園長だより:藤幼稚園のご父母のみなさまへ
2006年08月04日 / 園長だより幼稚園近くの梅畑に小さな梅の実を見つけたり、歩道のそばでもうすぐ咲こうとしているアジサイに出会ったりと確実に季節は初夏に移ってきていることを感じます。
季節の移り変わりとともに幼稚園に慣れてきたお友だちは本当に元気ですね。入梅直前、そんなお友だちを見ながら『元気が一番』と思いながらも益々元気なお子様の声に、『静かにしなさい!!』のお母さんの声が逆に大きくなったりする? 季節でもあるようですね。
皆さま、いかがお過ごしですか?
先日まで行いました初めての試み”ピクニックランチ”も本当に天候に恵まれて全てのクラス一回目を無事終了する事が出来ました。それぞれのクラス、簡単なゲームや遊びを通じて楽しい時間を過ごせたことと思います。ご参加、ご協力ありがとうございました。また、2回目もどうぞよろしくお願いします。残念ながら、四つ葉のクローバーは見つけられませんでした。でも、”七つ葉のクローバー”を見つけたお母さまがいらして見せてもらいました。計算でいくと、四つ葉より1.75倍幸せになれることになります。どうぞ、それ以上に幸せになりますように・・・。それにしても、幸せの代名詞、四つ葉のクローバーも強敵出現?でウカウカしていられないようですね。
時間
ある時、9小から幼稚園へ歩いていると老人施設から『♪Happy Birthday to you~、Happy Birthday to you~、Happy Birthday Dear ○○さん、Happy Birthday to you。パチパチパチ・・・○○さん83歳のお誕生日おめでとう!!』パチパチパチ・・・という拍手が聞こえてきました。いつも幼稚園の小さなお友だちのお誕生日で慣れているはずのお誕生日ソングがとても新鮮な感じがしました。改めて、いくつになっても”誕生日おめでとう”に込める心はいいものですね。また、同時に、いくつになっても流れている時間、行っている事は同じだなぁ~と思ったりして・・・。先日お配りしたPTA新聞”子どもの目~つぶやきことば~”の欄に、すみれ組のお友だちのとても素敵なつぶやきが掲載されていました。改めて、ご紹介させて頂きます。
何曜日?杏花のうちが月曜のときは、よそのおうちもみんな月曜日?
いかがですか?素直な子どもの心に触れた思いがしますね。また、このつぶやきをしっかり聞いてあげたお母さんもとてもいい子育ての時間を過ごされていますね。なんか羨ましいですね。このようなつぶやきは子どもたちの育ちの入口だったり、育つことそのものであると言えます。例えば、このつぶやきから想像するに、曜日に関心をもち始めてから、週、月、年とかの概念に触れていき、同時に時間や季節にも興味が広がっていくことなどが考えられます。今更ながら、私は、その昔幼い時に新しい服を着るたびに、お正月?と聞いてたり、小学生の夏休みには学校に行くか?行かないか?や、遊べるか?遊べないか?すごく単純なことで時間や月、年のことを覚えてきたように記憶しています。
幼稚園でも今は工事保管中、また登場しますけど、園庭にあった日時計と針時計の対比も時間のこと、時間の道理を子どもたちに伝えたい、感じてもらえたらと思い設置していました。いわゆる、針時計の針を読むこと、読めることよりも日時計でお日様の動きを棒の影で見て、お日様の動きと時間の関係らしきものに触れてもらえばと思っています。また、10年しか生きてない子の一日と40年生きている大人の一日はその経験した内容から言っておのずと一年が以前より早く過ぎて行くという法則?があると言われますが・・・。それにしても、一日が早く過ぎていく感じがしていますね。すでに今年も半分きていますよね。折りしも6月10日は時の記念日(1920年、大正9年に時間を尊重・厳守し、生活の改善・合理化などをめざして制定された。)です。今一度、時間について考えてみてはいかがでしょうか。蛇足ですが、ドイツとの時差は、8時間です。がんばれ、Nippon!!以上。
幼児期の影響
幼児期の体験がその後の人生に影響するとよく言われます。誰でもいろいろ思い出すこと、場面等があるのではないでしょうか? 食べものの例で恐縮ですが、小さい時にケーキを食べすぎて吐いてしまってから今はケーキがダメになったとか、漁師の家庭に育ちいつも魚ばかりを食べていた人が、今は魚がまったく苦手になったりと様々ですね。私も小さい時に長靴の上から近所の子犬に足を噛み付かれてから犬が苦手です。いろいろな幼児期の体験が今を作っている訳です。
先日、さつまいもの苗植えをしました。その苗は苗床という場所で育ててある程度伸びたら刈り取って畑に植えて芋になるまで育てるという手順になっています。実は、この苗、切り取ってから数日置いてから植えます。本来、強い苗ですが、早く土に入りたい気持ちをあえて我慢させるのです。我慢させると余計によく育ち、育ちに勢いがつくそうです。きっとこの幼児のような苗は強く育っていく事でしょう。何か・・・子育てに似ていませんか?現在、なんでも便利になり我慢する事がなくなり、我慢する力が弱まるどころか我慢の概念そのものが失われて行く方向に社会が向かっているような気がしてなりません。特に、退屈を我慢することが無くなってきましたね。今の子は退屈だとすぐにTVゲームに向かってしまいます。わが子が騒がしい時に『TVゲームでもしててくれよ』とよく言った私が言うのも変ですが、TVゲームに本当の満足感を得ているんでしょうかね?子どもたちがゲームに夢中になっている姿、それは一見、退屈では無いように見えますが、本当に退屈を発散しているんでしょうか?やはり、五感を使った感じ方、遊び方をしていないと本当の満足感が得られないんじゃないでしょうか。そのためには、自然の中で遊ぶのが一番だと思います。
ある時、狭い道いっぱいに中学生が登校していました。私は、車をゆっくりと進めたのですがちっともよけてくれません。・・・多分、小さい時から危険な目にあったことが無い子たちなんだろう、安全な家の中で育ち、リスクのない学校施設で過ごし、ケガをせずに成長し、とうとうキケンを感じられない体になってしまったかのようです。言い方は変ですが、せめてころんだ時の痛さを知って大人になって欲しいと思いました。あまりによけてくれないので中学生にクラクション鳴らしてみました。何人かがわずかによけてくれました。どうやら、耳も一度検査してもらったほうが良さそうですね。