ふじようちえん

2022年度 二学期終業式 園長だより vol . 256 (2022.12.23)

2022年12月23日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

 ♪あわてんぼうのサンタクロース、クリスマスまえにやってきた・・・寒さも増し、朝、冷たい空気の中、子どもたちの元気な歌声が園内に響いています。ある方から、『師走こそ、時間のゆとりが、心のゆとり』と言われましたが、あわてんぼうのサンタクロースではないですが、大掃除、年賀状…何かとせわしくなる今日この頃です。
 皆様、いかがお過ごしですか?寒さも増して、本格的な冬がやってきました。どうぞ、温かくしてご自愛くださいませ。そして、まだまだコロナ対応が必要な状況が続いていますので、お出かけや人の集まり等々、十分お気をつけてお過ごしください。

 私は、サッカーワールドカップTV観戦で、メッシやエンバペの素晴らしいプレーにくぎ付けになって、寝不足気味の日々になってしまいました。毎回、ワールドカップの現地に行っている息子さんがJリーガーの友人は、今回も、カタールまでサムライブルーユニホームを着て、あの8万人入るスタジアムでドイツ戦を応援したそうです。友人の話として、『ドイツ戦勝利後、このユニホームを着ていて今日ほど誇らしく賞賛の声を頂いた事はありませんでした。道行く人がコングラッチュレーションと言ってくれ、グーの握手を求められたり、写真を一緒に撮ってと言われるのです。ドイツ人でさえそうです。やたら世界中の人が注目してくれていたようです。僕の席はアウェイでドイツ国旗とユニホーム、顔面3色で溢れていたが、時間が経つにつれ、味方が増えるような感じでした。たかだかサッカーですが、こんなにも世界を熱狂させ、人の気持ちを揺るがしてくれるものは少ないと思います』そして、友人曰く『ワールドカップは、世界最大のお祭りだね』と言っていました。次回は、行きたい‼そして、日本がワールドカップで優勝する日が来ることを強く、強く願っています‼

≪西暦と旧暦≫
 一年が経つのは本当に早いもので、毎年、毎年早さが増しているような気がします。先日のお餅つきでは、薪を焚きつけ火をおこし、釜の水を沸騰させ、その蒸気でもち米を蒸し、炊きあがったもち米を臼に移して、まずお米を練ります。ある程度練ったら、威勢よくお餅つきの始まりです。子どもたちの『よいしょ、よいしょ‼』の元気な掛け声に合わせて、杵でついて、やがてお餅になって行きます。また、屋根の上でしめ飾りづくりを見学して、歳神様を迎える準備をしたり、冬の北風にさらす大根をテラスに吊るし、干して、やがて、たくあんにして、食したり…毎年のことですが、お正月を迎える昔ながらの日本の風景、昔ながらの掛け声等々、このような場面を幼児期の原体験として感じてもらえればと思っています。正直、日常は西暦で動いていても、日本の暮らしは、立春、春分等々、二十四節気で季節を感じ、年中行事を行ったりしています。子どもたちにも、旧暦と西暦、上手に使い分けて生活を楽しんでほしいと思います。西暦&旧暦…クリスマス、お正月、どちらも楽しみですものね。

≪はきものをそろえる、心をそろえる≫
 12年ぐらい前、長野県北信地域の私立幼稚園教諭研修会に講師としてお招きいただき、ふじようちえんのこと、幼児教育のこと等々をお話させていただきました。
講演の前日、訪れた園が円福幼稚園というお寺様が運営する立派な幼稚園でした。玄関にある一枚のポスターに目が止まりました。それは、ふじようちえんの旧園舎時代、永らく玄関に掲げていた「はきものをそろえる」というポスターと同じものだったのです。聞くと、先代の園長先生が残された多くのお言葉の中の一つとのことでした。まさにこの園こそ、この「はきものをそろえる」という言葉の発祥地だったのです。偶然とはいえ、何か大きなご縁を感じました。

以下、その時にご紹介いただきました仏教法話のご紹介です。
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 「ごめん下さい」と玄関にはいったとき、はきものがそろってるお家は家中の人の心もそろっているそうです。お靴さんも、スリッパさんも双子の兄弟です。仲よくそろえてあげると「ありがとう」と喜びますよ。けんかさせて、バラバラにしておくと悲しみますね。誰かが乱してぬいでおいたはきものも、可愛そうですから、そっと、そろえておいてあげましょう。お便所のスリッパさんはあとから入る人のために、向こうむきにぬいで出ましょう。そうすれば、あとから入る人が「ありがとう」と喜びます。そして、みんなが、向こうむきにぬぐようになると、家中も仲よくなり、この世も平和になるのです。あとのことなんか知ったこっちゃない、入るものが直して入ればよいのだ、と乱して出て来ると、あとから入る人が困ります。そして、だれもが人の困ることなんか関係ないやといっていると、家中もてんでんばらばらになって、この世も争いになってしまいます。(中略)
この説法を聞いたおじいさんが「和尚さん、わしはこの齢になるまで、便所のはきものを向こうむきにそろえて出れば、後から入るものが喜ぶということをしらなかったがな、和尚さんの話を聞いて胸におちたで、あれから実行してみたら、ばあさんもやるようになり、息子や嫁も、そして孫までまねるようになって、家中がお互いをおもいやる心になったです。あと何年生きるかわからねけれど、自分の代だけでなく、子孫のために、はきものをそろえたいと思うのです」とお礼をいって下さいましたが、後から来る子孫のために、はきものを平和の方へそろえておく、それを後生願い(ごしょうねがい)というのです。ほどなく来る21世紀の未来のために、今日も私たちは、はきものをそろえようではありませんか。

「はきものがそろうと心もそろう。心がそろうとはきものもそろう。
 ぬぐときにそろえておくと、はくときに心がみだれない。
 だれかがみだしておいたら、だまってそろえておいてあげよう。
 そうすればきっと、世界中の人の心もそろうでしょう」

 この「はきものをそろえる」という、小さな心がけの中に、未来があります。自分のはきものをそろえないような心では、人生のすべてが無責任のやりっぱなしになってしまうのです。禅の修行は、まず「はきものをそろえる」ことから始まります。それが坐禅の心であります。「仏道を習うというのは自己を習うなり」と道元禅師もお示しであります。自分のはきものをそろえ、人のはきものをそろえ、世界中の人の心を仲よくそろえる修行が仏道であり、仏教徒の誓いであります。
 はきものをそろえましょう。そうすれば、心もおちつき、スポーツも強くなり、勉強もできるようになります。みんなのはきものをそろえたり、お便所のスリッパをそろえておくと、仏さまが喜ばれ、あなたの運勢は必ず開き、きっとしあわせいっぱいになります。
はきものをそろえましょう。 合掌
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以上、ご参考になれば…と思います。

 お正月・・・初日の出、初詣、おみくじ、お雑煮、年賀状、新年会、お年玉・・・お年玉をもらうときは必ず両手で受け取り、相手の目を見てしっかりあいさつ「ありがとうございます!!」いただいたお年玉は、誰からいただいたかを言って必ず親に渡すこと。きちんとさせたいお年玉との付き合い方でした。
 本年も、大変お世話になり、ありがとうございました。新年が、平和で、皆様にとっていいことがいっぱいありますように…心からお祈り申し上げます。よいお年を‼     

2022年度 二学期終業式 園長だより vol . 256 (2022.12.23)