお父さま、お母さま、ありがとうございました。お陰様でいい思い出、大切な記憶が出来ました。よく考えてみると・・・一般的に、お餅つき体験は人生でそうそうないかも?幼稚園のお餅つきが一生に一度の体験になる人もいるかも知れませんね。そんなふうに考えると、幼稚園で行う行事は、日本の文化伝統に触れることができる人生唯一の場面なのかも知れません。それだからこそ、私たち幼稚園が日本文化・行事を、本物で伝えて行く大事な役目があるものと思います。
そう言えば、お餅をついて頂いたお父さま方、体は大丈夫でしょうか?箸を持つ手が震える・・・なんてことは無いですよね。これもお餅つきの伝統?と言うのですかね。(笑)

≪スマホとの付き合い方≫
先日、幼稚園・保育園IT教育カンファレンスがあり、全国の幼稚園関係者が集まりました。そこで東京大学大学院情報学環准教授・山内祐平氏が、冒頭、社会の変化について衝撃的なお話をされました。それは、『今の小学生の65%は、将来、今は存在しない職業につく』ということなのです。確かに、私が子どもの頃は、システムエンジニアとか、プログラマー等々のIT関連職業は聞いたことがありませんでした。さらに、10、20年前には、スマホやタブレットは存在しないし、身近なものではありませんでした。これからは、今以上に富と労働が国境を越え、機械との競争がより高度な仕事へと人間をもたらす時代、そんな近未来社会でどんな変化があるのか?そして、今はない職業のために教育は何ができるのか?を問いただす時間となりました。
山内氏は、IT社会で大切なことをあげています。スマホやタブレト端末を「人と人とのコミュニケーションをつなぐ媒介(メディア)として使用する」とし、これらを経由して、親子、友達同士が対話する時間を作ってほしいと言います。次に大切なことは、「子どもに対して様々な経験を積ませる」ということです。心身の発達段階においては、
当然、体を動かす経験も必要であり、メディアについても、1つに偏るのではなく、幅広いメディアに接触する経験が必要で、外で遊ぶ経験、本を読む経験、そしてスマートフォン等で双方向な遊びを経験するなど、多種多様な経験のバランスをとることが重要とのことです。最後に山内氏は、「時間を意識する」と言われます。スマホ等の利用は、2歳以上は1日2時間以内だと思いますが、「どういう使い方をするのか?」をまず最初によく考えてほしいとのことです。
これからの子どもたちは、ITを避けて通ることはできません。ITに親しむことは大事ですが、ゲーム性が高いアプリに夢中になり、生活が乱れ、実体験とのバランスが崩れる等、悪影響も懸念されます。そこで、“親子とスマホ、楽しく利用する5つのポイント”をお伝えさせて頂きます。
①親子で会話をしながら利用しましょう。
親子の会話も乳幼児には大事な学習の機会、スマホが親の代わりをするのではなく
一緒に利用することでコミュニケーションを楽しんで下さい。
②想像力を育む機会にしましょう。
幼児がスマホを利用して、自らの考えを表現できる機会を作りましょう。
③様々な体験ができる機会をつくりましょう。
外遊び、絵本の読み聞かせ、おもちゃ遊び等々とスマホやアプリの利用もバランスよく組み合わせましょう。
④生活サイクルを守りましょう。
利用ルールをつくり、睡眠時間や生活時間を削ることがないようにしましょう。
⑤アプリは親子で選びましょう。
乳幼児の発達のためには、アプリ選びに親がかかわること。想像力を育めるか等々、配慮しながら親子で選びましょう。
以上、ご参考にして頂ければ幸いです。スマホの操作以上に難しいかもしれませんね。

≪お正月の力≫   
心せわしい年の暮れ、行く年来る年に思いを馳せ、今年の片付けと新年の準備を考え、やる事の多さと出来る事の少なさに、改めてため息をついています。そんな中、暮れから新年にかけての行事、慣らわし、風習・・・等々思いのまま列記してみました。
すすはらい(大掃除・歳神様を迎える準備)、おもちつき(鏡餅・鏡には神様がいる)、宝くじ当選発表、年越しそば(ながぁ~く元気で)、紅白歌合戦、除夜の鐘(108の梵鐘・煩悩)、お雑煮(地域によって違います)、おせち料理(黒豆、田作り、かずのこ、こぶまき、れんこん、ごぼう、しいたけ、かまぼこ、きんとん、たまご焼き)、初詣(おみくじ、大吉狙いの大凶!?)、年賀状(メールもいいですが、やっぱり心が伝わりますね)、駅伝(毎年、熱くTVで応援)、年始参り、お年玉、仕事始め、七草がゆ、鏡開き・・・。
年末年始あわただしい中ですが、お正月を迎えることは、いくつになってもうれしいものです。あらたまった気持ちで迎える新年の準備を家族みんなで行うのも楽しいものです。このささやかな喜びに家族の絆も強まります。そうです、お正月には家族を育む力があるのです。その中に、子どもたちも育まれる時間が含まれているのです。

皆様、本年も大変お世話になりありがとうございました。新年が、皆様にとってよいことがいっぱいありますようにお祈りしています。どうぞ、よいお年をお迎え下さい!!

平成26年度2学期終業式園長だより vol . 145(2014.12.22)