園長だより vol .198 (2018.10.31)
2018年10月31日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
秋も一段と深まり、枯葉が舞い散る季節となりました。皆様、如何お過ごしですか? 私は毎年11月になると、今年もあと2ヶ月とばかり、暮れへの準備を考え始めるのですが、そこから先が一向に進まず、毎年、ぎりぎりの大掃除と年賀状作りになってしまっています。恥ずかしながら毎年の反省がちっとも活かさていません。『今年こそは…』と周りに言うと、明日からダイエットと言っているのと同じようなもの、と言われ、変に納得。確かに…でも今年こそは!
寒さが増し、風邪の季節がやってきました。お体ご自愛下さいませ。
先日の運動会では、秋晴れの空のもと、多くのご家族様にご来場頂き、ありがとうございました。また、綱引き等々、各競技へのご参加ご協力、心より感謝申し上げます。その後、筋肉痛は大丈夫だったでしょうか?お陰様で、運動会も無事終了できました。子どもたちにとっても、ご家族様が見ている前での各競技や踊りの中に、練習で培ったがんばる心、みんなで力を合わせること、競い合うこと…を発揮できて、心と体が育った運動会になりました。また、行進や開会式、閉会式…様々な場面でも、お子様の成長を感じて頂けたものと思っています。
最後に、当日、お手伝いしてくれた卒園生に皆さんに心より感謝を伝えたいと思います。みんながいたから出来た運動会でした! 大感謝です! 来年も、よろしく!
また、先週のさつまいも掘り、子どもたちは、自分で見つけて、掘りだした大きなさつまいもに、とても満足そうな顔をしています。さらに、もう一つ、もう一つと見つけては、喜び、やがて自分で見つけた!掘った!という達成感が、満足感になり、自分は出来るという自信へと育って行く現場を感じがしました。そして『園長先生、見て!見て!』と大きなさつまいもを吊るしているお友だちの声に『すごいね!お母さんに見せようね!』と応えると、大きくうなずき、目がキラリ。まさに、自己肯定感成長!さつまいもの持っている育つ力は、天ぷらで美味しく食べて育つだけではありませんでしたね。
最後になりましたが、つる刈り、さつまいも掘りにお手伝い頂きましたお父様、お母様、ありがとうございました。皆様の汗と泥まみれのご努力は、子どもたちの育ちにしっかりつながっていました。まさに、子どもが育つ、つる刈り!ですね。
≪落ち葉プール&カンナ屑プール≫
園庭の木々から落ちた葉を小さな熊手で子どもたちが集め、落ち葉プールに貯めて、その中に体を埋もれさせて遊ぶ日も近くなって来ました。落ち葉を貯めたプールは、背中や靴に葉っぱが入って…ゴワゴワ感がありますが、幼い頃、楽しく落ち葉と戯れる時間、落ち葉のにおいや感触を体全体で感じることは貴重だと思っています。これが何の役に立つのかと問われると、答に窮するのですが、自然と関わっての体験は、単純に人生豊かなんじゃないかなぁ?と思っています。こういう遊びは忘れてしまう記憶だと思いますが、いつの日か、もしくは自分の子どもが同じことをしている場面に出会った時などに、その昔の記憶がよみがえって来たりするものです。よみがえる記憶の原体験があること…思い出したり、共感したり、思いを馳せたり…豊かな人生時間につながって行くように考えています。だから、子どもは“落ち葉プール”で遊びましょう!
ちなみに、落ち葉プールの横に、“カンナ屑プール”も出来ました。大工さんが柱などの木材の表面をツルツルスベスベにするためにカンナと言う工具で削ったもの、分かり易く言えば、たこ焼きの上にかける花かつお(かつお節)みたいなものす。その木の花かつお、カンナ屑と言っても、熊本県小国町と言う木材産地から頂いた、とても良いヒノキの香りがするとても上質なカンナ屑、みんなでカンナ屑プールに入って楽しみましょう!豊かな人生時間づくりのためにね。
≪道徳の時間≫
先日、近くの立川第9小学校の道徳授業地区公開講座で講演をさせて頂きました。現在、小学校では、道徳が教科になっていて、各学年に相応しい題材の元、子どもたちそれぞれが考える、正解のない課題に様々な考察をして行く、言わばアクティブラーニングを実践する場にもなっていました。私が育ったころの道徳の時間は、世界や日本の偉人の話を本で読み、学んだスタイル、今とは、だいぶ違います。みんなの考えをそれぞれに言うという授業形態もとても良いと感じました。道徳授業公開後、保護者様へ講演させて頂いたポイントです。以下お伝えさせて頂きます。
① 道徳心は10才までに! と言われ、幼いころから、親や先生、周囲の人たちから学びます。そこを過ぎると明確な判断基準が出来てきて、分っているのに『ああだ、こうだ!』と言われるから、グレる、キレる、無視する子が増える…とも言われています。
② 道徳とは何か?『何を我慢しなくちゃいけないか?』を自覚してもらうこと。自分という人間が、どういう制約の中で、どう生きていくのかを理解してもらうこと。例えば、順番を待つ、廊下を静かに歩く、使ったものは元に戻し、つぎ使う人が困らないようにする…また、逆に『子ども時代のわがままを抑えること』が道徳・しつけとも言えます。では何故?わがままを抑えなければならないのか?一つには、社会の一員として協調性が求められるからということ、それと、わがままばかりしていると、自分に出来ることだけ、したいことだけ、言われたことだけをする人間(私ども大人にも言えますが)になって、自分の殻の中に閉じこもり、自分の枠を超えてみることが出来なくなってしまうからです。出来ないことに挑戦し、やりたくないことでも必要なことは自発的に行う、また言われた以上のことをやろうとする・・・この姿勢こそ、新たな自分の誕生、わがままを抑えれば、未来に向かう自分の姿が段々見えてきます。
③ 人生で、一番の喜びは何か?楽しいことをいっぱいすること?有名になること?お金持ちになること、いろんな所へ旅行すること?様々な喜びがあると思うけど、人生で一番の喜びは、誰かに喜んでもらうことだと思います。あの、アンパンマンのやなせたかし氏も『人生は、よろこばせごっこ』と言っています。今、勉強していることも、必ず未来の誰かの喜びにつながっているのです。
④ 子どもはみんな、お父さん、お母さん、先生に、誰かに・・・喜んでもいたいのです。親に喜ばれたい、親を喜ばせたい、良いこと、正しいことをしたいという思いが子ども(人間)にはあります。これを良知と言います。ではなぜ?人を殺める人間が生まれるのか?それは、小さい時に自分は喜ばれる存在であるということを感じず、気付かず育ったり、または、その思いを裏切られた子ども時代を過ごしたりしたからだと想像できます。
⑤ 園や学校での取り組み・・・・笑顔、あいさつ、お返事、5S、ハイタッチ
⑥ 家庭や地域の役割・・・大人が手本 親のプラス言葉 褒めるより喜んであげる
⑦ 大人と子どもの関わり方・・・ダメ出しより良い出しを! 以上。
まったく、親になるのも修行ですよね。
園長だより vol .198 (2018.10.31)