ふじようちえん

2021年度 2学期終業式 園長だより vol . 242 (2021.12.23)

2021年12月23日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

寒く、木枯らしが吹きすさぶ早朝、枯れ葉を落としケヤキの影が、緑の芝生にくっきりと映っています。子どもたちが元気に屋根の上を走り回っています。しかも、ハーフパンツにFujiのTシャツです。余りにも元気な子どもたちに“子どもは風の子”という言葉を改めて実感しました。このパワーで、いろんなことにチャレンジして行ってほしいですね。ちなみに、“大人は火の子”と言って、冬の時期、寒がって火のそばを離れない様子を表現しているらしいのです。皆さんは、どちらでしょうか?

先日は、クリスマスフェスタにお越しいただき、ありがとうございました。分散開催で、限られた時間の中での歌の発表や作品の展示になりましたが、お子様の成長を見て頂けたでしょうか?作品づくりでは、何をつくるか?から始まり、どんな風に、どんな色に・・・私はこうしたい、僕はこんな形にしたい・・・いつも大切にしてきたことは、自分で考えることでした。みんな、それぞれに、今の育ちを表していて、何かを伝え、表現している作品になっていました。確かに、作品展示は、発表というステージですが、本当はそこに至るまでの制作や歌の練習プロセスこそが大切なのです。様々な場面で、いろいろと考えた経験、これこそが、今後の育ちにつながって行きます。持ち帰った作品、一つ一つが、お子様の育ちの宝もの、大切にしてください。

 本日、終業式を行い、無事に2学期を終えることが出来ました。まだまだ、コロナ禍の中での2学期でありましたが、ご父母、ご家族様のご理解、ご協力のお蔭で本日を迎えることができ、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
終業式では、「元気にご挨拶すること」「交通安全」の話をしました。この時期のご挨拶は、“良いお年を”“明けましておめでとうございます”お年玉をもらったら“ありがとうございます”など、大切なご挨拶の言葉がありますが、とにかく元気にご挨拶すること、また、お出かけが多くなる時期ですので、車に気をつけること、そして、最後に、お正月を楽しんで‼とお伝えしました。

≪二刀流の未来に、育ち、生きる‼≫
今年は、エンゼルスの大谷翔平選手の二刀流が、特別大きな話題になった年でした。
打者として46本もの本塁打、また、先発投手としても9勝を挙げ、米大リーグでア・リーグ最優秀選手(MVP)を満票で獲得するなど快挙を成し遂げました。ちなみに、数年前、副園長がアメリカ旅行に行った時、その旅行日程の中、わずかな合間を縫って観戦したエンゼルスの試合、たまたま大谷選手の打席にあたり、しかもその打席で、みごとホームランを打ったとのこと、運が強いというか?うらやましい限りでした。
確かに、すごい‼の一言では済まされないほどすごい‼大谷選手の二刀流ですが、この二刀流を私たちが日々送っている社会や自分自身に当てはめてみると…考えてみました。おそらく、現在のアナログとデジタル、またはリアルとバーチャル社会にも二刀流は置き換えて考えられるのではないかと思いました。個人的には、特に本を読む読書とスマホで読む読書?と言うことになるのでしょうかね?(字が小さいと読みづらく、拡大できるスマホ多用、実は変な二刀流です)
 そして、私がお伝えするまでもなく、生活様式もこの一年で急激に変化しました。お買い物も、ネットで済み、Uber利用も多くなり、どうしてもフィット感、肌触り感、食感を確認したい時にはお店に行くという感じでの生活様式になったようです。ましてや、コロナ禍、現金でお支払いするより、電子マネーやQR決済が、早くて、便利で、衛生的でと言うことを経験すると…想像もできないぐらいいろいろなことが出来るコミニュケーション可能な社会の入口に立っていることを感じます。
 これから、そういう社会に育って行くお友だちだからこそ、幼児期は、リアルで人とつながる体験をたくさんしながら育って行ってほしいと思っています。それが土台となった便利でスピーディーなコミニュケーション社会なら、本当にうれしいです。
先日のクリスマスフェスタでのプレゼントの手袋、個人的にはコミニュケーション手袋と言っていますが、手袋をはめて、お友だちと小指側同志を寄せ合うとハートの形が出来、人差し指側を合わせると星形が出来てきます。細やかなつながりですが、こういう体験が土台となった上での、スマホ等のコミニュケーション社会なら、いいと思っています。さてさて、夏はどうするか?皆様のお知恵拝借ですね‼

≪どの子も、子どもは星≫    東井義雄氏(教育者)
先日、久しぶりに開いた本で、出会った文です。ご案内の方も多いかと思いますが、教育者の東井義雄先生の心に染みる言葉、子どもに対する姿勢には、尊敬致します。
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教員生活五十五年、そのうち十二年余りを 小学校、中学校の校長を務めさせていただきました。私は大変幸せ者だったと思っております。
 現役時代はよく「あなたの学校は素晴らしいですね」と言われました。何のことかと尋ねると、例えば「いつ電話しても心温まる 受け答えをしてくださる。学校全体の温かい和やかな明るい雰囲気が伝わってくる感じなのです」と言ってくださる。 私は特別、電話の対応について職員の皆さんに注意したり、お願いしたこともありませんでしたが、そうした職員一人ひとりのおかげで、立派に務めさせていただくことができたわけで、こんな幸せなことはないと思います。
 五十五年にわたった教員生活の中で、ずうっと願い続けてきたことは、「人間に屑はない」ということです。どんなに名を知られていないような草花でも花を咲かせるようにどんな子どもたちにも、一人ひとりが咲かせなければならない花があります。
ところが、今は何か子どもの学習の点数というものに、親も学校の先生も頭を縛られてしまって、点数の低い子どもはつまらない子どもだと考えてしまう傾向が強くなりました。しかし、能力には高い、低いがありましても点数は低くても、その子どもしか持っていない光というものがあるのです。ですから私はいつも、
「どの子も、子どもは星。みんなそれぞれが、それぞれの光をいただいてまばたきしている。僕の光を見てくださいとまばたきしている。私の光も見てくださいとまばたきしている。光を見てやろう。まばたきに応えてやろう。光を見てもらえないと、子どもの星は光を消す。まばたきをやめる。光を見てやろう。そして、やんちゃな子どもからは、やんちゃな子どもの光、おとなしい子どもからはおとなしい子どもの光、気の早い子どもからは気の早い子どもの光、ゆっくり屋さんからはゆっくり屋さんの光、 男の子からは男の子の光、女の子からは女の子の光、天いっぱいに子どもの星を輝かせよう」そんなふうに言い続けてきたのです。
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改めて、これからも、それぞれの子どもの星の光を大切に見て行こうと思いました。

今年も早いもので残りわずかとなり、何かと慌ただしさが増してきました。幼稚園でも、お餅つきやしめ縄づくりに大掃除と年末の行事を行い、年の瀬を迎えています。新しい年、皆様がご健康で、笑顔で過ごせて、いいことが、いっぱいありますように祈っています。本年も、大変ありがとうございました。良いお年をお迎えください。

2021年度 2学期終業式 園長だより vol . 242 (2021.12.23)