ふじようちえん

園長だより vol . 197 (2018.10.1)

2018年10月01日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

例年なら、雲ひとつない秋空に爽やかな風が流れ、とても気持ちがいい季節になりました。と、お伝えしたいところですが、今年は多くの台風の上陸、接近も含めて、雨の日が続き、秋晴れの空は、どこに行ってしまったのでしょうか?そんな訳で、園庭での運動会の練習も、予定通りには進んでいません。しかし、逆に、この長雨のお陰と言っては何ですが、踊りそのものは室内でバッチリ練習が出来ています。見方によっては、雨だからこそ充実する踊りの練習と言うところですね。
音楽に合わせて、笑顔で踊っている子どもたちの姿を見ていると、当日は、晴れますようにと祈るばかりです。てるてる坊主さんの底力に期待しています。

皆様、いかがお過ごしですか?朝夕はめっきり涼しくなりましたが、お変わりございませんか?お風邪などひかれませんように、ご自愛下さいませ。
先日、四季劇場・夏でライオンキングを見てきました。数年前に見たよりも、ユーモラスな場面が増え、衣装や舞台づくりにも一段と工夫がみられ、楽しく、大きな感動を頂きました。皆様も、ミュージカル、いかがでしょうかね?お子さまが幼くても、今は特別なエリアもあり、安心してご覧になれます。どうぞ、お楽しみ下さい。

≪感じてほしい 栗、どんぐりころころ≫
 秋になり、園長席の前には、栗、柿、かぼちゃ、さつまいもにトウモロコシ、落花生、とうがらし・・・まさに収穫の秋、スマイルファームのさつまいもも順調に育っていて、まもなく掘って、お家に持ち帰ることでしょう。お楽しみに。
特に、子どもたちにわかりやすい栗は、子どもたちに素手でさわって、痛がってもらいたくて、イガ付きの栗の実を出しています。あえて、イガに触れてみて、そのトゲの痛さを体験し、栗の実に興味と理解を深めて欲しいと思っています。まさしく、体験は、教えられないのですね。
 先日、TV番組で、スイーツ特集をやっていました。モンブランやショートケーキにも様々にも立派な栗がのっていて、とても美味しそうなお菓子特集でした。影響されて、コンビニに行ってみると、栗は1つ1つむいてパックされ、とても食べやすくなっているのです。便利で簡単で、食べてみたら、本当に美味しいこういう時代だと思いながらも、いや、こういう時代だからこそ、イガの付いた栗の実を子どもたちに触れさせて、物の正体や道理、本当の姿を伝えなければと思った次第です。
 そして、またこれも例年のことですが、園長席の前に木のたらいでドジョウを飼い、その横にどんぐりの実をたくさん置いておきます。童謡の♪どんぐりコロコロ、どんぶりこ、おいけにはまって、さあたいへん、ドジョウがでてきてこんにちは、ぼっちゃん一緒にあそびましょう。と、大きな声で子どもたちは歌います。でも、今は、ドジョウを見たことも、さわったこともないお友だちが多いのも現実です。その割にドジョウがでてきて、こんにちは・・・実体験を伴わないけど歌っちゃう子どもたち、歌詞と現代社会が乖離していますね。だからこそ、子どもたちに歌の世界を体験してもらいたい、そこで何かを感じてほしいと思ってのドジョウ体験をしています。きっと、素で生きている子どもたちなら、感じることもたくさんあるものと想像しました。

まぁ、こんな意味を含めてではないのですが、今年の運動会の入退場門は、どんぐり門、どじょう門です。晴れますように

≪運動会で、育つ≫
毎年、お伝えさせて頂いておりますが、ふじようちえんの運動会への基本的な姿勢をお話させて頂きます。
運動会は楽しい行事ですが、競技に参加したり、大勢の人の前で演じたりすることを通じて育つ、言わば子どもを育てる多機能な装置みたいなものと考えています。
でもその装置はものすごく性能が良くて、準備や練習の日から当日までの時間の中でお友だちと協力すること、競い合うこと、できたときの達成感、または自分の番を待つあのドキドキ感、人前で演じることの体験等々・・・言い尽くせないほどの多くの体験や心の成長に貢献できることがいっぱい備わった装置なのです。
そんな訳で、運動会を子どもが育つための大切なステップとして捉えています。ただそのステップは、単に○○が出来るようになったとか、踊れるようになったとかいうことを目的にしたものではありません。それも大事かもしれませんが、それ以上にみんなで練習に参加して力を合わせることを経験したり、かけっこなどで早く走れるように努力する心が芽生えたり、みんなで難しい踊りを覚えてお互いに助け合うことなどを体験できる時間を過ごす方が何倍も重要だと思っています。つまり、運動会を迎えるまでが本当の運動会、練習こそ運動会そのものだと考えています。運動会でふじようちえんが大切にしていることは、“力をあわせること”“競い合うこと”“みんなで仲良くなること”です。子も親も園もみんなで育ち合える運動会にしていけたらと思っています。【運動会を教える幼稚園にはなりたくない、運動会でみんなが育つ幼稚園でいたい】ということです。

≪人生を一日にたとえると・・・≫
以前、お話ししたことですが、お母様方によく聞かれることなので再度お伝えさせて頂きます。
まず人生を72年とします。これを1日24時間で割ってみると、「3」という数字が出ます。この「3」という数字は、1日の1時間が人生では3年にあたります。あなたの年齢を、この「3」で割れば、人生を1日にたとえることができます。
たとえば、あなたが12歳だとします。12÷3=4、12歳のあなたは、1日にたとえると、午前4時になるのです。皆さんの人生時間、今何時ですか?私の場合、昼間の活動時期を終え、お風呂も入り、夕食も終え…になっています。こう考えると、なんだか残りの時間がとても貴重に思えてきました。
作家の喜多川泰さんも、自分に絶望したり、心を荒ませている若者に、「あなたの人生を一日にたとえると、まだ、朝の6時にもなっていない。今まで、苦しいことや悲しいことがあったのだろうが、それは、あなたが寝ている時間に起こったこと。つまり、夢の中のことだ。夢で起こったことで、あなたはこれからの人生を良くない方へ変えていくのですか」と…流石です。ちなみに、前述、仮定した人生72年を超えている方の場合、翌日になるということでしょうかね?人生100年時代は…なんと翌朝の9時すぎ、2日がかりの人生元気とパワーが必要な時代ということですね