2014年3月20日 園長だより
2014年03月20日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
幼稚園の小さな田んぼでチューリップの芽を見つけました。土から少しばかり顔を出している小さな芽ですが、そこに春の訪れを感じ、一人うれしくなりました。そんな感傷的な気持ちで他に目をやると・・・水もぬるむ季節とは言うものの、子どもたちは井戸で水遊びに夢中です。少しばかり早すぎる感じはしますが、子どもたちはすでに春を通り越して夏に入っているようです。まったく、子どもたちにはかないません。
何かと慌ただしい年度末、3月、皆様、いかがお過ごしですか?
春は好きだけど・・・同時に、季節の変わり目、花粉の季節、お体ご自愛下さい。
お泊り保育でみんなで作った年長のクラス旗が春風に吹かれて大きくはためいています。まるで、年長さんが『まだ、幼稚園にいたいよぉ~!! 遊びたいよぉ~!!』と言っているみたいにその存在を旗でアピールしているみたいです。いよいよ、『おめでとう』と『ありがとう』の言葉が入り交るこの時期、巣立ちの季節になりました。
先日、年長のお友だちに『大きくなったら、何になりたいの?』と聞いてみました。
お花屋さん、サッカー選手、クレープ屋さん、お医者さん、プリンセス、パティシエ、車の修理屋さん、スケート選手、アイスクリーム屋さん・・・たくさんのなりたいもの、やりたいことを聞かせてもらいました。今のみんなの思いを聞きながら、多少大きめの園服を着ていた入園当初の姿が思い浮かびました。3年という月日がみんなを育て、将来の姿も自ら話せるようになりました。今、それぞれの思いを胸に未来に向けて羽ばたこうとしています。すばらしい出会いと時間をありがとうございました。
みんなの夢が叶いますように・・・。そう言えば、カバンも小さく見えますね。
そして本日、修了式を行い、平成25年度を無事終了することが出来ました。これもひとえに、ご父母様、ご家族様、藤の会本部はじめ各チームご担当の皆様方のご理解、ご協力のお陰と心より感謝申し上げます。そして『おめでとうの会』本当に楽しい時間、ありがとうございました。みんなで笑って、笑ってハッピーになれました。
また、先日は桜の木を記念樹として藤の会様よりプレゼントして頂きありがとうございました。桜の木は、2本、淡いピンクの花が咲くソメイヨシノと早咲きの河津桜の一種でオカメ桜というものです。咲いている桜が外からもよくみえるように、上砂会館方面より来ると正面に見えるように植えました。咲く桜を見て、幼稚園のこと、友だちのこと、そして先生のことを思い出してくれたら・・・うれしいですね。
≪ただ、ほめると・・・≫
タレントの萩本欣一氏は、子どもがいいことをした時、単純にほめない方がいいと言われます。なぜなら、いいことをただほめると、そこで完結して自分で考えなくなるからだそうです。大切なのは、「その先の一歩」を考える力なのです。さらに工夫する力が付けば、子どもはより幸せに生きることが出来ます。欣ちゃんは、例えば、「お使いに行ってくれてありがとう」では足りないと言います。「お使いに『急いで』行ってくれてありがとう」が正解だと言います。こう言えば、子どもは「次はもっと急いで行ってこよう」と思います。行為だけではなく、気持ちをほめてあげることが大事だと言われています。
小学生を成績の優秀なグループと中位のグループに分けて行った実験でもこのことは結果に表れていました。2グループに同様の問題を何回かやってもらいました。一つは成績優秀なグループ、みんな高得点ですので“単にほめる”ことをその都度したそうです。もう一つの成績が中位のグループには、何回か行ったテストの度にその上がった点数、成果に注目して“その努力をほめた”そうです。次第に中位グループのメンバーの中にはやる気が起こり、やがて、かなりの好成績を出しました。逆に、最初から優秀なグループのメンバーには、だんだんと点数が下がり出すという子も見られたそうです。これが、欣ちゃんの言っている様に、ただほめるとそこで完結してしまうという事例だと思います。その努力をほめることに着目し、心掛けて、声掛けして行きたいものですね。親が、もっと子どもをやる気にさせ喜ばせる方法はないか、子に対して、その先の一歩に気をまわす習慣が付けば、その子どもはすばらしい成長をするものと思います。
親をするのも、親になるのも、本当に修行ですね。頑張りましょう!!
≪顔を見せる≫
あるラジオで聞いた話ですが、ある日、病気で入院している親戚のおじさんの所にお見舞いに行ったそうです。おじさんは、『お前も来てくれたのか!!』とうれしがり、涙を流し喜んでくれたそうです。おじさんは、入院生活でさびしかったのでしょうね。
おじさんの涙にその人は思ったそうです。今までの、誰かと会う時、何か用事がないと会いには行かないという姿勢を考え直したそうです。おじさんの喜んでいる顔を見ていて、何も用事が無くても、ただ“顔を見せる”ということは、とても大事なことだと改めて思ったとのことでした。
例えば、実家から離れ、お正月とお盆に帰るとして、年・3日として、あと20年母親が元気でいるとしても合計60日しかありません。人生あと2ヶ月しか母親と一緒に居れないと言うことに愕然としたと話していました。オーバーな計算かも知れませんが、あながち違っている様にも思いません。メールでやり取りし、空気感が無いスカイプで向き合って話す・・・良くも悪くもネットに支配されざるを得ない時代ですが、顔を見せながらの人と人が会うこと、話すこと、心がつながり合う時間を本当に大事にしなくてはいけないと思いました。こんな時代だからこそ・・・。
そうそう、卒園児の皆さん、用事が無くても“顔を見せてね”
≪自分の役割とジグソーパズル≫
卒園児の皆さん、ご卒園、おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
卒園式の練習で一人一人に修了証書を渡している時、みんなの本当に真剣な目を見ることが出来ました。大人になったら・・・どんな大人になるのかな?どんな顔してるのかな?何をして活躍してるのかな?様々なことを思い巡らせました。
『人は生まれてきたからには、どんな人でも役割がある』と聞いたことがあります。まさしく、自分の役割を見つける旅こそ、これからみんなが歩き始める人生かも知れません。自分の役割を見つけて、その役割で世のため、人のために尽くす生き方をして欲しいと思っています。役割の見つけ方は、何でもいいから、目の前のことに一所懸命になり、とことんやってみることだと言います。お勉強でもスポーツでも、音楽やダンス、絵画や読書、外国語・・・何でも好きなことを大事にして下さい。好きなことなら、とことんやれますよね。やがて、その中に、自分の役割が見つかるものだと思います。その役割で、まわりの人を照らせば、やがて自分も光り出すものです。
でも、世の中、何事も順調に全てが上手く行くことはまずありません。そんな時、園長先生は、人生は、一つのジグソーパズルだと思っています。ジグソーパズルは様々なピースが集まって一つの絵になっています。一つだって欠けたら絵は完成しません。人生も同じ、良いこと悪いことがあって、初めて人生というジグソーパズルが完成して行くのです。卒園児の皆さん、卒園はゴールではありません。一人の人間として役割を見つけ、ジグソーパズルを完成させる旅のスタートです。
さぁ、出発です!! 良き旅を!! 良き出会いを!!
最後になりましたが、日頃よりご父母、ご家族の皆様にご理解、ご協力頂きまして、心より感謝申し上げます。皆様のあたたかい応援、声援、そのお心こそが、私ども教職員一同の励みであり、喜びです。お陰様で、充実した子どもたちとの時間を過ごすことができ、教育に全力を尽くすことが出来ました。ありがとうございました。
これからもお子様が健やかに育ち、ご家族様に良いことがいっぱいありますように、教職員一同お祈りしています。 感謝!! 感謝!! 感謝!!
園長だより vol .135 (2014.3.20)