ふじようちえん

園長だより

2006年12月04日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ            

 今朝、近所の畑に霜を見ました。12月に入っていよいよ厳しい寒さの冬を迎えました。
園庭のケヤキも葉を落とし冬の準備の真っ最中です。 おかげで“落ち葉プール”は落ち葉でいっぱい、子どもたちもいっぱいにあふれて、みんな大喜びです。この落ち葉のにおいをいつまでも憶えていてほしいな・・・なんて密かに願ったりして。皆さん、落ち葉のにおい憶えてます?
皆様、風邪などひいてないですか?幼稚園でも風邪でお休みのお友だちも見受けられるようになりました。うがいと手洗いを習慣づけましょう。

 先日、立川警察者から交通安全活動での優良団体として表彰状を頂きました。幼稚園名で頂きましたが、これは、ひとえに長年にわたる藤の会・安全対策チームの皆様、ご協力頂いた多くのご父母の活動のたまものと思っています。改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
今、本年度安全対策チームが作成頂いた“こうつうあんぜん わーくぶっく”を使わしてもらっています。みんなで色をぬったり、標識を切り取ったりして楽しみながら交通ルールの理解をすすめています。そして、お約束が守れる子どもへ、そして大人へと成長してほしいですね。『分かっているんだけど・・・守れない、守らない。』ということをなくしたいですね。
これを期に、さらに交通安全推進に努めて行きたいと思います。合せて、ご家庭内でのご指導もよろしくお願い致します。

各クラスでは、描いたり、切ったり、こねたり、貼ったり、縫ったり・・・とXmas’フェスタのアートライブ(作品の展示)のために、一所懸命な作品づくりが行われています。子どもたちは、お互いに教えあったり、また、他のお友だちの作り方を見ていろいろなことを吸収しながら成長の時間を過ごしています。なかなか、製作途中の光景をご覧頂くことは出来ないのが残念ですが、幼児期の育ち、学びのスタイルをご理解いただくには典型的な様子と思っています。子どもたちにある種の空間の中で、活動を与え、その活動がお友だち同士で影響し合っている姿です。1人で作品を作っているようですが、実はその作品には多くの目に見えないお友だちの力も含まれていると思っています。よく言う、“育ち合う”現実がそこにある訳ですね。クリスマス・フェスタではそんな意味も含めて楽しんでみて下さい。お待ちしています。 

≪卒園児来る≫
 15年振りにやってきたお客様、なんと当時職員室によく来ていたヒロシ君でした。玄関に立っている立派なスーツ姿になんともいえない満足感を感じたものです。そう言えば、ヒロシ君は、特に私と仲が良く、いつも私の後に付いてました。そのヒロシ君の特技?は、山手線や中央線などの駅名をすごくよく知っていることでした。私もよく『ヒロシ、山手線一周の駅名、言ってごらん』なんて言ってもらって、感心していた記憶があります。
そのヒロシ君は、今、京王線のある駅の業務についているとのこと、『近く電車の運転手さんになるんだ。』と言ってました。一度、車両整備の仕事に就いたんだが、やはり小さい時からの夢、『電車の運転手になりたい』という気持ちを大切にしたという事です。小さいときの夢を実現させているヒロシ君に拍手です。がんばれ!!
 偶然ですがその日の午後、今度は数年前にご退職された池田さんがやってきました。職員室のお世話係で多くのお友だちのあいだで人気のおばちゃんでした。小さい子によく山形弁(酒田市周辺出身)で『こらっ! そんなことしちゃダメだ!』と独特のイントネーションで言っていたものです。でも、言われた子どもは、何を言われているんだか?方言がわからなくて・・・きょとんとしているなんてこともありました。その池田さん、この前、歩道を歩いてると通行車両の中から『池田さん、元気か!! 元気でいろよ!!』と言う声がかかったそうです。当時の幼稚園でのふれあいがいろんな所でまたつながりになっているんですね。活き活きと話す池田さんの顔が輝いていました。
 翌日、高校生になっている卒園児から幼稚園あてに一通の手紙がありました。大阪にいることや今の状況等が書いてある中で、な、なんと、『今井先生が僕の理想の人』とあります。今井先生もびっくりするやら、嬉しいやらで突然の出来事に卒園アルバムを出してきて確認してました。
こう続くと、『何かが昔の時間と交流したがっているのかなぁ?』なんて考えてしまいました。
幼い時に受けた印象、イメージ、思い出や夢を、ある面で生きていくかてにしていてくれていることに感謝です。やりがいと役に立っているという満足感で幸せを感じる瞬間です。
園舎が変わっても、すごく時間が経っても、気軽に帰れる所、ふじようちえんでありたいし、帰ってみるとその時の自分に会える場所、ふじようちえんでいたいなぁ・・・なんてもの思いにふけってしまいました。
ヒロシ君が帰り際、『園長先生、滑り台ってあんなに低かったっけ!?』と言ってました。そうです、幼稚園に帰ってきた人がみんな言うことです。皆さんもこの感覚、ご経験あります?

≪X’masとプレゼント≫
 最近は何でも早くなりました。欲しいと思えば買う買わないは別にして、インターネットや近所のショッピングモール等ですぐに見れたり、手に取ることが出来るようになりました。社会全体がすごく早く、便利になってきていますね。また、早く、早くの流れに乗って、家の中でも子どもたちに『早く、早く!!』の大合唱なんて・・・こともあるかも知れませんね。
(私もついつい言っちゃうことがありまして、よそ様のことは言う立場ではありませんが。)
そういう現代だからこそ、幼児期ぐらい“早くない時間の流れ”を大切にしたいものですね。
皆さんも小さい頃に何かを“待った経験”、何かが“待ち遠しい”気持ちを抱いた事ってありますよね?誕生日に何か買ってもらえるから誕生日が来るのが嬉しかったものです。しかし、今は、いつでも買ってもらえるから“待つ喜び”を知らない、わからないという子どもも多くいます。
X’masプレゼントでも同様に考えられます。モノとしてのプレゼントの満足感も大事ですが、X’masに至るまでの日々で子どもの心を期待感でいっぱいに満たし、本当に待ち遠しい気持ちで迎えさせるには?と考えてみるのも子どもの成長に役立つと思います。きっとそこには、本当の喜び、感動があると信じています。
親が苦労してせっかく手に入れたプレゼントも、子どもが手にした瞬間に、サンタさんからのプレゼントということを忘れて、幾つか数あるプレゼントの一つになってしまっては残念です。
純粋にサンタクロースからもらったプレゼントという喜び・感動を正面から味わってほしいと思っています。ひとつ、今年のX’masプレゼントは、出来るだけ子どもたちに“待ち遠しい”という気持ちを持たせるようにそれぞれのご家庭でご計画を立ててみたらいかがでしょうか?
今や“待ち遠しい”という言葉もなつかしい言葉かも知れませんが、大切にしたいものですね。
幼稚園では、クリスマスフフェスタの日に出会える?サンタクロースさんへ一人一人の思いを“サンタさんへのお願いの手紙”として渡します。この手紙は、サンタクロースさん経由で各ご家庭へ・・・。ご参考にして下さい。毎年、かなり難しいリクエストもあると聞いています。
              園長だより  vol . 46 (2006.12. 04)