ふじようちえん

園長だより vol . 272 (2024.1.31)

2024年01月31日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

 暦では、梅のつぼみもふくらむ…と言われる季節を迎えていますが、まだまだ、凍てつく寒波がやってきて、その寒さに体調を崩しがちな今日この頃です。皆様いかがお過ごしですか?
 ここで、改めて、元日の能登半島地震に際し、お亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を表させて頂くとともに、被災された多くの方々、並びに震災地域に関わる全ての関係者の皆様方に心よりお見舞い申し上げます。
 子どもたち、ご家族様、来園者様、等々のお気持ちを込めた“能登半島地震募金”にご協力いただき、誠にありがとうございます。災害時に助け合う心を子どもたちにも伝えることが出来ているものと感じています。引き続き、ご理解ご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

≪霜柱とバケツ氷で育つ≫
 今朝、とても寒かったので園内のあちこちに霜柱が出来ていました。登園してきた子どもたちは、靴で踏んでは“ザクッ、ザクッ”という音や感触を楽しんでいます。他愛もないこんなあそびの中にも、子どもたちの感性、自然との付き合い方が育まれるものと思っています。ただし、多少、靴は汚れ、子どもたちの歩いた後には、泥がいっぱいですけどね。霜柱あそび、みんなで楽しみましょう‼また、あるクラスでは、前日に、『明日は寒くなるらしいよ』の先生のお話しで、バケツ氷やいろいろな氷を作ってみることになり、バケツに水をはってチャレンジしてみました。翌朝、出来た氷を手にして、顔を近づけ、のぞき込んでは楽しむお友だちの姿が見れました。冬には、冬ならではの楽しい自然との付き合い方があります。ご家庭でも、バケツ氷、挑戦してみてはいかがでしょうか?我が子の自然への興味度合いが知れるかもしれませんね。ちなみに、私が小学生のころ、氷を見ると必ず割ってみたい衝動にかられ、割っちゃう友だちがいたことを思い出しました。(私じゃないですよ)

≪折り紙万華鏡で小さな幸せに出会う≫
 先日、保育・幼児教育関連の商品を扱う会社の展示会に行ってきました。年に数回開催しているこういう展示会で、私どもと同じように全国の幼稚園・保育園を運営する者が、少しでも子どもの育ちに役立つ商品やこれからの子どもの育ちに有効な情報を得たり、購入したりしています。今回の展示会も多くの情報や商品が展示されていてとても興味深く拝見させていただきましたが、一番興味をもったのは、“折り紙万華鏡”という折り紙の作品でした。これは、ある社員さんがYouTubeを見ながら取り組み、7時間かけて完成したとのことです。とても正確できれいに仕上がっていて感動しました。もともと、折り紙の源、紙についての専門業者ということもありますが、その折り紙を駆使して、万華鏡のようにして見せてくれたことに感動しました。こういう展示会では、ついつい売らんかな?の姿勢がみえるものですが、この折り紙万華鏡にはそのようなことよりも、『折り紙を楽しんでほしい‼みんなもやってみて‼』のメッセージが聞こえてきました。こういう“小さな幸せ”うれしいですね。
※動画 折り紙万華鏡※

≪縦、横、斜めで子どもは育つ‼≫
 ふじようちえんや当法人の保育園では、毎年、年間を通じて、いくつかの立川市内の中学校から職場体験を受け入れています。この主旨は、中学生に実社会を体験してもらい、様々なことを学んで、社会を知り、将来の職業選択の一助になればというものです。当園でも、中学生の学びに役立てばと思って協力させて頂いてます。実際、中学生のころ職場体験で幼稚園に来て、この仕事をめざし、現在仕事をしている先生もいます。今回、来てくれた中学生の皆さんは、とても明るく、元気いっぱいに子どもたちと遊んでくれ、楽しんでいました。子どもたちと遊ぶその光景を見て、中学生の成長も大事ですが、子どもたちの育ちにも役立っていることに気づきました。それは、生まれて数年しか経っていないお友だちは、親や先生たちには出会っていても、それ以外の大人に出会い、触れあう機会がとても少ないということです。よく言うことですが、縦、横、斜めの関係で子どもが育つ‼と言うように、様々な大人との関係が、自分の存在価値、自己肯定感を増していくことにつながっていくと思っています。親子関係(縦)、お友だち関係(横)、地域の人・大人との関係(斜めの関係)…中学生の皆さん、ありがとうございました。子どもたちが育つ斜めの関係、これからも時々、遊びに来てくださいね。

≪教育が命を守る‼≫
 お正月、地震で大変な中での羽田空港での飛行機事故、海上保安庁の方々には心よりお悔やみ申し上げます。すでに様々な報道等でご存知だと思いますが、事故直後、機内では物理的に機長とCAさんの連絡が取り合えない状態だったそうです。乗客を誘導するCA さんたちの咄嗟の判断で、火災が発生している機内で、脱出できる避難扉を判断し、乗客に荷物を持たせず、迅速に避難誘導したことが奇跡のような全員無事脱出ができた大きな要因だったということです。日本航空では、90秒ルールというものがあり、いかに短い時間で脱出するか、の訓練を繰り返し行っていて、その培ってきた、もしもの場合の対応能力が今回、発揮されたものでした。とは言っても、あの修羅場の中で、その力をフルに発揮され300数十名の命を守ったことは、凄いことですし、世界から奇跡と言われ、賞賛されるのも同じ日本人として誇らしく感じます。本当にすごいこと、そして、本当に良かったですね。
 先日、中国からのお客様たちが、たまたま幼稚園の避難訓練を行っている場面に遭遇して、感動し、納得していました。何かと言うと、『このように幼い頃から、避難訓練をしている日本人だからこそ、あの航空機事故の混乱の中、譲り合いの心が起動して、速やかに全員無事に脱出できたものと思います』とおっしゃっていました。多分、自分たちの場合だったら、我先に脱出することが重なり、大混乱になり、多くの死傷者が出ていたと思う、と言われていました。幼い時からの避難訓練が命を救ったのですね。まさしく、“幼児教育こそ、国をつくる力であり、命を守る力”だと感じました。改めて、幼児教育にたずさわる者として、命と未来への責任を感じました。13年前の東日本大震災時、発した言葉は、『避難訓練通り‼』『引き渡し訓練通り‼』でした。教訓として、『非常時には、訓練以上のことは出来ない』ということ。避難訓練、より大切に取組んでまいります。

園長だより vol . 272 (2024.1.31)