ふじようちえん

園長だより vol . 244 (2022.1.31)

2022年01月31日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

1年で最も寒い時期を迎えています。早朝、マスクで曇りがちなメガネ越しに、ふと空を見上げてみると、真っ青に澄みわたっていて、すがすがしく、気持ちがいい空気を感じました。皆様、コロナ禍、本当に大変ですが、いかがお過ごしですか?
世の中、コロナ・オミクロン株の急速な感染拡大で、非常に不安な日々が続いています。日々、園でも万全の態勢で日々の保育にあたっていますが、増加する感染者数を知る度に、いつだれが陽性や濃厚接触者になってもおかしくない緊迫した状況になっていることを感じます。当園も含め、多くの子どもたちが集まっている幼稚園、保育施設、小学校等々で休園、学級閉鎖が相次いで起こっています。引き続き、万全の注意を払って臨みます。
再三のお願いになりますが、ご家族に発熱、もしくは体調のすぐれない方が出た場合には、園児が濃厚接触に該当する場合がありますので、必ず、その日の登園を控えて頂き、検査等で陰性を確認し、感染拡大する心配がない上でご登園ください。園では、いつでも、どこでも、マスク、手洗い、消毒、距離をとったうえでの黙食、これからもしっかり行っていきますので、皆様のご理解、ご協力、どうぞ宜しくお願い致します。

北風吹く寒さの中、子どもたちが元気いっぱいに屋根の上を走っています。寒い中ですが、子どもたちの元気に、たくさんのエネルギーをもらっています。偶然にも、『わが子を運動好きに育てる秘けつ』(あんふぁん2018.5月号)という少し前の記事を目にしました。コロナ禍、どうしても運動不足になりがちな今日この頃、ご参考までに≪幼児期に経験しておきたい基本の動き≫として、HPに画像をUpしました。ご参考までに、ご覧くださいませ。

今、先生方が、お話したり、絵本で節分のことを伝えています。その後、お部屋の中では、節分・豆まきに使う角箱をつくり、新聞紙で豆をつくっていきます。『鬼は~そと、福はぁ~うち‼』日本の行事体験もしっかりと行っていきます。また、劇発表会に向けて、練習をしています。この努力の中に育ちがいっぱい詰まっているんですね。どうぞ、劇発表会当日、お子様の成長した姿を楽しみにしていてくださいね。

先日、バケツに水を張って帰宅し、翌朝見てみると立派なバケツ氷が出来ていました。子どもたちは、冷たいながらもその氷を割れないように取り出し、ガラスのように透明な氷越しに人の顔を見ては楽しんでいます。やがて、割れて、あ~ぁ‼と言いながら、またその氷のかけらをもって遊んでいます。今ではあまり目にしないバケツ氷、冷たいけど持ってみたい、触ってみたい、割ってみたい…という気持ち、私はとてもわかります。バケツに張った氷や、つらら、霜柱…自然を感じて、冬を楽しむ、その源は、子どもたちの強い、強い好奇心。改めて、遊んで、いろいろ知って、わかって、子どもは育って行くものだと思いました。これは昔も今も変わりませんね。

≪失敗は成功の母、失敗こそ育ちのチャンス‼≫
私の思いが的確に表現されています。子育てのご参考になればと思い、転載させていただきます。
『挑戦意欲のある子どもに育てよう』
岡山大学大学院教育学研究科教授 高橋敏之氏
人を育てることに、近道はありません。その年齢に応じて、時期を逃さず、コツコツと地道に働きかけることが求められています。幼児教育の現場においても、 知育・徳育・体育・美育・食育など、バランスの良い育ちに気を配りながら、子どもの成長を促すための粘り強い取り組みが為されています。同時に、教育的な取り組みには検証と見直しも大切です。「子どものために」と思ってやっていることが本当に望む結果に繋がっているのか、折に触れて再確認する必要があります。例えば、子どものやる気を引き出すために、褒めて自信を持たせることは良いことだと考える人は多いでしょう。しかし、褒めることで逆に子どもの意欲を抑制してしまう場合があることはあまり知られていません。
私たちは、日々の養育や教育の中で、子どもに対して「早いね」「上手だね」「良くできたね」「それで合っているよ」などと言ってしまいがちです。すると子どもには失敗や間違いを回避したい気持ちも芽生えます。その気持ちが過ぎると、失敗や間違うことを恐れて物事に挑戦するのを尻込みしてしまう事例を生むことがあります。何事にも挑戦しなければ、失敗と間違いを完全に無くすことはできますが、それでは当初の目的とは真逆の結果を招くことになります。LG. カッツ (1998) は、「教師と子どもの関係が、その子どもの行為とその出来具合に支配される傾向があるのではないか」と指摘しました。確かに褒めることは大切ですが、行為の出来ばえだけを第一に考えず、遅かったり、下手だったり、失敗したり、出来が悪かったりすることにも多くの学びがあることを私たち大人が忘れないようにしたいものです。

同様の問題として、他にも気にかかることがあります。長年、幼児教育にたずさわり子どもの様子を見ていると、「○○してもいいですか」という許可を求める言葉をよく聞きます。それ自体はごく普通の光景ですが、時に失敗しないことを優先する余り、自分で考えて判断するのを初めから放棄しているかのように、子どもが細かく頻繁に師の指示を仰ごうとする場に遭遇すると、本当にこれで良いのかなと少し心配になります。一人の教師が多人数の子どもを教育する実践現場では、学校全体や学級を適切に管理する上で的確な指示は必要です。ただし、度が過ぎると子どもの依存心を強くするだけで、自立に向けた育ちを抑制することにも繋がります。現在の教育に、子どもに失敗させない、もしくは失敗を許さない傾向がないか、振り返って反省する必要がありそうです。
「失敗は成功の母」。年齢に関わらず、失敗した時こそ、その原因を突き止め、改善していけば、より大きく成長することができます。物事は失敗から学ぶことが多いのですが、大人の側に子どもの失敗を許容する余裕が無くなっているのかも知れません。 そういう環境では、次第に子どもは萎縮して、意欲的に取り組む姿勢を持ち続けることが難しくなります。失敗しないように、ことごとく大人が先に手を打ってしまうのは、子どもから成長の機会を奪うことに他なりません。先ずは、子どもの頃から成功 も失敗も含めた豊かな直接体験を数多くさせることが、必要ではないでしょうか。人が生きていく上で、失敗に動じない心の強さも不可欠です。子どもが様々な体験を糧にして、生涯学び続ける姿勢を持つ人に育ってほしいと心から願っています。
重ねて、多くの方も言っています。ご参考までに。

~本田宗一郎~HONDA創業者
『人生に無駄はない』人間がシンポするためには、まず第一歩を踏み出すことである。
~所ジョージ~ 無駄なことはひとつもない。
~イチロー~  無駄な過去はない。失敗がないと深みがない。遠回りが一番の近道。~フジ子・ヘミング~ 人生に無駄なことなんかひとつもない。生きるってことはいろいろ経験すること。その時は、自分とはまったく関係のないことのようでも、その経験が大切に思える時がきっとくる。

園長だより vol . 244 (2022.1.31)