ふじようちえん

園長だより vol . 236 (2021.6.30)

2021年06月30日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

今、各クラスから、♪ささの葉、さらさら~のきばにゆれる、おほしさまキラキラ~ ♪でんでんむしむし、かたつむり~…梅雨の湿った空気を吹き飛ばすような子どもたちの元気な歌声が聞こえています。そして、園長席の前にはカブトムシ、クワガタ…スマイルファームで採れた、なす、きゅうり、トマト、ピーマン、ズッキーニ…もうここだけは、すでに夏のようです。皆様、いかがお過ごしですか?

もうすぐ夏休み、でも、今年は工夫が求められる夏休みになりますね。本当に早いもので今年も半分が過ぎ、あっという間に夏を迎えています。コロナに明け、コロナに暮れるような如何ともしがたいコロナ禍の中ですが、私たちは、安全面、衛生面で安心できる環境づくりをしながら、子どもたちが育つ時間を大切に、丁寧に過ごすことを心掛け、行事やイベント等々、いままでのスタイルを工夫しながら子どもたち、ご家族様に様々な体験をして頂けるように頑張って参ります。そして、今回、コロナ禍の工夫の一つとして、毎年、地元、阿豆佐味天神社様のご厚意で参道に展示させて頂いております七夕飾りは、ご家族様等々、人が集まり、密の状況を発生させてはいけないと考えて、参道への七夕飾りの展示は行わないことにしました。その代わり、子どもたちの願いを書いた短冊やきれいな飾りを付けた笹飾りを1人1本作って、お家に持ち帰ってもらうことにしました。どうぞ、お子様が一所懸命考えた願い事、ご覧頂き“おうちで七夕まつり‼”なんていかがでしょうか?ロマンに満ちた、彦星さま、織姫様のお話も…お楽しみ下さい。

≪親鳩の愛≫
正門左側のヤマモモの実が赤くなり、右側のスモモの実が大きく実っています。ふと見ると、近くのリンゴの木に山鳩の巣がありました。大きな枝の低い位置につくった巣でしたので、毎日近くで観察できました。晴れの日も、雨の日も、ただただじっと親鳥が卵を抱きながら温めていました。やがてヒナに、そして成長して、羽ばたいて巣立っていきました。子どもたちも、日々気にしながら、巣を覗いては、親鳥が卵を温めていることを確認し、ワクワクしながら過ごしました。ある時、親鳩の目と私の目が合った時がありました。一瞬、子どもを守る鋭い親の目を感じました。山鳩の子育ても子を思う親の気持ちは、私ども人間と同じで、本当に尊いもの、わが子への愛を感じました。特に、厳しい自然界で、自分で餌を獲得していかなくては生きていけないからこそ、早く巣立ち、自立させる育て方を見ると、これも愛情の裏返し、大切な愛の姿だなと思ったりして…。鳥も、人も、親の愛情表現は様々ですね。

≪1台のデジタルカメラから始まった‼≫
5月から行っている各クラスのドキュメンテーション活動、昔話からになりますが、現在に至るまでの流れをお伝えさせて頂きます。
今から25年ぐらい前、昭島のMORIタウンにラオックスという電気量販店がオープンしました。たまたま開店に立ち寄った私は、好奇心からソニーサイバーショットという新商品のデジタルカメラを購入しました。振り返ってみると、なんと、これがふじようちえんが現在も行っている子どもニュースや画像付きエピソード記録であるドキュメンテーション活動につながる原点になっていました。
1996年当時、デジカメで写真を撮影は出来ても、はがき用紙に印刷するしかない商品で、まわりの先生からは、無駄なもの買ってと冷ややかな目で見られたものです。何とか役立てないかと考え、ある時、はがき大の写真をB4用紙に数枚並べてコピー印刷してみました。勿論、白黒ですが、それを見た先生たちからは、保育の雰囲気がよくわかると好評でしたので、当時の印刷機(輪転機)で、わら半紙に園児数分印刷して配布してみました。今から思うと白黒印刷で顔もよくわからないような印刷物でしたが、これまた、幼稚園の様子がよくわかるとか、うちの子こんなあそびをしているんですね‼と言う声をご家庭からたくさん頂き、ご家庭に園の活動とお子様のこと、給食等、様々なことをお伝えするようになりました。それ以来、途中でカラー印刷にも変わりながら、お陰様で、約25年間、現在も毎週末の金曜日に“子どもニュース”としてお配りすることが続けられています。皆様のご理解に感謝申し上げます。
ちなみに、これを紙で出しているのは、当時の祖父母様に『ほらほら、うちの○○がここに載ってるよ‼』『どれどれ、見せて‼』なんて、1枚の子どもニュースを通じてご家庭内でのやり取りが生まれればと思って、あえて紙媒体でお配りしています。
撮影もデジカメから、iPodに替わり、先生方が撮影した各クラスの活動画像は、私のところに集まり、毎週合計が約5000枚を超えています。その中から、私が56枚を選んで印刷した原紙に徳野主任先生にキャプションを書いて頂いてます。
先生方は、日常の保育の場面を撮影したり、子どもの育ちの瞬間を捉えたりして、その画像から子どもの育ちや心の成長を読み取っている活動は、当園で行っているモンテッソーリ教育活動と共に、先生方の子ども理解を深めることになり、保育の質の向上に繋がっています。ただ、今まで子どもの日常の様子を撮影することで子どもの育ちの情報は保存していましたが、アウトプットは、子どもニュースへの掲載する数枚か、クラスだよりで使用するほんの数枚だけでした。そこで、先生方の撮影している画像を何とか活かしたいと考えました。
保育の質の向上が求められている中、保育ドキュメンテーション活動が、教育保育の見える化になり、さらにご家庭にも伝えることによって家庭内に対話が生まれるものと想像しました。さらに、ドキュメンテーションを作成し発信することによって、先生たちが日ごろの保育をご家庭にも理解してもらい、先生方の自信づくりにも役立つと考えました。5月から、おうちえんドキュメンテーションというアプリが、Fujiキャッチとリンクすることが始まり、双方とも相性がとても良く、使い勝手がいいと考えて導入してみました。ただし、まだまだ改善の余地が多々ありますので、今後ともご指導頂きたいと思っています。
また、その為に開園以来50年間続けてきた月1回のクラスだより(紙媒体)をやめさせて頂きました。私自身、寂しさもありましたが、時代の変化に対応していかなくてはと思い決めました。正直、紙でのクラスだよりづくりは、画像をプリントアウトして切ったり、貼ったり…作成に時間と手間もかかっていて、時間外勤務となり、先生方の働き方改革とは逆行する流れになっている感もありました。
そんな訳で、現在、撮影した画像、動画を中心に保育内容からエピソードを取り上げ、ストーリー性を大切に、コメントを付け、ドキュメンテーションとして、週に2~4回各ご家庭に配信させて頂いております。
今後とも、みんなで力を合わせてドキュメンテーションについての研修や実践を通じて、より今のお子様の育ちをお伝えできるように頑張って参ります。皆様のご理解、ご協力、どうぞよろしくお願い致します。

園長だより vol . 236 (2021.6.30)