ふじようちえん

2016年2月29日 園長だより

2016年02月29日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

幼稚園の早咲き桜が咲き始めました。その花びらを一枚一枚よく見ると、なんと美しい形をしていることでしょう。日ごと花の数が増えて行くのが本当に楽しみです。
すでに日差しは春の輝きを呈していますが、まだまだ冷たい風が身にしみます。暖かな春の訪れが待ち遠しい今日この頃です。
皆様、いかがお過ごしですか? 季節の変わり目、お体ご自愛下さい。
特に、今、インフルエンザが流行り、花粉が到来し始めました。どうぞ、うがい・手洗い、それぞれの対策をしっかりしてきましょう。

今、子どもたちは、劇発表会をやり終えた“達成感”“満足感”“自信”の中で育ちの時間を過ごしています。それぞれのお友だちが取り組んだ劇、無事に台詞も言え、緊張感、プレッシャーから解放されたのでしょうか?どことなく今までより一段としっかりしたような感じがします。まさしく、劇発表会で育った子どもたちですね。
改めまして、劇発表会に多くの皆様にお越し頂き、ご声援ありがとうございました。親やご家族が手を貸すことが出来ない環境で子どもたちは、練習の成果を充分に発揮し頑張りました。成長が確認できた素晴らしい時間になったことと思います。

年長さんは、あと数日で卒園し、年少さんは進級し、みんなそれぞれにステージを変えて育っていきます。一年の早さと目を見張る子どもたちの成長に驚いています。
今、子どもたちは、緑におおわれた園庭で、ハンカチ落としやフラフープ、お相撲ごっこや鬼ごっこ・・・まるで、お友だちと遊ぶ時間、先生と一緒の時間、幼稚園で過ごす時間を惜しんでいるかのような感じがします。私たち教職員も限られた今の環境を大切に過ごしていきたいと思います。

≪おやつで育つ≫
長時間のお友だちが、うれしそうにおやつを食べています。今日のおやつは、おせんべい、クッキー、ゼリー・・・子どもたちの大きな楽しみの一つですね。
ご存知の方も多いと思いますが、なんで“おやつ”と言うのでしょうか? 話しは江戸時代までさかのぼります。その頃は、朝ごはんと夕ごはんの2食だったので、お腹がすくのを抑えるために間食をしていました。その時間が昔の数え方で「八つどき」(午後2時~4時頃)だったので、(お八つ)と呼ぶようになり、今の“おやつ”になったとのことです。江戸時代の人は、今みたいなお菓子ではなく、おかゆ、ぞうすい、いも類を食べていたようです。
おやつは、私も大好きですが、3食の食事をきちんととることが基本です。食べ物が胃に入ると脂質以外はおおよそ2~3時間で消化されるので、ごはんを美味しく食べるためには、少なくともごはんの2時間前までにおやつを食べ終わることが良いと言われています。おやつは食事では賄えない栄養を補うことも役割の一つですが、食べ過ぎないように、量と時間を守って食べることが良いのです。が、これが難しい。
ちなみに、焼き目が“絹のような”感じから、フランス語でクレープ、クリームの入ったキャベツと言う意味のシュークリーム・・・余計でしたね!
≪忘れてはならない、当時のこと≫
3月と言えば、東日本大震災が11日で5年目になります。改めて、多くの方々のご冥福を祈るとともに一日も早い復興、ご帰宅が出来ますように祈念しています。
震災から5年目と言うことで、当時の状況をお伝えし、防災に心したいと思います。あえて、当時の園長だよりから抜粋し、状況をお伝えします。

3月11日(金)、午後2時46分、今まで体験したことのない大きな揺れの地震でした。2番バスを待つ子どもたちやヴァンテージ、ラパン等々の子どもたち、そして親、先生等、まだ合計約300人以上が幼稚園内にいました。地震発生、避難訓練通り、放送で机の下に避難することを指示、子どもたちは一人も騒いだり、泣いたりすることもなく、園庭中央に防災ずきんを付けて集まり、安全を第一にしゃがんで待機していました。その後、大きな余震も数回ありましたが、本当に動揺、混乱もなく冷静に対応して、避難訓練通りよくできました。“おかしもな”花〇です!!
そして、ラジオ、テレビの情報によると大地震発生とのこと、何が起こるか分からない中、子どもたちの安全を第一に、2番バスの運行を中止し、ご家族様にお迎え頂くことにして一斉メール、HPのブログ等で連絡しました。
やがて、ご父母、ご家族様にも引き渡し訓練通り、お子様をお引き取り頂き、夜9時には最終の方がお越しになり無事完了しました。お仕事やご用事で遠くに行かれ、電車も動かないし、大渋滞の中を皆さんなんとか幼稚園まで来て頂きました。
多くの皆様のご協力に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。そして、大変、お疲れさまでした。
ちなみに、教職員は、引き渡し完了後、車、自転車で方面別に乗り合いにて帰路につきました。大渋滞で、いつもより相当時間がかかった先生もいたということです。
それにしても、万が一の時の対応を迫られた地震発生からの時間でした。落ち着いてから、再検証して、さらに安全で確実な方策を検討して、今につなげています。
私たちは、何時になっても、例え宿泊になっても子どもたちと一緒に待っています。実際、スマイルエッグスでは、宿泊し、朝のお迎えになったお子様もいました。
ご父母様をお待ちするのが、私どもの役目。もともと、私どもの仕事の99.9%は、お預かりした命をしっかりとご家族のもとにお返しすること、それが一番の仕事であり、すべてだと思っています。
翌日、幼稚園に『先生、あの一言、本当に安心しました』と言う感謝の言葉を頂きました。それは、避難状況を伝えているメールの中にあった『泣いている子は、一人もいません』の一言でした。お母様は、お子様が地震で動揺して泣いているのではないかとご心配なされていたようです。『あの一言で安心しました』逆にこの一言に私たちも勇気づけられ、うれしさが込み上げてきました。一言の価値、こんな時だからこそ、〈心から安心できる言葉〉をいっぱい使って行きたいものですね。
一夜明けて、テレビに映った、津波の傷跡・・・涙が出て仕方がありませんでした。
さぞかし大変で、きびしく、寒く、つらい状況の中に居られるものと推察致しました。それにしても、まさか、街全体が流されてしまうとは…想像も出来ませんでした。

以上、5年前を思い起こし、今後の戒めとし、もしもの時に安全第一に対応することが、尊い生命を失くされた方々へ報いる私たちができる唯一の道だと思います。
改めて、今、ここに生きていること感謝です。  

園長だより vol.162 (2016.2.29)