ふじようちえん

園長だより vol . 202 (2019.1.31)

2019年01月31日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

年末、南側一時駐車場の“こぶしの木”が剪定され、たくさんの枝が地面に落ちていました。なんかもったいなく思って、芽が付いている一枝を植木屋さんに断って頂戴しました。園長席の一輪差しに生けて約1か月、白い花が咲きました。春は梅の花が春告げ花と思っていましたが、こぶしの花も充分に春を感じさせてくれます。
ちなみに、立川市の花がこぶしの為、立川市にはこぶしの木が多くあります。そして、幼子の握りこぶしに花の様相が似ている所からこぶしと言う名が付いたとの説もあります。花言葉は、愛らしさ、友情、友愛、純白で曇りのない花姿に由来とのこと。なんとなく、子育てにあったかいまち、立川に期待も膨らむところですね。

皆様、いかがお過ごしですか?寒さも今がピーク、インフルエンザや風邪も今がピーク、みんなでうがい、手洗いをして、この時期を乗り越えましょうね‼

≪劇発表会で育つ‼≫
まもなく、劇発表会、子どもたちは、力を合わせて一所懸命に練習しています。最初、劇のお話を理解し、そして、自分の役になりきり、台詞を覚え、出番を待ち、立ち位置を確認し、自分の台詞を言う。台詞を言う順番に緊張したり、歌ったり、踊ったり、人前で劇を演じることをしながら、みんなで劇に取り組んでいます。
きっと、当日は、練習で頑張った以上に、達成感、満足感、そして、それぞれに自信がつくことでしょう。演じて育つ、それぞれの自立への一歩になると信じています。
ただ、この劇発表会、残念ながら親がいくら心配しても演じるのは子どもなのです。親は、観客席からは見守るだけで、何もしてあげられないのが現実です。結局、親って、木の上に立って、子どもの成長を見るという字のごとく、育っていく我が子を見てあげることしかできない存在なのかもしれません。人生の親子の立ち位置の縮図が劇発表会?かも知れませんね。
でも、きっと心配する親の気持ちをよそに、練習の成果を発揮して、しっかり演じてくれることでしょう。ご家族で、お子様の成長、そして、劇をハラハラ、ドキドキ、暖かく見守って頂ければうれしいです。どうぞ、皆様でお越し下さいませ。

≪小さな図書館≫
少し前になりますが、アメリカから一枚の写真をもらいました。愛らしい小さな箱型の本箱でした。なんとなくかわいく思い、その画像を消さず録っておきました。
たまたま、最近、新聞記事を見て気づいたのですが、その画像、実は、自宅の前や街角に小さな木箱などを置き、地域の子どもたちに絵本を無料で貸し出す「小さな図書館」だったのです。子どもが成長して不要になった絵本や児童書を中に入れ、誰でも自由に借りられる仕組みで、米国で設置運動が始まった“マイクロライブラリー運動”と言うものらしいのです。皆様ご存知でしたか?
日本では、長崎県大村市で広がっていて、住民たちの地域交流にも一役買っているとのことです。『子どもたちが本に触れる機会になれば…』との思いで、子ども目線に合わせた高さ約1mの箱を開けると、絵本が並んでいて、返却期間はなく、他の小さな図書館に返してもいいというルールになっているそうです。小学校の通学路などに置かれ、子どもたちを見守る中、地域の人たちとの会話も生まれているとのこと。
また、デザインも様々で、インスタ映えするとのことで、地域では小さな図書館巡りMapもあるそうです。(Mapは、大村市子育て応援リユースプロジェクトのHPでご覧になれます)
ふじようちえんでも“みんなの持ち寄りライブラリー”と称して、小さな図書館を作ってみました。正門入って左側、ヒマラヤ杉のもとに設置しました。子どもたちに絵本や本、文字や漢字に触れてもらうことは、様々な語彙に出合うことになります。多くの語彙を知っている方が、考えが広がり、その内容が深まるものと考えています。
まぁ、そんな思いもありますが、子どもたちに気楽に本と出合ってもらいたい‼と思ってます。もし、小さな図書館にご興味があり、絵本あげるよ、という方がいらっしゃいましたら、どうぞ入れて置いて下さい。もちろん、貸し出しもOK‼です。

≪チームワークで育てる≫
先日、縁あってモータースポーツ界のイチローこと、モナコGP、インディ500、ル・マン24H耐久レースの世界3大レースに参戦された唯一の日本人、中野信治さん(ホンダのレーシングチーム・TEAM MUGEN監督)のお話を聞く機会がありました。カーレースと言っても、その昔、友人にFujiスピードウェイで開催された日本初のF1レースに誘われ、訳も分からず、興味本位で見に行った記憶があるぐらいの私にとって、F1レースは未知の世界です。
中野さんのお話によると、F1レースは最高速度で時速360Km、ドライバーの心拍数は毎分170~180(通常80位)で、2時間維持し、縦と横の重力は通常の約5倍(5G)、コクピット内は気温60度と言う環境で、敵との駆け引き、競い合い、チームとの無線交信、的確な判断等々、ものすごいスピードでものごとが起こってくる状況ということです。もちろん、今は、ほとんどパワステらしいのですが、基本的に体力がものすごく必要なのがドライバーであり、頭脳面、メンタル面、勝負感…あらゆる面で競争相手より早くゴールするために努力しているとのことです。
モータースポーツは、スタート時点で7、8割、勝者は決まっていると言われました。“車は、数学で出来ている”と言われ、何千、何万という部品の組み合わせで出来ていて、その日の天候、気温、風向き、路面状況…様々な外的環境を読み切り、様々な部品の組み合わせを調整しながら、ドライバー、エンジニア、メカニックのチームワークで、理想とする車の状態に作り上げていくのだそうです。チームの力で車を作り上げていく、いいチームはスタート時点で9割方出来ているから、勝者になる確率が高いということです。ドライバー、エンジニア、メカニックの3者のコミュニケーションができ、相互理解がとても大切で、“みんなの気持ちのベクトルが、同じ方向を向いていないと勝てない‼”ということです。(何にでも通用しますね)
とかく、勝利したドライバーだけが注目されますが、その裏には様々な人たち、そしてそのチームの力がとても大きかったということです。幼稚園でも、子どもが育つことをF1レースに例えるなら、先生たち、それを支えるスタッフ、そして、子どもの健康状態を含め心の面等々をケアするご家庭の力、このチーム力で子どもの育ちを支えることがとても重要なことと改めて感じた中野信治さんのお話でした。

園長だより vol . 202 (2019.1.31)